BLOG & NEWS

2019.06.20

【研究計画】青年期を対象とした社会情動的スキル育成のための学習プログラムの開発(D1中野生子)

皆さん、こんにちは。D1の中野です。
社会人学生も3年目に突入しました。昨年は転職をし、仕事に大きな変化がありましたが、新たな環境でも引き続き研究者との二足のわらじを履いています。

私の研究テーマは「社会情動的スキル」です。欧米ではここ30年近くSEL(Social Emotional Learning)と呼ばれる社会情動的スキルの学習プログラムが開発されてきています。一方で日本ではまだ社会情動的スキルという概念が一般的ではなく、部活動やボランティア活動等で当該スキルが向上する可能性が示唆されている状況ですが、効果が検証されたSELプログラムもあまり存在しません。

私の修士論文では、UWC ISAK Japanが中学生を対象に実施しているサマースクールを研究対象として、社会情動的スキルに及ぼす影響や、パーソナリティ特性との相関を調査しました。博士研究では、修士論文での知見を踏まえ、社会情動的スキル育成のための学習プログラムの開発を行いたいと考えています。

また、自身の博士研究とは別に、山内研究室で行なっている下記の研究にも参加しています。

ICT統合型プロジェクト学習のあり方に関する研究(Google社助成研究)
一人一台の環境において、葛藤状況から創造的なアイデアを生み出す高度なプロジェクト学習を実現するためのカリキュラムおよびICT利用のあり方について検討します。

クリエイティブラーニングの発想を生かした授業のあり方に関する研究(Google社助成研究・MITメディアラボとの共同プロジェクト)
MITメディアラボの開発したScratchのベースになっているクリエイティブラーニングの発想を生かしながら、日本の小学校で実行可能な授業のあり方とそのデザイン原則について検討します。

今後は、テクノロジーが学習環境の一要因として含まれていく機会が増えていくと考えています。ゆくゆくは社会情動的スキルとテクノロジーに関連する研究も行いたいと思っています。


【中野生子(Seiko NAKANO)】

2019.06.11

【研究計画】新規事業における中堅管理職の経験学習(D4田中聡)

D4の田中聡です。私は「新規事業×中堅管理職の学び」をキーワードに研究をしています。


これまで12年間の民間企業での実務経験から「経営環境の変化に対して非連続な組織変革を牽引して経営を舵取りできる経営人材が日本企業には圧倒的に少ない」という問題意識を持つに至り、次世代経営人材である中堅管理職の育成に強い関心を持っています。
新規事業という経験に着目し、新規事業を創る過程で大企業の中堅管理職が誰からどのような支援を受けて何をどのように学んでいるのか、という学びの全体像を明らかにし、経営人材の育成に資する実践的な知見を創出したいと考えています。


現在、山内研究室在籍者の中で「社会人の学び」を研究テーマにしているのは私ただ一人です。
こう聞くと「え?研究は前に進むの?」と疑問に思われるかもしれません。ただ、そのような心配は無用です。むしろ専門領域が異なる(とはいえ「学習研究」という意味では共通項のある)山内研究室のメンバーとディスカッションをする中で発見することはとても多く、私にとってゼミは研究を前に進める上で貴重な学びの場になってます。


例えば、専門領域が近い研究者コミュニティ(例えば、私の場合であれば管理職研究者など)内では改めて問われることのないような質問が、研究室メンバーからはごく自然に投げかけられます。
つい先日のゼミでも、私の研究内容に対してあるメンバーから「経験学習」とはどういう意味で用いているのか?という質問を受けました。それがきっかけとなり、あらためて社会人学習の文脈で経験学習がどのように論じられてきたのかを考えることができました。


こうした「当たり前に問いを立てる機会の多さ」こそが、「学習」という共通の軸を共有しながら多様な研究フィールドを持つ山内研究室ならではの強みであり、コミュニティとしての魅力ではないかと私は思います。

「学習」に関心があるすべての方に開かれている研究室だと思いますので、ぜひ山内研究室に興味をお持ちの方は気軽に見学にお越しください。

【田中聡】

PAGE TOP