2011.10.11

【エッセイ】存在しない職業への準備

10月5日に、21世紀型スキルを育てるためのICT活用に関する記者発表を行いました。
東大、MS、レノボが「21世紀型スキル」育成を目指した教育の実証研究

21世紀型スキルは、今後の社会を生きていく子どもたちが必要な能力群として定義されていますが、以下のような内容が含まれています。

(1) 批判的思考力
(2) 問題解決能力
(3) コミュニケーション能力
(4) コラボレーション能力
(5) 自律的に学習する力
(6) ICT(情報通信技術)を確実に扱うことのできる能力・スキル
(7) グローバルな認識と社会市民としての意識
(8) 金融・経済に対する教養
(9) 数学、科学、工学、言語や芸術といった分野への理解を深めること
(10) 創造性

このような高次な思考力/応用力への傾斜は、高等教育におけるアクティブラーニングでも同様に見られる現象です。学力テストのPISAも同じ思想から設計されています。

欧米を中心にこのような考え方が強くなってきた背景には、情報化・国際化による労働市場の変容があります。「今年小学校に入学する子どもたちの65%が現在存在しない職業につく」という予測もあります。こういう状況では、医者や弁護士などの「固い専門職」をのぞいて、職業と学業の体系的な接続が難しくなります。そのため、転移可能性が高いコアスキルとして、思考力や応用力が重視されるようになっているのです。

参考記事:What's Your Major? Working Toward the Uninvented Job

山内 祐平

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