2015.01.18

【おすすめの授業】 文化・人間情報学研究法Ⅲ

こんにちは。修士1年の逆瀬川です。

先週末、先輩方は修論の提出を無事に終え、ゼミ後に修論打ち上げ会を行いました!
ずっとみなさんが(主に私が)行きたがっていた焼き肉ジャンボでおいしいお肉をいただきました。
幸せな一時でした。
ジャンボ画像.jpg

さて、2ヶ月ほどお送りしているブログテーマ「おすすめの授業」ですが、第6回の内容は、文化・人間情報学研究法Ⅲについて紹介したいと思います。
名前を聞いただけでは、何をしているか皆目検討がつかないですが、一言でいうと「ワークショップデザイン」について学ぶ授業です。

私たちの指導教官である山内先生と、同じく文化・人間情報学コースの水越伸先生が担当している授業で、半年間かけて理論を学びながら、実際にワークショップをデザインし、公募で参加者を募り実践するところまで行います。

授業の前半では、ワークショップデザイン論を教科書に、設計の理論を学び、ワークショップのお題となる「メディアリテラシー」の講義を受け、去年の受講者の方に実践例をプレゼンしてもらいます。

授業の後半から、グループ別にそれぞれのワークショップ案を練り上げます。
デザインの核となるコンセプトの決定、具体的な活動、タイムライン、それぞれに先生からコメントをいただき、修正を繰り返しながらワークショップの全体像を描きます。

実際には一筋縄でいかないことが多く、私たちの班はかなり苦戦しながら、実践のギリギリまで先生たちからのゴーサインをいただくことができませんでした。
しかし、最後まであきらめなかったのが幸いし、当日には、定員ほぼいっぱいの参加者を集め、好評のうちにワークショップを実践することができました。

私たちの班がデザインしたワークショップは、人々のいらっとした感情をもとに妖怪を作り、参加者全員で妖怪図鑑を完成させるというものでした。

ワークショップ画像.png

それぞれにかなり個性的な妖怪をつくっていただいて、開催者側もとても楽しむことができる一日となりました。

妖怪画像.png

半年の授業を振り返って、興味関心もバックグラウンドも異なる4人が集まり、1つのワークショップをつくるということは、かなりハードな時間ではありましたが、グループワークを通して、ワークショップデザインを学べただけでなく、自分のコミュニケーション方法の悪い癖などを振り返る良い機会となりました。

ワークショップをデザインし、実際に公募で実践するというユニークな授業は、学際情報学府ならではだと思うので、ぜひ履修してみることをおすすめします。大変なぶん、学ぶことも大きかったと、今改めて感じています。

次回は最終回、松山さんはどんな授業を取り上げてくれるのでしょうか。
それでは、寒い日が続きますが、みなさまくれぐれもご自愛ください。

逆瀬川

2015.01.10

【おすすめの授業】 文化・人間情報学研究法I

みなさま、あけましておめでとうございます。
M1の青木翔子です。
2015年、はきりって参りたいと思います!どうぞ宜しくお願いいたします。
余談ですが、研究室でインフォーマルに書き初めをしました。
私の今年の目標は、「小さな習慣を大切にする」です。はい、こつこつがんばります。


さてさて、ブログテーマ「おすすめの授業」は、M1のターンとなって参りました。
昨年4月に学際情報学府に入り、この8ヶ月間、様々な先生方の授業を受け刺激を受ける毎日でした。

2014.12.26

【おすすめの授業】フィールドワークの理論と実践

みなさま、こんにちは。
M2の中村絵里です。

クリスマスの昨日は、東京や横浜で小雪が舞ったようですね。
クリスマスが過ぎると、2014年も残すところあと数日。修論の執筆で、季節のイベントどころではない身ではありますが、新年を厳かな気持ちで迎えられるように、残りの数日間を大切に過ごしたいと思います。

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【おすすめの授業】第3回の「学習環境デザイン論」では、池田さんが、大阪にあるThe Lab.の視察について紹介してくれました。

第4回は、学校訪問、授業観察、参与観察など、現場に赴いて行うフィールドワークについて学ぶことのできる授業「フィールドワークの理論と実践」(結城 恵先生)をご紹介したいと思います。

これは、教育学部の授業で、昨年度は冬学期に、本年度は夏学期に開講されていました。他学部・他研究科の授業で履修した単位を、学府の卒業認定単位に含めることができる点は、既に青木くんも紹介してくれたとおりですが、こちらの授業も、質的研究に関して理解を深めることのできる授業として、学府の授業プラスαで履修できるのでおすすめです。

「フィールドワークの理論と実践」では、エスノメソドロジー、すなわち、人、モノ、言葉を介した背後にどのような文化があるのかを読み解いていく方法を、グループワークを通して実践的に学びます。例えば、日本の小学校のある1日の様子を写したビデオを視聴し、その背後にどのようなストーリーがあるのかを、観察した情報と自らの推測を交えながら考察したり、実際にフィールドワークに出向いて、2人以上で話されている会話を聞き取り、その会話を分析したり、また、後半には、フィールドノーツの取り方を学んだりすることができます。

この授業で学んだことは、どんな現場に於いても、自分の目や耳で見聞することや、観察できることを最大限記録に残し、それらを基に自身の感性を研ぎ澄ませながら考察を行うことの大切さです。私は、この授業を履修した後で、研究のフィールドであるモンゴルに2度訪問しました。訪問時には、その場にある物や、その場で起こる事をじっと目に焼き付け、記録に残してきました。実際に帰国してからふりかえる中で、見えてきたことや、わかってきたことが、意外に多いことに驚きました。

質的研究を行わないという人でも、実験や実践をされる方は、実験時の観察方法や、インタビューの解釈の仕方など、さまざまな場面で役立つ手法を学ぶことができるおすすめの授業です。

みなさま、良いお年をお迎えください。

【中村絵里】

2014.12.19

【おすすめの授業】学習環境デザイン論


みなさんこんにちは。M2の池田です。おすすめの授業第3回目の今日は、我らが山内先生の「学習環境デザイン論」という授業について紹介させて頂こうと思います。

学習環境デザイン論は、学際情報学府で冬学期に開講されている授業です。
この授業では、前半により良い学びの場をデザインする上で重要な知識について、インプットし、後半は、そのインプットした知見をもとに実在する学習環境を改善する企画立案を行います。

具体的に話すと、前半では、空間・活動・共同体という視点について、具体的な事例の検討と背景にある理論を学びます。去年度はそれぞれ以下のような、事例と理論についてグループでまとめて発表を行いました。

活動  事例→CAMPクリケットワークショップ
    理論→フロー理論
    理論について触れている過去のylab記事

共同体 事例→Socla
    理論→実践共同体
    理論について触れている過去のylab記事

活動  事例→学環コモンズ
    理論→シグ二ファイア
    理論について触れている過去のylab記事

後半では、これまたグループで、実際に学習環境のデザインを体験しました。
私が履修した去年度の授業では、大阪にあるナレッジキャピタルさんのThe Labを舞台に、"5年後の新しいThe Labを構想する"というテーマで企画立案を行いました。

実際に大阪に視察に行き、コミュニケーターという現地のスタッフの方にフロアを案内してもらい
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それをもとに、グループで現状の課題などを考え、企画立案を作成し、本番は企画案を山内先生と、株式会社スーパーステーションの社長に向けプレゼンし、講評ををいただきました。


人々の交流や学習を促す、理論についてしっかり学んだ後にそれを応用し、実際により良い学びのおきる空間を考える機会があって、とっても面白かったなー。
活動や共同体の理論などは実際に自分が所属するコミュニティや活動などの改善を行う上でも活かしていきたいとおもいました。
次回の授業紹介はM2の中村さんです。


池田めぐみ

2014.12.12

【おすすめの授業】コミュニケーションにおける意図の理解

みなさま、こんにちは。山内研究室修士2年の青木です。

私は今、修士研究の評価実験の一環で訪れていた島根県隠岐島の海士町から東京に帰って来て、今はその分析と全体的な論文の執筆に追われている毎日です。
修士課程の集大成ということで、自分のおこなってきたことをきちんと記述することができるように、毎日一歩ずつ確実に進めていきたいと思います。

さて、早いもので今年も残すところあと2週間となりました。
1年が過ぎるのはあっという間、光陰矢のごとしとは言いますが、僕にとってこの1年間はなかなか濃密な1年だったように思います。また、今年度の振り返り回に、まとめてお話できればと思っています。

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今回のブログテーマは「おすすめの授業」ということですが、第2回は僕が去年受講した、教育学部の「コミュニケーションにおける意図の理解」という授業について少しだけご紹介しようと思います。

「思ったとおりに伝わらない...」という経験は、誰もが経験する出来事だと思うのですが(僕自身、毎日悩んでいます)、なぜ思ったことがその通りに伝わらないのか、意図を形成する要素にはどのようなものがあるのかということについて、認知、発達や障害の観点から多角的に考える授業でした。授業は講義、ディスカッションが2日間と、指定された関連研究の論文発表が1日の3日間構成でした。
この授業は教育学部の冬学期開講の集中授業だったのですが、僕のように他学科からの受講生も多く、さらに受講生はそれぞれにコミュニケーションと意図の形成についてなんらかの意見を持った方が多く、ディスカッションの際は活発な議論が行われていたように思います。

ディスカッションも印象に残っているのですが、個人的に印象深かったのは、「サリーとアンの課題(Sally-Anne test)」を、実際に幼児を対象にして行った実験の映像を見ることができたことです。サリーとアンの課題については、発達心理学における誤信念課題の代表例として、以前から教科書的に知識として知っていたのですが、実際に課題を正解できる子とできない子の様子を見ることができて、研究の妥当性・有効性を改めて感じることが出来ました。

また、最終日の発表では、語用障害(他人の感覚・思考を推測する能力)に関する論文を紹介しました。内容は、ASD(自閉症スペクトラム障害)患者に対して強制やイントネーションなどを変更して数種類の実験を行った結果に関するものだったのですが、普段、自分の研究として調べている領域ではあまり触れることのない論文を読むことができ、学習における障害・発達という、自分の中で新たな視点が得られたように思います。

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僕は、システム開発系の研究をすすめて来たのですが、振り返ってみるとテクノロジー系の授業をあまり受講していなかったように思います。特に意識はしていなかったのですが、結果としてそうなったのは、もしかしたら学部時代を情報工学系で過ごしてきたことの反動なのかもしれません。結果、上に紹介した授業を含め、新たな学術領域での授業を受講できたことは、自分にとって非常に新鮮な学びとなったように思います。
(ちなみに、学際情報学府の学生は、他学部の授業も卒業に必要な単位として含めることができます(上限あり)。学際的な研究をする上で、非常にありがたい制度ですね。)

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さて、来週は第3回、M2の池田さんが担当します。お楽しみに。

体調を崩しやすい時期ですので、皆様どうぞご自愛下さいませ。
少し早いですが、良いお年を。


青木智寛

2014.12.08

【おすすめの授業】デジタルミュージアム展示論と総合分析情報学特論

こんにちは,M2の吉川遼です.

朝晩の冷え込みも厳しくなり,いっそう冬の訪れを感じられるようになってまいりました.
東大の銀杏もすっかり色づき,通りがかる人が足を止めてカメラを取り出す姿もたびたび見かけます.
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冬本番ということは,今年も残り僅か,ということでもあります.1月の論文提出にむけて着々と準備を進め,少しでもよい研究にすることができればと思います.

さて,今回からの研究室ブログのテーマは「おすすめの授業」ということで,今週より7週にわたって,各ゼミ生がこれまで受講してきた授業の中からオススメの授業をについて各自の視点から紹介してまいります.

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修士課程は基本的に2年間で修了することが多いのですが,2年目は自分の研究や実践,学会発表などの準備に追われるため,1年目に多く履修しておき,2年目の研究用の時間を確保しておく...という人が多い印象を受けます.

僕自身,1年目に自分の興味関心に近い面白そうな授業を多く履修したので,そこでのプロジェクトや講義内容に影響を受け,自分の研究に還元できた内容も数多くありました.

例えば,入学当初は博物館での展示物学習に関心があったので,東京都現代美術館学芸員の森山朋絵先生が開講されていた「デジタルミュージアム展示論」を受講し,国内外のメディアアート作品の変遷や動向について見識を深めました.

この授業では,森山先生がメディアアート作品や展示方法について厖大な事例を紹介してくださったのですが,その中で印象に残ったのがメディアアーティストの八谷和彦さんが1993年に発表した「視聴覚交換マシン」でした.

「視聴覚交換マシン」は96年にアルスエレクトロニカでも展示されていたので,御存知の方も多いかと思いますが,このデバイスを装着することで相手と視聴覚を「交換」することができる,というものです.

この「感覚を交換する」というコンセプトが僕にとっては非常に衝撃的でした.授業履修後もしばらくは研究テーマが二転三転し,悶々としていたのですが,1年目も終わりに差し掛かった2012年の1月辺りから「熟達者の追体験」に研究の方向性が固まりはじめ,「どのように感覚や体験を共有出来るか?」という時に「視点の共有」「聴覚の共有」といったキーワードが浮かんできました.

「感覚の共有」に関心を持つようになったもう1つのきっかけは,1年目の後期に履修した「総合分析情報学特論XII」でした.
この授業は暦本純一先生が開講されていた授業で,各回にゲスト講師がそれぞれ講義を行う形式でした.

僕が受講していた時は,takramの田川欣哉さんや,電気通信大学の梶本裕之先生などが講義をされていましたが,田川さんはプロトタイピングメソッドを使うことによるプロダクトデザインの進め方だったり,梶本先生は触覚を用いた視触覚クロスモーダル現象な体験の生み出し方についてとても興味深い事例を紹介されていました.

また,この授業の後半では,受講している学生がテクノロジを用いた新しいシステムやサービスをプレゼンしていたのですが,みなさん独創的かつフィージビリティの高いアイデアばかりでとても刺激的でした.

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こうして振り返ってみると,僕の場合はメディアデザインやテクノロジ利用に関する授業を多く取ることが,自分の研究にとっての多様なインプットとして機能していたように思えます.

当時は授業とグループワーク,研究でいっぱいいっぱいではありましたが,もう少し教育関連の授業も取っておけばよかったなあ,と少し後悔もしています.

次回はM2の青木くんです.どんな授業を紹介してくれるのでしょうか.お楽しみに.

2014.11.29

【夏休みの過ごし方】さまざまな場での学び


みなさま、こんにちは。
【夏休みの過ごし方】最終回は私、M1松山が担当させていただきます。
すっかり寒くなってきましたね。すでに夏がずいぶん前のことのように感じられます。

私の夏休みを思い返すと、いろいろな場所に行ったことが強く記憶に残っているので、それぞれの場で学んだことについて書いていきたいと思います。

山内研の行事としては、島根県の隠岐島海士町での合宿、岐阜大学で行われた学会に参加しました。島特有の学習環境に触れたり、学会で初めてお会いする先生方に研究のアドバイスをいただり、どちらも貴重な学びを得ることができました。
合宿と学会の内容については、M1のレポート逆瀬川さんの記事があるのでぜひ読んでみてください。

さて、ここからは、山内研での活動以外で足を運んだ場所について、研究以外のことも含めて書いていきます。

小学校見学
私は小中学生を研究の対象としているので、夏休み後半の9月ごろに、いくつか小学校を訪問し授業を見学させていただきました。
子どもたちの様子から、授業内の課題設定が活動の取り組みやすさを大きく左右することを強く感じ、これはツール教材にも言えることだと思うのでとても参考になりました。

美術館・博物館めぐり
夏休み中の自由な時間を使って、美術館や博物館にも頻繁に足を運びました。
一見、研究に関係ないように思えますが、作品の発想や体験のさせ方が研究のヒントになることもあると考え、できるだけ幅広いジャンルにあたるようにしていました。
安斎さんにワークショップのアイデアの出し方を伺ったとき(【助教の方々へインタビュー】安斎さんにインタビュー!参照)、こうしたアイデアのストックが使えると仰っていたので、私もこうして見てきたものがいつかツール開発に活きるといいなあ、と思っています。

フィンランド旅行
これは全く研究を意識していなかった旅行なのですが、行ってみるとここでも参考になるものがたくさん見られました。
サンタクロース村やサルカニエミ遊園地、ムーミンワールドなどのテーマパークには、ワークショップやゲームがたくさんあり、家族連れのお客がとても多かったので、子どもたちがどんな行動をとるか直に見ることができました。
また、私は夏休みに研究の一環として知育玩具について調べていたので、フィンランドの知育玩具を見て回れたのも大きな収穫だったように思います。

こうして書いてみると外に出ることが多い夏休みのようですが、それが記憶に残りやすいというだけで、実際は研究室にいることが多い毎日でした。
ですが、ずっと研究室や家で本や論文を読んでいるのではなく、たまにこういったインプットも取り入れると、また違った形で思わぬ学びが得られるような気がします。
実際、私は夏休み中に「『ノックの音が』ー恐怖の59秒間ワークショップ」というワークショップを実践しているのですが、この企画は映画や小説、テーマパークなど様々なものを参考にしてアイデアを出していました。
多方面からのインプットがたくさんできるのは、M1ならではのことかもしれません。
いままで得てきたものをうまくアウトプットできるように研究を進めていきたいと思います。

次回は新しいブログテーマになります。
お楽しみに!


【松山彩香】

2014.11.24

【夏休みのすごし方】 研究者が集う学会に初参加

こんにちは。
修士1年の逆瀬川です。
この3連休は、お出かけ日和の晴天が続きましたね。
これくらいの心地よいお天気がずっと続いてくれればよいのですが、これから寒さの厳しい季節の到来です。みかんとこたつが恋しい季節。

さて、もうすっかり冬の気配が漂ってきていますが、ブログテーマ「夏休みのすごし方」あと2人だけ続きます。

毎年、9月に教育工学会(JSET)の全国大会が開催されるのですが、今年は岐阜が開催地でした。JSETは、教育工学に関する研究者や教師、学生が一同に介し、研究や実践を報告する貴重な機会です。
山内研の修士生からは、M2の青木さんが「建設的相互作用を促す中高生の学業的先延ばし防止支援システムの開発」をテーマにポスター発表をしました。

口頭発表やポスター発表、全体会の他に、今年から特定のテーマについて議論をする場として,"SIG(Special Interest Group)セッション"が設けられるようになりました。
私は、6つあるテーマの中から、協調学習・学習科学に参加させていただいたのですが、ポスターセッションや、今後、SIGをどのように展開していくかについてのディスカッションなど、自分の研究にとても近い領域で参考になるお話が聞けて、よい勉強になりました。

大会2日目の夜には、懇親会があり、普段、参考文献で読んでいる論文や本を執筆している、有名な先生方にご挨拶をさせていただき、とても緊張したことを覚えています。
公式の懇親会の後は、若手の研究者や学生が岐阜のおしゃれな飲み屋さんで交流する「ワカモノ飲み会」と呼ばれるイベントがあります。自分の研究にアドバイスをいただいたり、他の研究室の雰囲気が知れて、充実した夜がすごせました。

今回、学会でお会いしたみなさまに、来年またお会いできることが、今から楽しみです。
その時までに、少しでもまわりの方々に近づけるように、自分の研究を真摯に頑張りたいと思います。

岐阜のホテルが予約いっぱいだった関係で、名古屋に泊まったのですが、研究室のみんなと食べたひつまぶし、おいしかったな。。


学会の他には、群馬にある共愛学園前橋国際大学のラーニングコモンズの見学に行きました。
高校時代の恩師である野口華世先生が、大学の専任講師をしており、案内をしてくれました。
このコモンズは、建築家の乾久美子さんが設計した、白を基調としたシンプルで美しい建物で、食堂と個人自習、グループワーク、大人数授業など、さまざまな機能を持っているだけでなく、可動性の高い机や椅子、パソコンやiPadの設置など、学習を促進する仕組みが随所に見られます。
窓がとても大きいため、いたるところから光が差し込み、半分外にいるような開放感のある空間でした。

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福武ホールにもラーニングコモンズがあり、私もよく利用をしていますが、他の大学のコモンズが、どのようなデザインを取り入れていて、どんな利用方法をしているのか知ることは、自分たちの学習環境を振り返る、よい機会にもなりますね。

さて、少し季節はずれになってしまった今回のテーマ「夏休みの過ごしかた」ですが、次回の松山さんでいよいよ最終回となります。

乞うご期待。

逆瀬川

2014.11.15

【夏休みの過ごし方】「まち」について考える

みなさま、こんにちは。
M1の青木翔子です。

秋をまたいで冬にさしかかっておりますが、【夏休みの過ごし方】、もう少しだけお付き合いくださいませ。

M1は、M2の方々のように実践や開発など大きな研究イベントがありません。
何を書こうかしら...と思いながら、夏休みを振り返ってみたところ、「まち」というキーワードが浮かんできたので、その方向で書きたいと思います。

入学当初の春頃、私は「居場所」というキーワードで先行研究をみたりしていました。
「居場所」はとても曖昧な言葉なので、使われる文脈によって意味はさまざまですが、主に「心」を重視するタイプと「場所」を重視するタイプに分けることができます。
「心」を重視するタイプは、心理学の分野で用いられており、本人が「居場所がある」と感じることができればある意味どこでも「居場所」になり得ると言えます。「場所」を重視するタイプは、建築や都市工学などで、まちのソフトの側面に着目したコミュニティデザインなどで用いられたり、公園などの公共の場づくりの文脈で用いられたりもします。私の研究としては「心」の居場所の方が近いのですが、個人的には「まち」にも興味があり、夏休みはそのようなワークショップに参加したり、ワークショップを実践したりしました。

そのなかのひとつは、大学院のリーディングプログラムの一環で行われた「東京の2030年を考える」というワークショップです。
このワークショップはなかなかヘビーで、事前準備を数日かけて行い、その後2日間のワークショップを行うという構成でできています。事前準備では、まず、それぞれテーマごとにグループを編成し、そのグループごとに先進的な事例を視察します。テーマは、リノベーションや農業の住まいの話、都市開発など多岐にわたっていました。私は、ものづくり場所、貧困住まいというテーマで、FABLABなどにお話を伺いました。
そして、ワークショップ当日は、それぞれの事例を報告しあい、ディスカッションをしながら議論を深めていきました。豊富な事例が紹介され、さまざまな視点から「東京」を考えるとても濃密な時間を持つことができたように思います。さらに最終的には、東京の2030年のあり方に関して提案をするところまで行いました。
ディスカッションをしていくなかで「まち」というものは本当に多様なステークホルダーを持っているが故に、
それらの意見を収集した上である一定の方向性を探りつつ、多様性を残していくということは大変だな、ということを改めて感じました。

そんなようなワークショップに8月に参加し、9月は自分自身がワークショップを実施しました。

これは、「メディアリテラシーについて学ぶワークショップをつくる」というお題のもと、チームをつくり実践を行うという大学院の授業の一環で行いました。私たちのチームのワークショップは、「まちのパラレルワールド!?〜顔出しパネルワークショップ〜」というものです。ざっくり言うと、「まち」のイメージというものがいかに生成されているかを学び、「まち」のイメージを表すような顔出しパネルをつくるという内容です。実践までは紆余曲折ありましたが、当日はなんとか実施することができ、実際につくった顔出しパネルを池袋にもっていき記念撮影も行いました。
このワークショップのポイントである顔出しパネルをつくるためには、その「まち」のさまざまな要素について考える必要があり、さらにそれをひとつの制作物に落とし込まなくてはなりません。実はこの議論と制作の過程は、まちづくりの話し合いで必要なものと通ずるところがあるのかもしれないな、と今になっては思ったりもします。

と、いうことで、研究以外ではこのような活動をして過ごした夏でした。
これから日本は、超高齢社会に突入し、少子化が進み、空き家が増え続けていくことでしょう。そんな未来を考えるためにも、個人的な関心事として、まちづくりにはこれからも目を向けていきたいと思います。
そしてそして、来年の夏休みは研究に捧げることになるでしょう!

それでは、次回は、M1の逆瀬川さんです!
ごきげんよう!

青木翔子

2014.11.08

【夏休みの過ごし方】モンゴルで、ワークショップ実践!

みなさん、こんにちは。
M2の中村絵里です。

11月になりました。7月下旬から9月末までの2カ月以上もの長い夏休み期間、院生は何をして過ごしたのか(過ごすべきか)について語る【夏休みの過ごし方】シリーズを先月からお送りしていますが、やはり研究テーマや研究の立ち位置が異なると、それぞれの過ごし方は随分と違うものですね。

M1の夏休みとM2の夏休みでは、研究の進捗度が変わりますので、一概には言えないのですが、いずれの学年であっても長期休業期間には、じっくりと腰を据えてできることに取り組むのが一番だと思います。私の場合、今年の夏休み中の最大の山場は、モンゴルでのワークショップ実践でした。

9月第1週目に、モンゴルのウブルハンガイ県において遊牧民の親を対象としたワークショップを実践してきましたが、この実践のために、夏休み以前から少しずつ調整を進めていました。モンゴルでは、学校が夏休みに入る6月末から新年度がスタートする9月1日までは、現地の学校関係者や遊牧民の保護者とのコンタクトが滞ってしまいます。そこで、現地の学校の協力を得るための連絡調整は5月頃から始め、学校を通じたワークショップの参加者募集の告知は6月には行いました。

6月の時点では、ワークショップの具体的なプログラム構成原理までは組み立てができていませんでしたので、7月から8月にかけて、プログラム構成原理を練り上げ、先行研究をレビューする作業を繰り返し行いました。この時期は、ファシリテーターの荒さんに、ほぼ週1回のペースで研究相談に応じて頂き、問題点とそれを解決するためのロジックを整理することに専念しました。振り返ってみると、1週間ごとに与えられた課題をクリアするために大量の文献をレビューし、自身の研究領域に関わる先行研究の知見を深めることができた貴重な日々になったと思います。また、夏休み期間は、いつにも増してご多忙の山内先生にも時間を割いて頂き、2度も面談をして頂きました。お盆の夕刻しか空き時間がないとおっしゃる山内先生に無理をお願いして時間を取って頂きましたこと、この場を借りて改めてお礼申しあげます。

私にとっては、ワークショップのプログラム構成原理を組み立てて整理することが一番の難関でしたが、同時に、モンゴルでの実践に向けたロジの調整も着々と進めていました。日程調整、訪問地の選定、通訳者の手配、ワークショップ備品の手配、参加者へのお土産品の調達等数えればきりがないほどの準備項目になりますが、このあたりのロジ調整は、実はこれまでの社会人経験の中で仕事を通じて培ってきたものがありましたので、焦ることなく、もれなくダブりなくできたように思います。

そして迎えた9月の本実践。研究のカウンターパートであるセーブ・ザ・チルドレン モンゴル事務所のスタッフに、多大なご協力を頂き、2つの郡で、各4時間のワークショップを開催することができました。現地では、想定内のハプニングは多々ありましたが、郷に入れば郷に従えで、彼らの文化を尊重しつつ、研究の大筋を崩さずに実践することを心掛けました。実践結果の評価については、今、まさに分析中ですが、はっきりと言えることは、参加者が皆さん喜んでくださったこと、そして、就学前自宅学習に対する新たな知識と情報源を持ち帰ってくださったことです。このワークショップのために、遠路はるばる90km以上も草原を移動して集まってくださった遊牧民の方々にとって、少しでも役に立てる実践になったのであれば、本望です。

9月の中旬から夏休み終了の時期までは、実践結果のデータ(質問紙データ)を入力・整理したり、分析したりする作業を行いました。現地で採録したワークショップ中の発話データも膨大な量がありますが、すべてモンゴル語であるため、活用できる量は限定的です。現在は、収集したデータを、研究の目的と照らし合わせながら解釈を行っているところです。

約2カ月間の夏休みは、長いようですが、目的を持って過ごさないと本当にあっという間に終わってしまいます。修士論文提出までの残り約2カ月間も、なすべきことを確認しながら大切に過ごしていこうと、改めて身を引き締めているところです。

次回からは、M1のみなさんの夏休みの過ごし方をお届けします。

【中村絵里】

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