BLOG & NEWS

2018.03.01

【教えて!山内研究室】山内研に入るための勉強は?(M2 根本)

M2根本です。
学環の冬入試・学部の前期入試も終わり今年度の入試もほぼ終わりました。

同時に、次年度(2018年夏・冬)以降に進学・受験を考えられている方からの質問も少しずついただくようになりました。今回は入試にスポットを当てながら、山内研のメンバーが入学前後にどんな勉強をしているかをご紹介します。


Q. 学部生の時に学習や教育を専門で学んでいないのですが、大丈夫ですか?
Q. 山内研を受験するにあたり、勉強するべきことなどをまとめたものがあれば(そして公開可能であれば)教えてください。

A. 勉強するための素材は結構あります。それらを使って、学部時代専門だった方もそうでない方も一生懸命勉強されています。


平野さんも書かれていますが、「学際」を謳う学際情報学府には毎年様々な専攻・大学の方が進学してこられます。山内研もそれは同じで、毎年学習・教育を専門で学ばれていない方が進学されます。(私の同期の学部時代の専攻は自分含め心理学・法学・経済学・作曲です。ここまで教育以外の人たちばかりなのも珍しい...?)
しかし、修士論文・博士論文を書き上げた後には結構な量の専門書を読み、学習についてある程度の専門が見に付いた状態になります。つまり入学前・入学後に専門の勉強を(結構?)やることになります。自分の場合を振り返って、どんな感じで勉強してきたかをご紹介してみようと思います。


1-1.入学前
最初に専門の勉強をがっつりやったのは研究計画書作成(出願時に提出)、口頭試問準備(二次試験の発表準備)の時でした。自分が関心あるテーマを決めるために教育学部の授業を他学部聴講したり、関係しそうな教科書を読み込んだりしました。
(以前は一次試験(筆記)の時に用語問題などがありましたが、ここ数年は出題されていません。
 参考:学際情報学府過去問題集

また、山内研の院生が共通して関係する専門には学習環境、教育工学という分野があります。そうした分野の概要にも触れながら、自分のやりたい研究がどのテーマに近いかを調べながら周りにある専門知識の勉強をすると良いと思います。(全部読む必要はありません)

例えばこんな感じでやってみるのはいかがでしょうか...?

①学習環境、教育工学の分野でどんなことが話題になっているのかを知る
 →教育工学選書「教育工学とはどんな学問か」
 →教育工学選書「インフォーマル学習」

②近隣領域である教育心理学・学習科学という分野でどんなことが話題になっているのかを知る
 →教育工学選書「協調学習とCSCL」
 →教育工学選書「学びのデザイン:学習科学」
 →放送大学教材「教育心理学概論」
あたりが参考になります。またY-labの以前のブログや、10年ほど前のBeatプロジェクトのブログにもコンパクトにまとまっています。
 →Y-labブログ以前の記事(2007年頃の記事にも「受験生にお勧めの本」コーナーがあります)
 →Beatプロジェクトメールマガジン Beating

③自分のやりたい分野についてちょっと詳しくなる
 自分が大学院で研究したい分野と近そうな内容を①②で探してみて、関連しそうな参考文献を1~2冊手に取ってみてはいかがでしょうか?「私のやりたいことってこの人の言うこういう感じ?」というのが見つかったら(その「感じ」が適切かどうかは入ってから嫌というほど考えます)しめたものだと思います。各年度の毎年4月には、院生が研究計画を紹介する記事があります。興味のある方はぜひそちらもご覧になってみてください。


1-2.入学後
入学後は自分の研究テーマを決めるのと並行しながら学習・教育の専門的な内容を勉強していくことになります。主には①大学院の授業 ②毎週のゼミ・夏合宿 ③日々の自分の研究の3本立てです。

①大学院の授業
大学院生は学際情報学府の授業はもちろん、他学部や他研究科の授業を受講することができます(もちろん教育学部・教育学研究科も)。また、必要に応じて学部生向けに開講されている授業を受講することも可能です。
こうした授業を必要に応じて受講することで、勉強すべきことの目処が立ちます。
 →東京大学授業カタログ

②毎週のゼミ、夏合宿
山内研では毎週1回ゼミが行われますが、そのうち30~40分程度を使って文献購読の時間があります。毎年洋書のハンドブックなど(例えば、)が指定されてそのうちの一章を読み込み、与えられたテーマに沿ってディスカッションを行います。
指定される文献の基準は「山内研の院生であれば知っておいた方が良い、近年注目が集まっている分野」です。紹介されている参考文献なども合わせて読むと結構勉強になります。
また、夏合宿では全ての院生が学習研究に大きな功績を残した学者(最近はDewey、Vygotsky、Piagetなど)について代表的な著作を読んでレポートするという課題が課せられます。
 →山内研合宿レポート(2017年度)

③日々の自分の研究
特にM1のうちは、「自分の研究を教育・学習研究に位置付けるとどう言えるのか?」に答えるために多くの文献を読み込みます。こうした読み込みの過程で有名な研究や著名な研究者に当たることもしばしばです。


こんな感じで、結局は入る前も入った後も専門的な勉強は続きます...

受験を考えられている方は、ご自身の興味関心に沿って色々な勉強をされていると思います。その際に、今回ご紹介したような内容も考えながら勉強内容を考えてみると良いスタートダッシュが切れるかもしれません!

今回は私個人の場合をご紹介しましたが、人によって勉強の内容・仕方は様々です。研究室に遊びに来ていただければ取り組まれたいテーマを伺いながら色々と経験をお伝えすることもできます。大学院入試説明会(年2回:ブログ内「お知らせ」ページに飛びます)や研究室訪問(随時)など、ぜひお気軽にお越しください!

【根本 紘志】

PAGE TOP