2011.10.18
学びの場づくりを考え実践する大学生向け勉強会『FLEDGE』では、5期メンバーを募集いたします。
FLEDGE とは「これからの社会のために、よりよい学びとは何かを考え、学びの場を自ら創りだし、増やしていく」というコンセプトのもと、理論と実践を行き来しながら進む大学生向けの勉強会です。
第5期では、ワークショップという新しい学びの場について考えます。魅力的なワークショップをデザインできるようになるために、勉強会を通してワークショップについて考え、最終的にメンバー自身でワークショップを企画・実践することを目標とします。
ワークショップ初心者も大歓迎です!半年間、参加者一人ひとりの中で化学反応が起こるような場を一緒に創りましょう!
【参加資格】
-大学生(大学院生は除く)
-下記に挙げた活動日に全て参加できる方
【定員】
12名程度
【実施概要】
10月から 3月の半期で終了します。
勉強会は毎月1回程度開催されます。
活動時間は以下の通りです。
勉強会への参加は無料です。(実費が発生する場合を除く)
【内容】
第1回 10月27日(木) 19:00〜21:00(終了後、懇親会) ガイダンス/ワークショップ体験
第2回 12月1日(木) 19:00〜21:00 ワークショップの作り方を学ぶ
第3回 12月27日(火) 17:00〜21:00 プレワークショップ実践
第4回 1月26日(木) 19:00〜21:00 プレ実践の振り返り
第5回 2月17日(金) 18:00〜21:00 本実践に向けての準備
第6回 3月29日(木) 16:30〜19:00(終了後、懇親会) 活動報告会
※本実践日は、第5回目と第6回目勉強会の間で、各班ごとに設定していただきます。
【活動場所】
東京大学本郷キャンパス 福武ホール 地下 2 階スタジオ1
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/
【主催】
NPO 法人 EduceTechnologies http://www.educetech.org/
【ディレクター】
池田 龍太朗(千葉大学4年)Twitter:@ruxu_taro_
近藤 麻紀子 (千葉大学4年) Twitter:@makikonkon
中野 啓太(東京大学3年) Twitter:@kt_nakano
渡辺 彩紀(実践女子大学1年)Twitter:@KtSaki
【責任者】
山内祐平(NPO 法人 EduceTechnologies 代表理事/東京大学大学院 情報学環 准教授)
森玲奈(NPO 法人 EduceTechnologies 理事/東京大学大学院 情報学環 特任助教)
申し込みはこちらから
【山内 祐平】
2011.10.13
皆様こんにちは。修士課程1年の河田承子です!
だんだんと秋も深まってまいりましたね。先週から新学期が始まり、慌ただしく毎日が過ぎていきます!入学からもう半年が経ったのが信じられません。
さて、山内研に所属する大学院生が普段どのような生活を過ごしているのか、その日常に迫る【山内研メンバーの1日】をお送りいたします。
第四回目は私が担当させていただきます。
大学の近くに住んでいる私は、毎日自転車で通学しています。大学近辺は坂が多く、研究室にたどり着くのも一苦労です。夏の間は大変でしたが、最近は涼しい風が吹いてきたので、気持ちよくペダルをこいで通っています。東大は敷地がとても広い為、食堂や書籍部に行く時に自転車があるととても便利です。半年前までは、自転車にはあまり乗らなかったのですが、今ではとても重宝しています。
大学に到着すると、真っ先に向かうのは研究室です。論文を調べたり、先輩や同期とお話をしてお昼過ぎまで過ごします。ランチはもっぱらメトロ食堂に通っているのですが、最近は大学近辺で美味しいお店を探索中です!
さて、大体3時〜4時を過ぎるとまた自転車に乗って我が家へ戻り、研究室で調べた論文を読み始めます。大学生の頃は、図書館で勉強する時間の方が長かったのですが、大学院に入ってからは家で勉強する時間の方が長くなりました。一息ついた時には、Cook Padで夜ご飯何にしようかな〜?と検索したりしています。(私は食べる事が大好きなんです・・・)
こうやって振り返ると、夏休みはかなりのんびりした一日を過ごしていましたね。これも新学期が始まると一変しそうです。また気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
河田承子
2011.10.11
10月5日に、21世紀型スキルを育てるためのICT活用に関する記者発表を行いました。
東大、MS、レノボが「21世紀型スキル」育成を目指した教育の実証研究
21世紀型スキルは、今後の社会を生きていく子どもたちが必要な能力群として定義されていますが、以下のような内容が含まれています。
(1) 批判的思考力
(2) 問題解決能力
(3) コミュニケーション能力
(4) コラボレーション能力
(5) 自律的に学習する力
(6) ICT(情報通信技術)を確実に扱うことのできる能力・スキル
(7) グローバルな認識と社会市民としての意識
(8) 金融・経済に対する教養
(9) 数学、科学、工学、言語や芸術といった分野への理解を深めること
(10) 創造性
このような高次な思考力/応用力への傾斜は、高等教育におけるアクティブラーニングでも同様に見られる現象です。学力テストのPISAも同じ思想から設計されています。
欧米を中心にこのような考え方が強くなってきた背景には、情報化・国際化による労働市場の変容があります。「今年小学校に入学する子どもたちの65%が現在存在しない職業につく」という予測もあります。こういう状況では、医者や弁護士などの「固い専門職」をのぞいて、職業と学業の体系的な接続が難しくなります。そのため、転移可能性が高いコアスキルとして、思考力や応用力が重視されるようになっているのです。
参考記事:What's Your Major? Working Toward the Uninvented Job
【山内 祐平】
2011.10.08
皆様、こんにちは。修士課程2年の土居由布子です。
肌寒くなり、本郷キャンパス中からおなじみの銀杏の香り(←ちょっと苦手ですが)が漂うようになって秋を感じられます
昨日から冬学期のゼミが始まりました!M0(春に山内研究室に入ることが決まった未来の後輩達)の歓迎式も例年通り開かれました。
本当に時間が過ぎるのを早く感じる今日この頃です。
さて、山内研に所属する大学院生が普段どのような生活を過ごしているのか、
その日常に迫る【山内研メンバーの1日】が今回のブログのシリーズ、第三回目なんですが、
私の日常をキーワードにすると「出会い溢れる日々 」 が一番しっくりくるかと思います。
私の1日の過ごし方を簡単にいうと、
往復の電車で研究関連の本や論文などを読む時間、約2時間。
研究室に来る時間はいつもバラバラ(早い時は朝9時、遅いときは夕方3時)ですが平均お昼ごろでしょう。
毎日ではないですが、お昼休みまたは5時以降には本郷の御殿下ジムのフィットネスクラスを受けに行っています。(ヨガ、エアロビクス、ヒップホップ、シェイプボクシング等!)
山内研はコアタイムのような制度がなく、研究室に毎日来る人もいれば、あまり見かけないメンバーもいます。
私は土日も含め、ほぼ毎日研究室に来ていて、1日3〜6時間くらい研究室で過ごしています。
最近は友達とランチやディナーを食べに行くことも多く、お気に入りのお店を増やすことが最近の楽しみです。
友達との語らいを通して自己の振り返りや今後どうしていくべきかを整理することが多いですね。本当に多くの素敵な方々に支えられていて幸せ者だと思います。
さて、タイトルに示したように私の日常は出会いが多いなぁと思うのですが、その原因は2つ。
Facebookを駆使して自身が住むつくばのコミュニティ、そして都内のコミュニティをこの1年半でどんどん広げていきました。
もう一つは国際的な異業種交流会を月1で主催していることです。毎回500人規模の人々が集まります。
研究においても自身が所属する研究室だけではなく、青山学院、NHKの方々とワークショップを実践したり、研究の相談をさせて頂いたりしています。
これもご縁で、TAとしてアルバイトしていた授業の中で特別講演をされた先生が青山学院で映像関係のラボをやっていて、呼んで頂いたのがきっかけです。
私はとにもかくにも自分で企画して実践することが大好きな人間で頭の中には次の企画のことが常にあります。
半年後には社会人になるわけですが、自身の仕事以外に、交流会やSNSを越えてワークショップや、展示会など色々な企画にこれからも挑戦していきたいと思っております。
その前にあと3か月で修論を書き上げなくてはいけないので、ここに書いた私の日常はひとまず置いといて、修論と本格的に向き合っていこうと思います。
調査では一般の方々にインタビューをしていくのですが、このフットワークとエネルギーを活かして、多くのことを見出して行ければと思います。
[土居 由布子]
2011.10.05
▼10月5日水曜日13時30分より、駒場に新設された21KOMCEEにて以下の記者発表を行いました。
東京大学、日本マイクロソフト、レノボ・ジャパンが、21世紀型スキルを育成するための実証研究を実施
~ 東京大学の「21 KOMCEE」の取り組みと連携し、豊島区立千川中学校でタブレットPCとクラウドの活用を検証 ~
国立大学法人 東京大学(総長:濱田 純一、以下 東京大学)、日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表執行役 社長:樋口 泰行、以下 日本マイクロソフト)、レノボ・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長:ロードリック・ラピン、以下 レノボ・ジャパン)は、次世代を担う子どもたちの21世紀型スキルの育成を目指して、ICTを活用した実証研究に連携して取り組むことで合意しました。3者では、東京大学に9月28日(水)に竣工した「21 KOMCEE」(注1)において、タブレットPCとクラウドサービスを活用した能動型学習(アクティブラーニング)に取り組むとともに、本取組みと連携し、同様の最新のICT環境を、豊島区教育委員会(教育長:三田 一則)の協力のもと、豊島区立千川中学校に展開し、実証研究を行います。
現在、これからの国際社会で活躍する人材育成の課題に対して、世界の教育科学者やUNESCO(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)、OECD(Organization for Economic Co-operation and Development)などの国際教育機関が連携して、21世紀の国際社会で必要な、子どもたちがこれから身に着けていくべき能力として「21世紀型スキル」を規定し、その育成に取り組んでいます。21世紀型スキルでは、コミュニケーションやコラボレーションの能力や、課題発見解決力などともに、それらのスキルを支えるICT活用力や情報リテラシーの育成が推奨されています。
東京大学、日本マイクロソフト、レノボ・ジャパンおよび豊島区教育委員会の4者は、ICTを活用した21世紀型教育を再構築し、日本のこれからの教育を提示するために連携し、東京大学では10月上旬から、豊島区立千川中学校では10月下旬から本プロジェクトを開始します。
■実証研究の内容
東京大学では、Microsoft(R) Windows(R) 7を搭載したタブレットPC60台と教育向けソフトウェア、およびクラウドサービスを備えた最新のICT環境を、「21 KOMCEE」に構築し、2006年4月~2009年3月に実施したMEET(Microsoft chair of Educational Environment and Technology:マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門)の研究成果をもとに、タブレットPCを活用したアクティブラーニング型のモデル授業を実施します。また、そこで得た経験やノウハウを、豊島区立千川中学校でのICTの活用や21世紀型スキル育成のために共有するとともに、本プロジェクト全体の実証研究の成果を公開授業等で紹介することで、ICTを活用した21世紀型教育を提示していきます。
豊島区立千川中学校に、Windows 7を搭載したタブレットPC40台と教育向けソフトウェア、およびクラウドサービスを備えた最新のICT環境を構築し、生徒1人につき1台のPCを活用した授業や、クラスの枠組みを超えた教育活動を実現することで、21世紀型スキルの育成に有効なICT活用の検証を行います。
*利用するソフトウェアやクラウドサービスの詳細は、添付資料を参照ください。
■各者の役割
東京大学:
21世紀型スキル育成のためのICT活用に関する助言、教職員研修の講師や教材の提供。駒場キャンパスの「21 KOMCEE」での講義で最新のICT環境を利用し、そこで収集した経験やノウハウを実証研究に活用
日本マイクロソフト:
マイクロソフトが世界で展開している教育支援プログラムの「Innovative Schools Program」(注2)の一環として、教育専門家の手配や、教育改革を進めるためのWebツールであるスクールリサーチの提供、海外で実績のある教材および教育向けICTツールの提供、豊島区立千川中学校の教職員への技術研修、海外との情報共有の場の提供などを実施
レノボ・ジャパン:
若者の夢の実現を支援する「U.dream」プロジェクト(注3)の一環として、東京大学の21 KOMCEEへタブレットPC 60 台の寄贈、豊島区立千川中学校へのタブレットPC 40台の寄贈と、実証研究に際してのテクニカルサポートの提供
豊島区教育委員会および豊島区立千川中学校:
実証研究への教職員の参加・協力、教育委員会や学校が実施する教職員研修との連携、実証研究に伴うICT環境の整備
(注1)21 KOMCEE(21 Komaba Center for Educational Excellence, 理想の教育棟):自ら考えて判断したり、仲間や教員と議論しながら互いに切磋琢磨したりする主体的な学び・能動的な学びを表す「アクティブラーニング」を支援するための施設として、東京大学 駒場キャンパス内に2011年5月に完成し、2011年冬学期より授業での利用を開始します。21 KOMCEEの詳細は下記Webサイトを参照ください。
http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/
(注2)Innovative Schools Program:マイクロソフトが、企業市民活動の一環で全世界で展開している教育機関向けプログラム。教育現場が抱えている共通の課題に対応して、自治体や教育機関、パートナー企業と連携してICTを活用したソリューション作りに取り組み、教育現場でのICT利活用ソリューションの活用モデルを提示することを目指しています。
(注3)「U.dream」プロジェクト:レノボ・ジャパンが、志を持つ若者の夢の実現と、若者の未来を支援する団体をサポートするプロジェクト。「Education(教育)」「Entrepreneurship(起業)」「Environment(環境)」「Global(グローバル)」の4つのカテゴリがあります。PCの貸し出しや寄贈ならびにその団体の活動紹介を通して、国際社会で活躍する人材育成のための活動の一環。
2011.09.30
皆様、こんにちは。修士課程2年の柴田アドリアーナです。
季節もすっかり、秋に移り変わりましたね。私の一番好きな季節です!
山内研究室も今週、中原研究室との合同夏合宿を行い、冬学期のゼミもそろそろ始まります!
では、山内研に所属する大学院生が普段どのような生活を過ごしているのか、その日常に迫る【山内研メンバーの1日】をお送りいたします。
第2回目は「 学びと紅葉 」 と題しました!
私の一日の過ごし方を簡単にまとめるとこんな感じな3コマ漫画になるかな:
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① ツイッターやニュースサイトを読みながら情報アップデートします。
② カフェや図書館で作業(本や論文を読む)
③ 教材開発の作業
この3つの繰り返して日常生活を過ごしています。
*ちなみに、③では一番好きな作業時間は深夜です
③は研究で開発しているデジタル教材のことです。今の段階は教材のコンテンツをまとめながら画像を作っています。そのためには最近、児童向けの語学教材や他にヴィジュアル参考になれる本をいくつか見ながら作業しています:
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その他に、作業を進むためにいつも持っている物は:
デジタルカメラ、スケッチブック&ペン、そして...マックブック&ペンタブレットです。
「デジタルカメラ」
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出かける時、必ず持って行くものはデジタルカメラです。
写真は趣味だけではなく、研究の一つのツールにもなってきました。
それは、開発しているデジタル教材の素材にもなるかもしれないからです。
近所を歩きながら日本とブラジルの文化の違いを感じる瞬間、要素などを記録することができます。近所や近くにある公園、大学の周りにはいつも面白い発見があります。
*皆さんもカメラを持って、新鮮な目で物をみたり感じたりしてみませんか?
「スケッチブック&ペン」
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すべてはメモやスケッチから始まります...
高橋さんとの研究相談でメモした物を振り替えてから、新しいアイディアを紙に書き出します。
「マックブック&ペンタブレット」
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私も 「Macユーザー」の一人です。そして、アドビユーザーです!
今回のデジタル教材は「フラッシュ」で作っていますが、「フォトショップ」や「イラストレーター」も日常的によく使っています。
これで、私の一日の紹介を終わらせていただきます。
教材を出来上って、修士論文を書く季節が迫ってきます。
これからも、いい成果を出せるように研究にしっかりと取り組んでいきたいです。
[柴田アドリアーナ]
2011.09.24
みなさま、こんにちは。修士課程2年の菊池裕史です。
長い長い夏もようやく終わり、過ごしやすい季節になりましたね。山内研ブログも気分一新ということで、今週から新しいシリーズに入ります。今週からは、山内研に所属する大学院生が普段どのような生活を過ごしているのか、その日常に迫る【山内研メンバーの1日】をお送りいたします。
第1回目は「僕と林檎と研究と」と題しまして、菊池のApple製品と共に過ごす1日をお伝えいたします。
Apple大好き山内研!
冒頭から私事で恐縮ですが、つい先日、首都大学東京で行われた日本教育工学会の全国大会に参加してまいりました。発表者の皆様の研究内容はもちろんのことですが、僕には他に気になることが1点ありました。会場内で、やたらとMacユーザーが目につくことです。口頭発表のセッションに参加をしていたときも、シンポジウムに参加をしていたときも、周りを見るとMacを使っている人が多いなあと感じることが多々ありました。教育工学関係者にMacを使う方が多いのか、それともMacユーザーの方がMacを机に出すことが多いのか。僕にはわかりませんが、なんとなく、後者が正解なのではないかと考えております。いずれにしても、「Macユーザー多いなあ」と感じたことを記憶しております。
さて山内研ですが、教育工学の研究室だからかどうかはわかりませんが、Macユーザーが大多数を占めております。山内先生を始め、助教の先生、先輩、同級生、後輩と、Apple製品を使うことが一種の文化になっているような状況です。かくいう僕もApple製品に囲まれながら日々を過ごしておりますが、では一体、どのようにApple製品を利用しながら山内研メンバーは日々を過ごしているのかということを、僕の例ではありますが、今回のエントリーでお話したいと思います。
Apple製品と僕
まず、僕が所有しているApple製品群ですが、下の写真にあるとおりです。
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中には古いものも混じっておりますが、15インチのMacBook Pro、13インチのMacBook Pro、11インチのMacBook Air、iPad、iPod touch、iPhoneを所有しています。特にAppleのファンというわけではないのですが、気がついたときには身の回りをAppleの製品に囲まれておりました。Apple恐るべし!トータルエクスペリエンス恐るべし!です。
Apple製品と過ごす1日
では、ここから僕の具体的な1日を追ってみます。僕の1日はメールのチェックから始まります。家では下の写真のように、MacBook Proを大型のモニタに接続して利用しています。
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理想的には、「午前中の早いうちから大学に行って研究を始めたいな」と思っているのですが、満員電車のことを考えますと、なかなか足が動きません。ですので、通勤ラッシュが終わる頃までは家で研究を進めることが多いです。そして、家を出ることができる時間になりますと、次に活躍するのがiPhoneです。
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僕が住んでいる東京の西側から大学までは、片道で約1時間程度の通学時間がかかります。この1時間はとても重要です。具体的に何をするかと言いますと、iPhoneを利用してRSSリーダーにたまった記事と、TwitterやGoogle+、Facebookに流れている情報を一気に処理します。ここで見つかった情報に、その日の思考を支配されることも多々あります。
大学で活躍するのはMacBook Airです。僕は重い荷物をもって移動することがあまり(かなり)好きではないので、MacBook Airはとても重宝しています。修士1年のときには、「どうせ電車の中ではiPhoneしか使わないのだから」と、手ぶら通学をしていた時期もあるほどです。軽いというのは、それだけで価値がありますね!
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お昼が過ぎ、夕方にもなってきますと、集中力がだんだんと落ちてきます。そんなときにはMacBook Airと本だけをもち、図書館や大学の近くにあるカフェへと移動します。僕の研究はPC1台があれば進められることもよくありますので、あっちへフラフラ、こっちへフラフラと移動を繰り返しながら、日々研究を進めております。
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「移動する」ということで思い出したのですが、最近1つだけ小さな楽しみが増えました。修士論文の謝辞の最後に、「○○にて 菊池裕史」と書くときの、この○○をどこにするかということです。研究室なのか、家なのか、はたまたどこかのカフェなのか。まさか、iPhoneを使って電車の中で!ということはさすがに無いと思いますが、「どこで修士論文を書き上げるのだろう。研究室がカッコいい気がするけど、もしかして...。」などと、そんなことを想像することが最近の楽しみになっています。
修士論文提出まで、残すところあと3ヶ月少しとなりました。期日が近づくに連れ、焦りや苛立ちを感じることもありますが、いつも近くで僕を支えてくれているiPhoneやMacBook Airは、僕の心強い味方になってくれています。これからやってくるであろう冬の山場も、Macたちと一緒に乗り越えていきたいと思います。(Apple恐るべし!!)
2011.09.22
東京大学情報学環福武ホールでは、計画点検のため、下記の通り停電が予定されています。停電に伴い、本ウェブサイトは下記の時間帯、停止します。
2011年9月25日(日) 10:00 - 19:00
ご利用の皆様にはご不便をおかけしますが、あらかじめご了承ください。
2011.09.20
9月17日〜19日の3日間にわたって、日本教育工学会第27回全国大会が首都大学東京で開催されました。1,000人を超える参加者が集まり、教育実践の改善について議論が交わされました。今年は新しく学会に来られた方も多く、質疑応答も活発に行われていたのが印象的でした。学会が教育改革を志向する人々のオープンマーケットに変化してきたように感じます。
初等中等・高等教育/ワークショップなど多くの実践について、改善の工夫や実態調査などについて報告されました。ほとんどのセッションで有益な情報共有が行われていたのですが、残念ながら発表者と聴衆の間で齟齬があったケースもあったようです。
私が見た限りでは、実践の様子を時系列に報告するものにその傾向が強かったように思いました。面白い実践も多いだけにもったいないので、学会で報告する際により建設的なやりとりができるためのフォーマットを考えてみました。
実践の社会的背景
その教育実践がなぜ今重要なのか、社会的背景や教育的意義を述べる。
(「研究の背景」に相当)
先行実践と報告の視点
今まで行われてきた類似の実践や自分の過去の実践の中で発見した問題について述べ、解決するための視点について明らかにする。
(「研究の問題と目的」に相当)
実践の概要と明らかになったこと
実践の概要と明らかになったことを、報告の視点に基づいてまとめる。
(「研究の方法と結果」に相当)
今後の課題
実践をすることで見えてきた新たな課題についてまとめる。
(「研究の考察と課題」に相当)
このフォーマットを意識していただければ、論文にするときに問題/目的/方法/結果という研究のスキームに移行するのも楽になると思います。
【山内 祐平】
2011.09.17
みなさまこんにちは。
自分の研究に影響を与えている研究者を紹介する【気になる研究者】シリーズ、最終回は博士課程2年 池尻良平が "デューク・リチャード・D" をご紹介したいと思います。
私が修士の頃、歴史を用いて未来の社会に対する選択肢を広げ、シミュレーションを行うという主旨の教材開発を行っていたのですが、そのための学習形式として最も適しているものが何かつかめず、苦しんでいた時期がありました。
そんな時、彼の研究に出会い、まさしくゲーミングシミュレーションというコミュニケーション手法こそが今の歴史学習に適していると思い、今のゲーミング教材を作り始めましたという経緯があります。今回は私の研究に影響を与えてくれたデュークという研究者を紹介したいと思います。
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デュークは1964年、ミシガン大学より博士号を取得し、1998年に定年退職するまでミシガン大学建築・都市計画学部教授を務めた方です(現在、ミシガン大学名誉教授)。ポリシーゲーミングの領域において、100以上のゲームを政府・民間企業向けに研究開発したり、約40か国に対してポリシーゲームの研究活動を指導したりしています。また、国際シミュレーション&ゲーミング学会を創立し、会長も務めた方です。
彼は、新しい知識が次々と生まれて地球規模の問題が複雑化している今、全体認識を伝える必要性が高まっているという問題意識のもと、伝統的なコミュニケーションではなく、未来を語る言語(Future's Language)を用いたコミュニケーションが必要だと主張してきました。
そして、ゲーミングシミュレーションこそがその未来を語る言語だとし、従来の伝統的なコミュニケーション形式と対比させながら、ゲーミングシミュレーションを用いたコミュニケーション形式についてまとめた方です。
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今回はその4段階のコミュニケーションモデルを簡単に紹介します。
●モデルⅠ:原始モードの一方向のコミュニケーション
身振りや手振り、叫び声を使った一方向のコミュニケーションです。例えば、手を使ったジェスチャーなどが該当します。
●モデルⅡ:発展的モードの対話
口語を使って電話などで対話を行うコミュニケーションです。送り手と受けては1対1 です。例えば、電話での会話などが該当します。
●モデルⅢ:統合的モードの多者間対話
マルチメディア(プロジェクターなど)やスライドを使って複合現実(複雑性、相互作用性、ダイナミックス性のいずれか、あるいは、すべてを備えたシステム)についての発表や議論を行い、多者間の逐次的な対話を行うコミュニケーションです。送り手と受け手は1対複数です。例えば、討論会などがこれに該当します。
●モデルⅣ:多重同時対話
基本的にはモデルⅢと同じなのですが、コミュニケーションを促進するために用いられる仕組みがまったく別物だと説明されています。そして、これこそがゲーミングシミュレーションによるコミュニケーションに該当します。図で表すとこちらのようなものです。(デューク 2001の図をもとに作成)
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モデルⅢでは、複合現実のモデル(例えば、環境保護について議論するために自然環境をモデル化するなど)は構造化された文書や口頭発表を通じて参加者に伝えられ、これに対して参加者は、早い者順か、ランダムに指名されることで発言を行い、全体の議論が進行されていきます。司会者は議論の混乱を避けるために、私語を慎むように注意したり、主催者側が意図しない意見を抑えたりする必要があるため、参加者同士のコミュニケーションは行われません。結果、個々の人間は全く同一の現実について言及しているにもかかわらず、異なる枠組みでその認識を構造化するようになります。
一方で、モデルⅣのゲーミングシミュレーションでは、複合現実のモデルは事前にゲーム構造(地球を救うゲームなど)として参加者に伝えられています。さらに参加者はある特定の観点をもった役割(農家やビジネスマン)になりきるのが望ましく、その設定のなかで特定の論理的な制約に準拠して行動することが要請されます。このように、環境保護などの全体システムにかかわる議論は、ダイナミックな関係を意識させる状況が導入されることで促進されているのです。
皆さんもゲーム形式のコミュニケーションを取っている時、色々な会話が同時に飛び交っているにも関わらず、散発的にならない経験をしたことはないでしょうか?それは噛み合ない議論とは違っているはずです。これはパルス(プレーヤー同士のメッセージ交換を誘発する目的で、ゲーム中にプレーヤーに提示される課題、論点、代替案、情報)によって、話す内容のベクトルがデザインされているからです。ただし、このようにゲーミングシミュレーションを用いたコミュニケーションを促すためには、ゲームのデザインが必須になってきます。このノウハウについては、参考文献をご参照いただければと思います。
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近年、より複雑で予測が困難な世界に対応できるような能力が必要になり、同時にそれを育成する教育が求められるようになってきています。今後、ゲーミングシミュレーションというコミュ二ケーション方法はどんどん必要になると思います。
私も未来を語るための歴史学習の開発に向けて、一役買えればと思っています。
*参考文献
デューク, R. D. 著, 中村美枝子, 市川新訳(2001)ゲーミングシミュレーション未来との対話. 凸版印刷. 東京.
[池尻 良平]