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2018.05.30

【研究計画】外国語学習において学習者の情意に好影響を及ぼす異文化間のCSCLカリキュラム開発

こんにちは。今年度より山内研M1としてお世話になっております、井坪と申します。
新学期が始まって早2ヶ月。まだまだ自分は入学したてのひよっこだと思っていましたが、今週末には学府の入試説明会もあり、刻々と時が流れるのを感じています。


私の研究テーマは、「外国語学習において学習者の情意に好影響を及ぼす異文化間のCSCLカリキュラム開発」です。
概要としては、異なる母語と文化背景を持った、外国語(例:英語)の学習者同士が、CSCL(Computer Supported Collaborative Learning:コンピュータに支援された協調学習)を用いたワークショップを経験すると、どのような情意的変化(例:第二言語不安や動機づけ)が見られるのかについて明らかにしたいと考えています。学部の卒業論文では第二言語不安に焦点を当てていたので、現時点では、第二言語不安を軽減するカリキュラムの開発と評価を行いたいなと思っています。

私は小学4年生から高校卒業までを海外で過ごしました。中学時代にインターナショナルスクールに通い始めた時、様々な文化的背景を持つクラスメイトと関わりながら、英語を学んだ経験が7年半の海外生活の中で特に印象的だったなと思います。
EFL(English as Foreign Language)クラスと呼ばれる、英語が母語ではない生徒ばかりのクラスで最初のうちは長い時間を過ごしました。そこのクラスメイトと関わる中で、私は英語学習へのモチベーションを高めたり、英語への自信のなさを克服できたりした気がしており、この経験は一般論に落とし込めるのか、という疑問が、私の研究の出発点となっています。

また、社会的背景として、現行の学習指導要領では、「生きる力」を育むということをキーワードに、外国語でのコミュニケーション能力の素地を培うためのプログラム等が増やされており、特に、外国語でのコミュニケーション能力の素地を培うためのプログラムの増設など、グローバル化の進展など急速な社会の変化についていける人材の育成には、実践的な外国語教育が必要だと言うことが示唆されています。
今後必要になる実践的な外国語教育とはどのようなものなのか、また、コミュニケーション能力とは具体的にどのような能力のことを指すのか、研究を進めていく中で自分なりに明らかにしていけるよう、頑張っていきたいです。


山内研にご興味のある方は、ぜひ今週末(6/2)の学際情報学府入試説明会にもいらしてください。
お待ちしております!

【井坪葉奈子】

2018.05.17

【研究計画】学習者の自己評価と他者評価の折衝過程に関する調査

こんにちは、M2の根本です。
新年度が始まったと思ったらあっという間にGWが明け、いよいよ大学は五月祭ムードになってきました。本郷キャンパスは普段、夜中は静かなのですがこの時期になると心なしか人が多いように感じます。

ということで、新年度が始まってじわじわと考え進めている私の研究テーマをご紹介します。
昨年段階では「自己評価の変化」に関心を持っていたのですが、自己評価の変化が起きるのは、自己評価と他者評価の衝突の場面なのではないか?と考え、ではそこで何が起こっているのかが気になるようになってきました。


■自己評価
自己評価(Self-Assessment)とは、学習者が自身の学習や成果について評価することを言います。「今日の〇〇は何点だった?」というように点数をつけるものもあれば、「今日の良かったところ悪かったところを挙げましょう」と文章で回答するものもあります。
自己評価を行うと、成績が上がる・自分で学習ができるようになるといった効果があるとされ、どのように自己評価をするか、どうやって自己評価する力を高めるかという研究がなされています。


■自己評価する力の高め方
自己評価する力を高めるための代表的な方法は、指標となるもの(ルーブリックなど)を使って、自己評価するトレーニングを行うことです。学習者が「正確な」自己評価を行うことは難しいため、ツールを用いて自己評価を行うことを繰り返して自己評価のトレーニングをする方法が検討されています。


■自己評価と他者評価の衝突・差異
自己評価が変わるきっかけの一つとして「他者から自分が思っていたのと違う評価を受ける」ということがあります。「できた!」と思っていたのに「全然違う」、「できなかった」と思っているのに「それで良いんだ」、「え、ここ言われるの?」など...
自己評価のトレーニングも重要ですが、そういったきっかけで何が起きているのか、そういったきっかけで変化する人としない人がどのような異なるのか、という点に興味を持っています。


■差異をどう受け止めるか
差異の受け止め方は人それぞれなはずです。びっくりする人、そういうものかと思う人、「あの人はそうだから」と受け流す人、「あの人はどう考えているんだろう」と考える契機にする人...そういった受け止め方がどのようになっているのか、またその違いが自己評価のあり方、ひいてはその後の学習成果にどう影響を及ぼすのかを調査しようとしています。


文献を読んだりして見たいものや考えたいものを浮かべるのは楽しいのですが、実際の調査・研究計画に落とし込んでいくところに苦戦中です。これから頑張っていきたいと思います。

【根本紘志】

2018.05.09

【Research Plan】Deepening the Visitor's Inquiry Towards Explorative Geovisualization through Semi-Structured Facilitation (M2 Tetsuya Hasegawa)

In the era of sustainability, improving the general public's understanding of such issues is critical. Geovisualization, which converts complex geospatial data into a visual format, is one method to promote comprehension. Specifically, recent studies have started to investigate methods to engage learner themselves to explore geovisualizations in informal environments. The procedure of data exploration is to make observations, develop questions, and generate hypotheses. To deepen such process, Ma et al. (2012) designed a museum exhibit to afford the learner to link to another data in solving questions of one data. However, including further attempts to improve the system (Ma et al., 2015; Hseuh et al., 2016), most learners were limited to making simple observations in a particular data. Therefore, this research will look into staff facilitation as an alternative approach to support cross-data exploration. A design-based research will be conducted to iteratively refine a model of facilitation. Data collection is planned to be done by video and qualitatively analyzed based on constructivist grounded theory. The study hypothesizes that the design principle is to utilize data-connection not only for answering questions to the previous data but also to trigger another cycle of inquiry to the next data. Further design strategies to implement such principle is to "prompt questions that require data linkage", "allow the learning goal to change after data linkage", and"suggest data that possess a similar structure of relation".
 
【Tetsuya】

2018.05.07

【お知らせ】夏季大学院入試説明会 6月2日開催

6月2日(土)に山内研究室が所属する大学院学際情報学府の入試説明会(午後)・文化人間情報学コース(午前)の入試説明会が開催されます。
受験をお考えの方はぜひご参加ください。

【大学院学際情報学府入試説明会】

日時:2018年6月2日(土)13:30 - 16:30
場所:東京大学本郷キャンパス・情報学環福武ホール地下2階ラーニングシアター

申込:不要、入場無料
主催:東京大学大学院情報学環

東京大学大学院学際情報学府は、情報・メディア・コミュニケーションに関する高度で総合的な教育を行う新しいタイプの大学院です。研究組織である情報学環と密接に連携しながら、文理の垣根を越えて情報学のフロンティアを切り拓く先端的研究者・表現者の育成を行っています。

本説明会ではその全体像を教員、事務職員、現役院生が一緒になって説明します。アクチュアルな問題意識を持ち、未来を切り開きたいと考えている大学生の皆さん、実務経験を見つめ直し、深く学んでみたいという社会人の方々を始め、多くの方々に是非ご参加いただければと思います。ご来場をお待ちしています。

プログラム:
13:00 開場

13:30-13:50 学際情報学府・情報学環 全体説明
(田中秀幸学環・学府長、中尾彰宏専攻長)
学環・学府全体の教育研究方針を、学府長、専攻長から説明します。

13:50-14:30 学環・学府 各コース紹介
(各コース長)
今回の説明会の対象となる、社会情報学、文化・人間情報学、先端表現情報学、総合分析情報学、生物統計情報学の5コースの研究教育内容を紹介します。どんな人に来てもらいたいかなど、それぞれのコースから説明します。

14:30-14:50 大学院生のプロフィール&就職・進学情報
(学務係ほか)
どんな学科や大学から学生が集まり、いかに学び、どこへ就職し、進学しているか。データを使って説明します。在学生による紹介ビデオの上映も行います。

14:50-15:10 2019(平成31)年度入試説明
(教員、学務係)
入試手続きを説明します(原則は募集要項・入学試験案内をよく読んでください)。

15:10-15:30 休憩

15:30-16:30 各研究室のブース展示と研究紹介
(教職員、現役大学院学生)
各研究室に分かれての展示説明。教員、スタッフや院生と直接ディスカッションできる時間です。

お問い合せ先:東京大学大学院情報学環・学際情報学府 学務係
(TEL) 03-5841-8769
(URL) http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/

【文化・人間情報学コース入試説明会】

下記の要領で文人コース(文化・人間情報学コース)の夏季入試説明会を開催します。
ふるってご参加下さい。事前登録、参加費はいずれも不要です。

ごあいさつ

情報学環?
学際情報学府??
文化・人間情報学コース???
なんだかおもしろそうだけれど、なんだかよくわからない。
他のコースと試験科目が別みたいだけど、中身はどうちがうのか。
自分はこういう研究がしたいんだけれど、それを受け入れてくれるのか知りたい。

私たちは、こういった声にこたえるために、文人コース独自の説明会を開催します。
文人コースの有志のスタッフが次のような話をします。
・自分の研究室ではどんな研究ができるのか。
・自分の研究室にどんな学生がいてどのような研究をしているのか。
・どんな学生に来てほしいと思っているのか。
そのあと、個別のスタッフとみなさんが直接質疑応答、懇談する場を設けます。
文人コースは「人間・環境」「歴史・文化」「メディア・コミュニケーション」をカバーエリアとし、人文社会系、アート・デザイン系、理工系が入り交じった、淡水と海水が出会う汽水域のようなところ。

6月2日(土)午前10時に、福武ホールでみなさんをお待ちしています。

文化・人間情報学コース 教員一同

Date:
2018年6月2日(土)10:00-12:00

Venue:
本郷キャンパス 情報学環・福武ホール 地下2階 福武ラーニング・シアター

Program:
10:00-10:15 文人コースとはどんなところか
10:15-11:00 参加教員全員のミニトーク
11:00-12:00 参加スタッフとの質疑応答、懇談

午後の学府入試説明会との関係
午後に開催される大学院学際情報学府の説明会では全てのコースに関わる説明をします。その中で文人コースの概要も触れますが、詳細まではカバーできません。夕方からの研究室紹介では、研究室でやっていることがポスター展示され、質疑応答できますが、どのような学生に来てほしいか、どういうテーマだと受け入れられるか(もちろん合格したらの話ですが)といったことがらを説明する時間がありません。
文人コースとしての説明会では文人コースの詳細を知り教員としっかり話せます。受験をお考えの方はぜひお越しください。

Faculty members(あいうえお順):
筧 康明
工藤 和俊
佐倉 統
鶴田 啓
前島 志保
水越 伸
山内 祐平
横山 広美
渡邉 英徳
ほか

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