2010.10.30
みなさまこんにちは,修士2年の伏木田です。
秋をスキップして冬のおとずれを感じる今日この頃ですね。
山内研究室にあるちょっと意外で便利な道具や文化をご紹介するシリーズ【山内研の秘密】,第4回は「研究ファシリテータ制度」をご紹介します。
この制度が始まったのは今年の春。
当時のゼミMLに,山内先生がこの制度について回して下さったお知らせが残っています。
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2010年度から新しく開始する研究ファシリテータ制度についてお知らせします。
大学院生のみなさんは、研究ファシリテータの助教とペアを組んでもらいます。
相談の結果、現在の研究の内容と専門性によって以下の5グループに分けました。
●高等教育
●歴史学習
●国際理解
●ワークショップ
●CALL
ゼミ報告後2週間程度で、研究進捗状況を相談し、結果の概要をTwitterに報告してください。
(2010.3.24)
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現在,山内研には9人の院生がおり,各グループに1人ないし2人が振り分けられています。
山内研では現在,ゼミでの研究発表が月に1度ありますので,その間に1度,つまり研究発表から2週間後にファシリテータの方に進捗状況を相談します。
前回のblogで程さんがご説明してくださったように,相談によって明らかになった今後の課題は,必ずTwitterでつぶやき,メンバー全員で共有できるようにすることが決まっています。
ここではプライバシーの都合上,助教の方と院生の名前は伏せさせていただき,わたしの視点からこの制度について少しお話をします。
【研究ファシリテータ制度がもたらした変化】
ファシリテータとの研究相談は,基本的には2週間に1度です。
わたしの場合は,研究テーマが決まった時期が遅かったことや,ファシリテータの方のご厚意で,当初から1週間に1度のペースで相談をしていました。
原稿の提出前や学会発表の前,調査が本格的に始まる前など,特に相談が必要なときは,対面だけでなくメールも使って,毎日のように相談に乗っていただきました。
それによって
・ゼミ発表で指摘された研究の問題や,次回の発表までに解決すべき課題を常に意識すること
・問題や課題に対してスモールステップでこつこつと取り組むこと
・今の自分に足りないことは何で,そのために何をすればよいか気づくこと
など,1人で研究を進めていたら得られなかったであろう大切なポイントを押さえられるようになりました。
【ファシリテータとの研究相談がもつ意味】
相談には,最低でも1時間,長ければ納得がゆくまで乗っていただいています。
普段,1人で考えていてもなかなか糸口が見つからないとき,同じ思考で止まってしまっているときなど,相談によって次への道筋が見えることがしばしばあります。
研究相談に向けて,
・必要な文献を読み込む
・わからないことを相談できるようレジュメを作り込む
・自分の意見を伝えられるよう考え抜く
といったことを繰り返す中で,研究という苗を支える土が耕されます。
そして,研究相談において,
・つたなくても自分の言葉で説明をする
・コメントを自分に引きつけて受け止める
・ファシリテータのアドバイスを聞き洩らさない
といった心がけは,研究という苗が育つのに必要な水や光を与えてくれます。
山内研で始まった研究ファシリテータ制度によって,1人でじっくり取り組む時間と,それを共有し新たな視点から見直す時間の2つが生まれました。
それらがバランスよく融合することで,わたしたち院生の研究がさらに進むようになったのではないかと思っています。
ファシリテータに頼り過ぎず,自分の研究を自分の力で進めていけるようにと心がけながらも,ファシリテータに感謝する日々です。
[伏木田稚子]