2014.12.12

【おすすめの授業】コミュニケーションにおける意図の理解

みなさま、こんにちは。山内研究室修士2年の青木です。

私は今、修士研究の評価実験の一環で訪れていた島根県隠岐島の海士町から東京に帰って来て、今はその分析と全体的な論文の執筆に追われている毎日です。
修士課程の集大成ということで、自分のおこなってきたことをきちんと記述することができるように、毎日一歩ずつ確実に進めていきたいと思います。

さて、早いもので今年も残すところあと2週間となりました。
1年が過ぎるのはあっという間、光陰矢のごとしとは言いますが、僕にとってこの1年間はなかなか濃密な1年だったように思います。また、今年度の振り返り回に、まとめてお話できればと思っています。

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今回のブログテーマは「おすすめの授業」ということですが、第2回は僕が去年受講した、教育学部の「コミュニケーションにおける意図の理解」という授業について少しだけご紹介しようと思います。

「思ったとおりに伝わらない...」という経験は、誰もが経験する出来事だと思うのですが(僕自身、毎日悩んでいます)、なぜ思ったことがその通りに伝わらないのか、意図を形成する要素にはどのようなものがあるのかということについて、認知、発達や障害の観点から多角的に考える授業でした。授業は講義、ディスカッションが2日間と、指定された関連研究の論文発表が1日の3日間構成でした。
この授業は教育学部の冬学期開講の集中授業だったのですが、僕のように他学科からの受講生も多く、さらに受講生はそれぞれにコミュニケーションと意図の形成についてなんらかの意見を持った方が多く、ディスカッションの際は活発な議論が行われていたように思います。

ディスカッションも印象に残っているのですが、個人的に印象深かったのは、「サリーとアンの課題(Sally-Anne test)」を、実際に幼児を対象にして行った実験の映像を見ることができたことです。サリーとアンの課題については、発達心理学における誤信念課題の代表例として、以前から教科書的に知識として知っていたのですが、実際に課題を正解できる子とできない子の様子を見ることができて、研究の妥当性・有効性を改めて感じることが出来ました。

また、最終日の発表では、語用障害(他人の感覚・思考を推測する能力)に関する論文を紹介しました。内容は、ASD(自閉症スペクトラム障害)患者に対して強制やイントネーションなどを変更して数種類の実験を行った結果に関するものだったのですが、普段、自分の研究として調べている領域ではあまり触れることのない論文を読むことができ、学習における障害・発達という、自分の中で新たな視点が得られたように思います。

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僕は、システム開発系の研究をすすめて来たのですが、振り返ってみるとテクノロジー系の授業をあまり受講していなかったように思います。特に意識はしていなかったのですが、結果としてそうなったのは、もしかしたら学部時代を情報工学系で過ごしてきたことの反動なのかもしれません。結果、上に紹介した授業を含め、新たな学術領域での授業を受講できたことは、自分にとって非常に新鮮な学びとなったように思います。
(ちなみに、学際情報学府の学生は、他学部の授業も卒業に必要な単位として含めることができます(上限あり)。学際的な研究をする上で、非常にありがたい制度ですね。)

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さて、来週は第3回、M2の池田さんが担当します。お楽しみに。

体調を崩しやすい時期ですので、皆様どうぞご自愛下さいませ。
少し早いですが、良いお年を。


青木智寛

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