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2024.06.24

2023年度 春の合宿研究会 レポート

皆様こんにちは、D1の田中です。

春先バタバタして投稿が遅れてしまいましたが、今回は2024年3月に愛知県長久手市〜瀬戸市方面にて実施した春の合宿研究会についてご紹介しようと思います。

これまでのブログでもご紹介のとおり、山内研では夏と春に合宿研究会を実施しています。
夏季は学習科学の古典理論を中心としたプログラムであるのに対し、春季は学習環境研究の多様な方法論やキャリアのあり方について扱うプログラムとなっています。

【1日目】

研究会1日目は愛知淑徳大学 長久手キャンパスにて、山内研のOBOGであり愛知淑徳大学ご勤務の佐藤朝美先生吉川遼先生をお尋ねし、お二人のこれまでの研究スタイルやキャリアについてご講演いただきました。
学際研究であるがゆえの、自分の研究を大流の中に位置付けることの難しさや悩みを共有しつつ、自分達が研究をする上でのスタンスについて、いつもより大きな視点から振り返る機会になりました。

講演後は、愛知淑徳大学 人間情報学部の新施設(VR・メタバース機器、シミュレータルームなど)を見学させていただきました。

【2日目】

研究会2日目前半は、学習環境研究における多様な研究方法や分析方法(質的分析、量的分析など)に焦点を当てた講演とディスカッションを行い、様々な研究法への理解を深めました。

その後、愛知県瀬戸市の瀬戸SOLAN小学校に移動し、「個人探求」の時間を見学させていただきました。
木のあたたかみを感じる広々とした校舎内(3Dで探検できます!)で、子どもたちは思い思いのスペースで自分の進めている個人探求の進捗を発表していました。
山内研メンバーと佐藤先生、吉川先生はそれぞれ自由行動で、子どもたちの発表を聞いたり、議論に混ざったりしました。
当日の様子は瀬戸SOLAN小学校の探求レポートからもご覧いただけます。

放課後には、SOLAN小学校の先生方や保護者の方々とのディスカッションに山内研メンバーも参加させていただき、今後の個人探求について、見学した内容を踏まえての議論を行いました。


講演や見学に快く応じてくださった訪問先の方々のおかげで、大変充実した2日間となりました。
1日目は学際研究に携わる研究者の先輩である先生方に、2日目は探求に取り組む子どもたちと、子どもたちを支える先生方や保護者の方々と、実際にお会いしてお話をするという、普段得難い経験をさせていただく中で、自分を省みる良い機会となりました。
訪問先の皆様、大変お世話になりました!

2024.06.10

【社会人必見】修士二つ目に向けて山内研に飛び込んでみて

はじめまして、山内研M1の山﨑聡一郎です。
私は「法教育がいじめ被害者の援助要請を誘発する可能性」というテーマで研究活動を行っています。

実は大学学部を卒業した後、別大学の社会学研究科で2019年に修士号を取得し、その後在野研究者として研究活動を行いながら、「こども六法(弘文堂)」等の児童書を執筆していました。
前の大学院を修了したタイミングで就職するわけではなく、自分の会社を立ち上げて経営しているという意味では、私が「社会人」と呼べるのかというのは議論がありそうですが、今回は私と同様の「社会人」として学際情報学府の受験を志している方や、「既に修士号を持っている」けれども山内研に参加しようかと考えている方に向けて参考になったらいいなと思い、この記事を書きました。

【修士二つ目ってどうなの?】
実は私自身、大学学部を卒業する2015年度に学際情報学府を受験し、不合格となっています。当時から「法教育を通じたいじめ問題解決」というテーマで研究活動を行っていたのですが、当時はまだまだ学術研究とは何たるかを深くは理解しておらず、実践上の関心だけが強かったように感じます。一方でこのタイミングで別大学院の修士課程に進学する縁があり、そこで学術研究というものを改めて叩き込まれた、という形でした。

その後、大学院を修了した後は、学校教育を対象とした研究をしたいと考えていたことから、とにかくフィールドとなる学校を開拓していこうと考え、一旦大学院という組織を離れて執筆活動や講演活動を通じ、学校との繋がりを増やしていきました。一方で、在野研究者として学会の分科会等で定期的に発表していたものの、誰かに研究を急かされるわけでもなく、また大学組織が一括契約しているような膨大なデータベースが活用できるわけでもなく、研究の進行は困難を極めていきました。そんな中で2022年頃から、再び大学院に所属して研究活動に打ち込み、博士号を取得したいと考えるようになりました。

最終的に私が山内研を志望するようになったのは、もちろん当初から学際情報学府で学ぶということに2015年当時から関心があったということもあるのですが、何といっても自分が志している研究テーマに近い領域で研究している仲間たちと研究ができること、更に、自分に近い背景や境遇を持つ人たちが多く山内研に所属していた実績があることが決め手でした。

先に博士号取得を目指していると書いたものの、私は修士1年として入学しました。東京大学大学院学際情報学府は原則として修士博士一貫教育とされており、博士課程から編入するのは不可能ではないものの、高いハードルがあります。私自身、そこまで研究能力に自信があったわけではないので、このことを説明会で聞いたときに修士課程で入ろうと思ったのでした。
ただ、既に修士号を持っているのに改めて修士課程に入ることには正直迷いもありました。ダブルマスターという呼称は聞かなくはないものの、日本では一般的でないどころか、かなり珍しいでしょう。一方で、このブログを遡っていくと、既に修士号を持ちながら山内研に修士課程から入ったという方もいらっしゃいました。この存在は私自身大変励みになりましたし、博士を目指して長期目線で、じっくりと腰を据えて研究していこうと決意するきっかけになりました。

【山内研と私】カリキュラム,情報化,つながり(りん)
自分の研究に影響を与えた書籍の紹介(M1入澤充)

実際に入学してみると、改めて社会人として修士課程の授業を受けて課題をこなしていくのは楽ではありませんが、刺激に満ちた楽しい日々です。授業内容そのものも刺激的ですし、自身が大学生をやっていた頃とは大きく様変わりした授業の態様は、学びが一層開かれてきているという時代の進歩を感じることができ、ワクワクします。

また、山内研の研究指導は既にブログにあるファシリテーター制度を始め、研究発表の進め方も輪読の進め方も非常に丁寧で、自分がやるべき作業課題が常に明瞭です。修士研究は大変だ、という点には違いありませんが、モチベーションや進捗を強力にバックアップする体制は盤石で、同時に今なお改善を志し続けているという点も含めて、さすが学習環境デザインの研究室だと常々感じる研究生活です。

【Ylabブログを読み倒せ!】
学際情報学府に合格をいただいた後、実際に入学を迷っていたときに相談に乗ってくださったのは、在野時代に書籍を執筆した出版社の、担当編集者の方でした。この方、大学学部&サークルの先輩だったのですが、実は山内研の卒業生でもありました。世間は狭すぎる・・・

その先輩から社会人大学院生として山内研で修士号を取得したまた別の先輩をご紹介頂き、その先輩にも沢山の相談に乗っていただきました。
もちろん、完全に自身の境遇と同一と言うことはないので、不安が完全に消え去ったかというとそうではありませんでしたが、「取りあえず進学してみよう!」と思い切るには十分でした。そして、結果的には進学を決めたという決断は、正解だったなと感じています。

入学後、更に山内研に所属している先輩方、そしてかつて所属していた卒業生の方々のことを調べたり聞いたりしてみると、そのバラエティ豊かさには驚かされます。
私はミュージカル俳優としても活動していますが、先輩の中にも芸術家・自由業の方が複数いらっしゃることを、入学後に知ることになりました。恐らく、どのような境遇で山内研を目指している方であっても、きっと一人は自身の境遇と似ている人が山内研にはいるのでは無いかと思います。

学際情報学府は学部を持たない大学院なので、「学部時代と環境が変わってしまう」ことへの懸念がある方もいらっしゃるでしょう。だからこそ、自分が研究室になじめるか、そこで充実した研究生活を送る未来が想像できるかは大切だと思います。

入試の公平性を期すという観点から、山内先生と直接お話をする機会はどうしても限られてきますが、研究室の雰囲気はもちろん、自身と似た境遇で山内研での研究生活を乗り越えた先輩がいるかを、現役のゼミ生から聞いてみたり、ブログを遡って調べてみたりするのは、「山内研でしっかり研究するぞ! 自分でもできるぞ!」という自信とモチベーションを得る上では非常に有意義ではないかと思います。ぜひ、Ylabブログを読み倒してみてほしいと思いますし、入試説明会などでゼミ生と話す機会があれば、その際には自身の状況や懸念などをどしどしぶつけてみてくださいね!

2024.06.04

『外国人留学生として山内研で勉強するのはどのような感じですか?!』

初めまして、山内研究室のM1李佳誠(リ カセイ)です!
今回は、7年ぶりに山内研究室に合格した外国人留学生の視点から、山内研究室のM0制度やファシリテーター制度、日常の大学院生活などについて話したいと思います!


「7年ぶりの外国人留学生」
今年、私は外国人留学生として山内研究室に入りました。以前にも数名の外国人留学生の先輩方がここで勉強していたことがありました。山内先生は外国人留学生を指導する経験が豊富であり、山内研究室で勉強することは非常に心強いと感じています。 外国人留学生が山内研究室に入るためには、二つの方法があります。
一つ目は、日本語で授業を受ける「文化・人間情報学コース」の一般入試です。この方法で出願する場合には、「英語の標準試験の成績」、「10ページ以上の研究成果」、「研究計画書」、「日本語の標準試験の成績(外国人のみ)」といった書類を提出する必要があります。これらの書類はどれも非常に重要ですが、優先順位をつけるとすれば、「10ページ以上の研究成果」≧「研究計画書」>「英語の標準試験の成績」≧「日本語の標準試験の成績(外国人のみ)」という順になります。
二つ目は、英語で授業を受ける「ITASIA(アジア情報社会コース)」の一般入試です。この方法の出願については、ホームページをご参照ください。


「早めに大学院生活を体験する」
私は夏入試で山内研究室に入りました。合格後、大学院に入学するまでに半年間の猶予がありました。山内研究室では、この半年間を活用し、合格者がM0として研究室の各活動に参加することができます。例えば、毎週のゼミ、春の合宿研究会、飲み会などです。この制度のおかげで、大学院生活にスムーズに慣れることができ、研究室の先輩たちとも深いつながりを築くことができます。他の研究室の留学生に聞いてみると、この「M0制度」がないため、山内研究室のことを羨ましく思っていると言われました(笑)。

山内研特有の「M0制度」については、以下のページをご参照ください。
【山内研の活動】M0生活


「一人で戦うのではない!」
外国人留学生として、日本語能力の問題から研究室の先輩や先生とトラブルが生じることや、授業についていけないことを心配していました。しかし、山内研に入った後は、そのような心配はすべてなくなりました。なぜなら、研究室の先輩や同期が積極的にサポートしてくれるからです。
例えば、ゼミでの研究発表に初めて参加したとき、研究をどのように始めればいいのか、何を勉強すれば良いのか、発表内容が良いか悪いかなどの疑問を抱えていました。これらの疑問を考えれば考えるほど、学業によるストレスを感じ、モチベーションが下がっていました。しかし、このとき、研究室の先輩や同期が悩みを聞いてくれ、丁寧にアドバイスをくれました。また、ファシリテーターが研究発表の前に一緒に発表内容を確認してくれ、研究の方向性や問題点などを指摘してくれました。このようにして、無事に発表を行うことができました。

山内研特有の「ファシリテーター制度」については、以下のページをご参照ください。
【山内研の日々】ファシリテーター制度とは?
【山内研の秘密】研究ファシリテーター制度
【夏休みの過ごし方】ファシリテータとの積極的な研究相談


今回は外国人留学生の視点から、山内研究室での実体験をお話ししました。これからの大学院生活が楽しみです!

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