BLOG & NEWS

2008.10.20

【イベント】美術教育の根拠 - 初めて食べる(毒)キノコをそれでも食べるために -

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【ご案内】
2008/11/5(水)

Educe Cafe:美術教育の根拠
  --初めて食べる(毒)キノコをそれでも食べるためにー
を開催致します!!

主催: NPO法人 Educe Technologies
http://www.educetech.org/
共催:東京大学大学院情報学環・学際情報学府 山内研究室
http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/
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2008/11/5(水)Educe Cafeを開催致します。

今回のEduce Cafeでは、「美術教育の根拠--初めて食べる(毒)キノコをそれで
も食べるために」と題し、美術は教育の何に役立つのか(あるはたたないのか)
について確信を持つためのくじびき座談会を行います。

玉手箱=「?BOX」からつぎつぎ飛び出す「テーマ」へ切り込む命綱のない宇
宙遊泳のようなインタラクティヴ・トーク・ワークショップの形式で行います。
参加者の方も、とっておきの「テーマ」を玉手箱へ入れてください!

ゲスト:黒沢伸(くろさわ しん)
ミュージアムエデュケーター
金沢湯涌創作の森所長

1959年、東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科終了。
1989年より水戸芸術館現代美術センター学芸員、1999年より金沢21世紀美術館学
芸員を経て、2006年より現職。

水戸芸術館時代には「妄想砦のヤノべケンジ(1992)」や「19番目の彼女の足
(1993)」、「相談芸術大学(1995)」など、当時まだ少なかった観客参加型の
プロジェクトやアーティスト・イン・レジデンス型の実験的なイベント実施、多
くの若手作家をフューチャーするとともに、教育ボランティア組織を立ち上げ、
普及・広報その他の活動を実践。

金沢21世紀美術館では建築設計から関わり、コレクション形成の他、「スイミン
グプール」や「タレルの部屋」など、特に建物と一体化したコミッションワーク
の導入を企画・担当。また、開館前の建物のない状況下、アウトリーチ活動とし
て街中や学校等で多くのプレイベントを実施。開館と同時に、多くのボランティ
アスタッフの協力を得て、市内の小・中学生4万人全員が美術館を探検する
「ミュージアム・クルーズ・プロジェクト」に結実させる。

金沢湯涌創作の森では、子ども対象の林間学校プログラムや施設ボランティアを
創設、地域の人的・環境的資源を生かして施設全体を公園化するアミューズラン
ドプロジェクトに着手。


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今回のEduce Cafeではお飲み物などをお出しいたします。
その場にいる人みんなが顔見知りになってお帰りいただけるような、
アットホームな会にしたいと考えております。

学生の方から大学・企業にお勤めのかたまで、ぜひEduce Cafeにお
いでください!

■日時:2008年11月5日(水) 18:00〜21:00

■ 場所:東京大学情報学環・福武ホール
     地下2階スタジオ1

都営大江戸線 本郷三丁目駅 (徒歩7分)
東京メトロ丸ノ内線 本郷三丁目駅 (徒歩8分)
東京メトロ千代田線 湯島駅 (徒歩20分)
東京メトロ南北線 東大前駅 (徒歩10分)

下記アドレスをご参照ください
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access.html


■定員:20名
(先着順とさせていただきます。ご了承ください。)

■参加費:一般・学生とも2000円
※ただし、今回は学生の方限定で先着5名まで会費500円になります。


■ 参加方法:
下記フォームに必要事項をお書き込みいただき、
cafe@educetech.org
までメールにてご連絡ください。

〆ココカラ=======================================
参加申し込みフォーム
cafe@educetech.orgまで
10月31日までにお申し込み下さい
人数が多数の場合は先着順とさせていただきます。

Educe Cafe (11/5) に申し込みます。

氏名:

フリガナ:

所属:

※学生の方で特別会費(500円)を希望する方はその旨明記してください。


メールアドレス:

この情報をお知りになったきっかけ:

ご興味をもたれた理由などありましたらお願いします
(                       )

〆ココマデ=======================================


■主催:NPO法人 Educe Technologies
共催:東京大学大学院情報学環・学際情報学府山内研究室

(企画担当:山内研究室博士2年 森玲奈)

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Educe Technologiesは・・・
人間がその可能性を最大限に発揮できる学びの場のデザインについ
て、教育工学の立場から、大学・企業・教育現場をつないだ実践的
研究プロジェクトを展開していきます。また、新しい時代にふさわ
しい「学びあう社会」を作り上げるために、研究会やシンポジウム
などを通じて、その成果を広く社会に訴えかけていく活動も進めて
いきます。
http://www.educetech.org/
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2008.10.17

【みんなの授業】「協調的知識統合論」(教育学研究科)

シリーズ【突撃!隣の研究者】も一回りし、また新たなシリーズが始まります。
新しいシリーズは、題して【みんなの授業】。
学環・学際情報学府や周辺の学部・研究科にはどんな授業があるのか。山内研の学生は、いったいどんな授業を受けているのか。山内研のみんなが今受講している授業や、過去に受講したお気に入りの授業を紹介してもらいます。
山内研の学生は、どんな分野に興味を持っているのか、どんな知識を最低限持っていないといけないと思っているのか、少しでもその鱗片がご紹介できればと思います。

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というわけで、M2坂本がご紹介する授業は、昨年の夏に行われた、教育学研究科の集中講義「協調的知識統合論」です。
講義自体は「教育創発学特殊研究」という、教育学研究科の秋田喜代美先生の講義なのですが、講師として中京大学の三宅なほみ先生が4日間にわたりレクチャーを進めてくださいました。

この授業は、駒場に新設された教室、KALSで行われました。
昨年、山内先生もエッセイにてその様子を紹介しています。

「協調的--」というその講義名の通り、講義内容はすべて、学生がいくつかのグループを組んだ状態で進んでいきました。
具体的には、グループで作業がしやすいまがたまテーブルや、4面を囲うプロジェクタ・スクリーン、一人一台のタブレットPCといった、すてきな学習環境が整ったKALSの特長を活かして、ジグソーメソッドという学習方法や、ReCoNoteという協調学習用ソフトウェアをふんだんに用いて学んでいきました。

講義内容としては、「知識統合」「建設的相互作用論」「熟達化」などといった学習科学でHOTな分野を扱いました。
その領域の有名な論文をA4一枚程度にまとめた資料が用意され、ジグソー形式でグループを組み替えながら、ああでもないこうでもないと議論を進めます。

この授業のおもしろいところは、どれも今現在研究が進んでいて、分からないことだらけの分野であるということです。
ReCoNoteに、自分たちのグループが考えた様々な概念の関係をコンセプトマップとしてまとめていくのですが、こういった媒介物がさらに議論を刺激し、「それはこっちだろう」「いやこことつながってるでしょ」「え、なんでそうなるの?」などといった会話が教室中の至る所から聞こえてきます。

僕の個人的な感想としては、「分かれば分かるほど分からないことが多くなっていった」授業でした。
たとえば熟達化に関しては、「"adaptive expertise"とは何か?"routine expertise"とはどう違うのか?」といった議論に始まり、「"adaptive"とはすなわち転移のことなのか?」、「そもそも転移って何なの?」、「それは学習とどう違うの?」、「熟達化は学習とはどう違うの?」などと、それぞれのグループの中で議論が白熱していきます。
いろんなところですでに話を聞いて、分かった気になっていたことが、考えれば考えるほどどんどんわからなくなり、謎は深まっていきました。

非常に頭を使い、"脳みそに汗をかいた"4日間でした。
毎回、授業が終わる時間になると学生は皆ぐったりしていました。
1日中続いた、分からないことを分かろうとする積極的な議論は、アタマの疲労感とともに、「分からないことを考えるのっておもしろい」という快感のようなものを与えてくれました。

そして、最後の授業が終わっても、三宅先生はご自身が持っている考えはおっしゃいませんでした。
中には「すっきりしないから先生の"答え"を教えてほしい」という声もあがりましたが、それはされませんでした。
きっとそれは意味のないことなんだと思います。
今僕らが進めている研究も、どこかに答えが用意されているものではないのですから。

[坂本篤郎]

2008.10.15

【エッセイ】多様化する開発研究

10月11日から13日まで、上越教育大学で開催された日本教育工学会に参加しました。
BEAT客員助教の松河さんが論文賞を、修了生の酒井さん、博士課程の森さんが研究奨励賞を受賞され、うれしいニュースが続いた学会になりました。
教育工学会は、名前が示すとおり、開発研究の多い学会です。新しい教育に関するアイデアを形にし、実践現場の中でその役割を確かめるという発表がこの学会の研究の典型といえるでしょう。
今年、プログラムを眺めながら気がついたのは、開発研究の対象が多様化しているということです。従来は、コンピュータを用いた教育システムの開発がほとんどだったのですが、それ以外にコンテンツや教育プログラムから人と人のつながりまで、さまざまなものが開発の対象になっています。
開発研究の対象の多様化は、教育や学習の支援対象が広がるということですので、実践に有用な研究が増えることになるでしょう。ただ、研究の方法は、従来のシステム開発研究を下敷きににしているものが多いので、若干無理がでているように思います。やわらかい対象をデザインする場合にも妥当性を担保できる方法の検討が必要になっています。
来年度の教育工学会は、9月19日(土)20日(日)21日(月)の日程で、東京大学本郷キャンパスで開催されます。ぜひご参加ください。

[山内 祐平]

2008.10.09

【突撃!隣の研究者】中原淳 准教授

第8回の【突撃!隣の研究者】は、D2の森玲奈が担当いたします。


山内研究室のお隣・・
そう考えて、まず頭に浮かんだのが<中原研究室>です。

<山内研>メンバーは関心のある部分が近いこともあり<中原研>との交流が密です。
私も、中原 准教授には、日頃から大変お世話になっています。
先日も、某企業の新入社員用研修の見学にお誘いいただき、同行させていただきました。


■個人的、「中原さん」との出会い
中原淳 准教授にお会いしたのは、私が大学院に入学する年の春でした。
当時はまだ研究室をお持ちではなかったのですが、
東京大学に勤務されている方として春合宿に参加されていました。
お会いした日、その強烈なキャラクターに圧倒されたことを覚えています。
実家の母に、その夜、こう電話しました。
「なんか、今日、すごい人に会ったよ」と。


中原さんは、大学の研究者というイメージから遠い、"かっこよい兄貴"です。
スピーチやプレゼンは企業人顔負けのうまさです。
さらに、根気よくブログを書きため、自分の意見や感覚を外部に発信しています。

こういう在り方は、下手すれば誤解すら招きかねず、
普通はなかなかできないのではないかと思います。
でも、なかなかできないことであっても、
やってのけてしまうのが中原淳さんです。
中原さんには、そんな芯の強さがあります。


■経歴
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授。
東京大学大学院 学際情報学府准教授(兼任)。
北海道旭川市生まれ。
東京大学教育学部、大阪大学大学院 人間科学研究科をへて、
文部科学省メディア教育開発センター助手、
米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員、
東京大学 大学総合教育研究センター講師、2006年より現職。
2003年、大阪大学より博士号取得。


■研究など
専門は教育学(教育工学)。
「大人の学びを科学する」をテーマに、教育学の観点から、企業・組織における人々の学習・成長について研究しています。
共編著・共著に「企業内人材育成入門」(ダイアモンド社)など多数あります。

研究の詳細は、
Blog:NAKAHARA-LAB.NET(http://www.nakahara-lab.net/)
に日々綴られています。


■夢を語る/未来を創る
HPにはこんなことが書いてありました。
http://www.nakahara-lab.net/info.html

ーーーーーーーー
僕は「教育学」の研究者です。
より細かい研究分野でいうと、「教育工学」「学習科学」とよばれる研究領域です。
  ここ数年は、特に「大人の学びを科学する」を合い言葉に、大人が快く学べる教育環境のあり方を研究しています。
(中略)
「今まで教育や学習の研究対象だと思われてこなかったフィールドに、教育工学や学習科学の視点を導入していくこと」、そして「その場をより教育的で、人間が快く学べる場所にすること」が、僕のめざしていることです。

 そういういくつもの研究プロジェクトを繰り返し行っていくことで、いつの日か、「教育学や学習科学を学んだ人たちって、実践的だし、感度がいいし、かっこいいよねぇ」と言われるきっかけになるような研究を生み出していきたい。これが僕の夢です。

ーーーーーーーー
夢を語れる研究者、あなたはどのくらいそういう人を知っていますか?
さらにその中に、夢を実現させるべく、手足を動かせる人はどのくらいいるでしょうか・・

知的体力にあふれる研究者に出会えたことが、
私の大学院生活の刺激になったことはいうまでもありません。
修士研究の中間発表の際、コメントシートにEnjoy!と書いてあったこと、
とても励みになりました。
この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
これからもどんどん刺激的な研究をしてください。


■こんな中原淳 准教授に会いたい人に・・
昨年に引き続き、10月31日には安田講堂にて
ワークプレイスラーニング2008というシンポジウムを開催されるとのこと。
http://www.educetech.org/wpl2008/
残席少ないようですが、ご関心のある方はぜひ!!


[森 玲奈]

2008.10.08

【お知らせ】グッドデザイン賞受賞

山内がデザインディレクションを行った情報学環・福武ホールが、2008年度グッドデザイン賞を受賞しました。

http://www.g-mark.org/search/Detail?id=34556&sheet=outline&lang=ja

大月さん、八重樫さん、加藤さんをはじめ、多くのデザイナーの方々にお世話になりました。お礼を申し上げるとともに、この場がコンセプト通り「学びと創造の交差路」でありつづけるように、運営に関して努力していきたいと思っております。

[山内 祐平]

2008.10.02

【突撃!隣の研究者】八重樫文先生

第7回の【突撃!隣の研究者】は、D2の佐藤朝美が担当いたします.
今回は立命館大学の八重樫先生についてご紹介します。

■八重樫文先生の概要:
現職は、立命館大学 経営学部 環境・デザイン・インスティテュート 准教授。
先日行われたBEATセミナーにご登壇下さいました。
http://beatiii.jp/seminar/035.html

「八重樫 文」は、「やえがし かざる」と読みます。

見た目はこんな感じです。
        ↓↓↓

kazaru.jpg


■経歴:
何を隠そう、山内研出身です。それまでの経歴はざっとこんな感じです。
武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業後、デザイン事務所勤務。
ちょっとして辞めてフリーターへ。
その後、武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科助手。
  →ここへ私が学生として入学し出会います!
  →この時も、かなり学生に慕われていました。
助手任期満了後、東京大学大学院学際情報学府修士課程・山内研へ。
同時に、フリーでデザイナー・Webディレクターとしても働きます。
修士取得後、福山大学人間文化学部人間文化学科専任講師。
2年勤めた後、立命館大学に異動。


そんな八重樫先生にいくつか質問をさせて頂きました。


■山内研とのお隣具合:
佐)
現在、山内研や福武ホール関連のお仕事はどのようなことをされていますか?

八)
山内先生のご研究・お仕事を、デザインの面からサポートさせていただいています。
共同研究、論文共著というかたちから、デザインが必要な案件のコンサル・ディレクションをしてきました。

たとえば、
 ・初期iii onlineのWebデザイン(現在は変更・更新されています)
 ・BEATのWebまわりのディレクション(一時は、メルマガ編集もしてました。
  現在は、セミナーレポートの監修をしてます。)
 ・福武ホールのメディアデザイン(ロゴ、館内サイン、Webサイト、案内冊子、
  コンセプト提示資料)に関するディレクション
などなどです。

佐)
情報学環・福武ホールは、2008年度グッドデザイン賞にノミネートされていましたね!!!
卒業後、そういった互恵関係が継続していく事はすごい&羨ましいです。


■研究について:
佐)
八重樫さんご自身はどんな方向性で研究をされていますか?

八)
デザインの知見を、まだあまりデザインの考え方が浸透していない分野に持ち込んでその有用性を示すこと、を目指しています。

現在は主に以下の2つの研究を進めています。
 ・デザイン教育の知見を汎PBL(Project Based Learning)に応用した、
  PBL支援ツールの開発(ProBo: http://pb.nime.ac.jp/
 ・若年看護師向け医療安全教育へのeラーニングの活用

佐)
PBLは、ブログでも紹介された望月先生との共同研究で、7月に行われたED-MEDIA で賞をとっていらっしゃいましたね!研究室の周辺でこのようなプロジェクトが活発に動いていることは大変励みになります。


■大学で行っている教育について:
佐)
前回のBEATセミナーで、「環境・デザイン実習」「プロジェクト研究」の授業の紹介をされていらっしゃいましたが、八重樫さんの授業、大変面白そうですね。

八)
the smithsという80年代のUKのバンドの歌詞の一節ですが、
授業の時にいつも意識しています。

 So, if there's something you'd like to try,
 Ask me
 - I won't say "No"-
 How could I ?
 (the smiths, ask, 1987)

学生がやりたいことをできるようサポートしたいだけです。

佐)
理論ベースでしっかりしながらも、思わず参加したくなる要素が多々ある授業に感じるのは、学生自らという自主性を保証していることと、「デザイン教育」の知見をふんだんに取り入れるということもあるのですね。


■今後の展開・ビジョンについて:
佐)
美大からの華麗なる方向転換とともに、きちんと職業に就き、前向きに色々な事をこないしている姿は私の目標なのですが、八重樫さんがこれから目指しているところなどはありますか?

八)
特に取り立てて「今後の展開・ビジョン」を考えていません。
将来とは今やってることの延長でしかないと思ってます。

「デザインの知見を、まだあまりデザインの考え方が浸透していない
分野に持ち込んでその有用性を示すこと」
がこれまでの僕のテーマで、現在のテーマで、今後のテーマです。

まあ、何かやってれば、いろんな人と出会い、
その出会いがまた新しい世界を開くでしょう。
これまでそうでした。
OK,何の問題もない。

佐)
なるほど!先が見えずに翻弄している現在の私にとって、心に染みるお言葉です。
「OK,何の問題もない!」は、私も師事した武蔵美の大平先生のお言葉を引き継いでるとのことでしたが、今後わたしもチョクチョク使わせていただきたく思います。

今回のブログ内容は「OK,何の問題もない!」でしょうか!?

八重樫先生、ありがとうございました。今後のご活躍も楽しみにしております。

---
八重樫先生のページ:http://kazaru.jp/
八重樫先生のブログ:http://kazaru.sblo.jp/


[佐藤 朝美]

2008.09.30

【イベント】ワークショップコレクション2008

▼山内が副理事長をつとめておりますNPO・CANVASが主催するこどものためのワークショップ博覧会「ワークショップコレクション2008 in 慶應義塾」が10/12-10/13に開催されます。楽しいワークショップが目白押しですので、ぜひご参加ください。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
こどものためのワークショップの博覧会  
ワークショップコレクション2008 in 慶應義塾
   10/12-10/13 開催!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

全国からとっておきのこども向けワークショップを集めた博覧会イベント、
「ワークショップコレクション」2008年度も実施が決定しました!
昨年に引き続き、慶應義塾大学の三田キャンパスにて、
10月12日(日)・13日(月祝)のニ日間、開催いたします。
なんと今年は過去最大規模の70ワークショップが大集合!
みなさま、ぜひぜひ遊びにいらしてください!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ワークショップコレクション2008 公式サイト
 http://www.wsc.or.jp/WSC2008.html
 *ご来場前に「事前登録」をすると
  抽選でステキなプレゼントがあたります!
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会場:慶應義塾大学 三田キャンパス 南校舎および第一校舎
日時:2008年10月12日(日)11:00〜17:00
  2008年10月13日(祝)10:00〜17:00
入場料:無料(一部ワークショップでは「材料費」がかかります)
出展:70ワークショップ(詳細は以下URLより)
   http://www.wsc.or.jp/WSC2008ws/index.html
対象:
  [こども]
   未就学児〜小学生から中学生・高校生まで、はば広くご参加頂けます!
  [おとな]
   こども向けワークショップに関心のある方であればどなたでも!
  *各々のワークショップで対象年齢が異なります。9月下旬にWEBサイトにて
   お知らせいたしますので、ご確認ください!
参加方法:直接会場にご来場ください! 
     *ワークショップ参加の事前予約はできません。
     *当日は混雑が予想されますので、お早めにご来場ください。
主催:CANVAS、慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構
後援:経済産業省、総務省、東京都教育委員会、港区教育委員会、
   有限責任中間法人融合研究所
協賛:クアルコムジャパン株式会社、株式会社CSKホールディングス(CAMP)、
   JAXA宇宙教育センター、スーパーサイエンスキッズ実行委員会、
   第一生命保険相互会社、ベネッセグリムスクール
助成:UBS「Kids in the Arts」公募助成プログラム UBSグループ、
   財団法人国際コミュニケーション基金(ICF)
協力:株式会社見果てぬ夢

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2008.09.25

【突撃!隣の研究者】佐倉統先生

第6回の【突撃!隣の研究者】は、M1の岡本絵莉が担当いたします.
今回は,同じ東京大学大学院情報学環・学際情報学府の教授である佐倉統先生を,ご紹介いたします. 

●佐倉先生のご紹介:
     ====ご経歴====
東京大学文学部心理学科では,「サルの動物行動学」を専攻.
サルの生態学の研究を続けるため,京都大学理学研究科の大学院に進学.
研究のためアフリカに一緒に行った先生に「向いてない」と言われ,悩んだ末に科学史に転進.
三菱化成の生命科学研究所でポスドク研究員として勤務後,環境倫理に関するテーマに取り組む.
横浜国立大学経営学部で助教授として勤務,2000年の情報学環設立と同時に,東大へ移籍.
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改めて,佐倉先生は本当に幅広い研究分野を経験してこられたのだなと思いました.
私が受講している授業のひとつで,佐倉先生に,ご自身の経験をもとに(学際)研究の悩みや心得をお話しいただいたことがあります.
それはたとえば,
「2つの分野をマスターすることは無理.2つの分野の間の,1つの分野をマスターすることはできる」
「やりたいことをやらずに後悔するのではなく,やってから後悔する」
「他流試合のチャンスを逃さず,利用しよう.むしろ,自分で積極的に作ること」
といったことです.
ちょうど大学院生活が本格的に始まってから1ヶ月がすぎた頃の授業で,気持ちが新たになったことを覚えています.

●佐倉先生はこんな方:
先生ご自身は,科学コミュニケーション,ミーム論や非生命体進化を中心に科学史,科学技術論と幅広い研究をなさっています.
情報学環を受験するにあたって先生に相談に行った際には,真剣に,でも気さくにお話ししてくださったことが印象的でした.
私は先生の著作も大好きです.たとえば,
『進化論の挑戦』
『進化論という考え方』
などは,私が読んで「こんな先生がいる学環に行きたい!」という思いを確認した思い出の本のひとつです.

●山内研と佐倉先生:
佐倉先生の研究室は,山内研究室と同じく,福武ホール(http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/)の2階にあります.
研究室の前を通ると,本を読んでいたり,パソコンに向かっていらっしゃる先生の姿が見えます.
また,東京大学本郷キャンパス内では,自転車に乗って爽やかに移動されている佐倉先生をお見かけすることもしばしばです.
「こんにちは」と挨拶すると,いつも気さくに返してくださいます.
また,佐倉先生には,私の研究の副指導をお願いしています.
個人的に佐倉研究室の院生との交流もあり,とても身近に感じる学環の先生です.
最近,佐倉先生は私と同じ獅子座のA型ということを知り,ますます親近感を感じてしまいました.

●佐倉先生に,山内研の印象をお聞きしてみました:
「山内先生のお人柄を反映しているのか,子だくさんの明るい家族という印象です.
また,福武ホールが完成する前の仮研究室のときから,山内研の部屋のきれいさには感心していました.
『佐倉研と山内研は同じ広さですよ』と人に言っても信じてもらえなかったという笑い話があるくらいです.」
とのことでした.
福武ホールでは建物の構造上,外から内が見えるので,お部屋に先生ごとの個性を感じられて楽しいです.


佐倉先生,いつもありがとうございます.
そしてこれからも,どうぞよろしくお願いいたします.

先生の研究室のウェブページはこちらです:
「佐倉統研究室」
http://sakuralab.jp/


[岡本 絵莉]

2008.09.23

【書籍紹介】Opening Up Education

BEAT客員教授でいらっしゃる飯吉先生が精魂込めて編集された、オープンエデュケーションに関する書籍「Opening Up Education」が9月20日にMITプレスから出版されました。

オープンエデュケーションに関して、幅広い観点から、しかし教育という筋を通しながら構成されたすばらしい本です。英語版ですが、文章は平易なので、読みやすいと思います。

アマゾンではまだ予約販売になっているようですが、米国で出版されたのでもうすぐ手に入ると思います。

http://www.amazon.co.jp/Opening-Education-Collective-Advancement-Technology/dp/0262033712/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=english-books&qid=1222168076&sr=8-1

中身もすばらしいのですが、この本のもうひとつの特徴は、全文をクリエイティブコモンズとしてオンラインで公開していることです。さすがオープンエデュケーションの本だと思いますが、こういう知行合一はなかなかできるようでできません。編者である飯吉さんと出版社のMITプレスに敬意を表したいと思います。

http://mitpress.mit.edu/opening_up_education/

[山内 祐平]

2008.09.18

【突撃!隣の研究者】望月俊男先生

第5回の【突撃!隣の研究者】は、M1大城が担当致します。
今回は、専修大学ネットワーク情報学部で講師をなさっている望月俊男先生をご紹介させていただきます。

日々、たくさんのプロジェクトでお忙しい中、いつも親身になって相談に乗ってくださる、気さくで優しい先生です。そんな望月先生に6個の質問をさせていただきました!


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■どんな研究をなさっていますか?

先生は、主に協調学習の支援システムの研究に取り組まれてきました。プロジェクトの例としては、高等教育のグループウェアの研究(※1)や、文章読解の支援システム(※2)等が挙げられます。

※1「ProBo」
…プロジェクト学習を支援するWebグループウェア
http://pb.nime.ac.jp/

※2「eJournalPlus」
…批判的読解力を育成するためのTablet PCソフトウェア
http://utmeet.jp/projects/ejournalplus.html


■東大ではどんなお仕事をなさっていますか?

東京大学では、大学総合教育研究センターのマイクロソフト先進教育環境寄附研究部門(※3)に所属されています。昨年度までは運営全般に取り組まれていましたが、今年度からは非常勤として週1回勤務され、プロジェクト研究を進められています。

そこでは、上記の「eJournalPlus」のほか、プレゼンテーションの支援システムや「MEET Video Explorer」(※4)の研究をなさっています。

※3マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門(MEET)
http://www.utmeet.jp/index.html

※4「MEET Video Explorer」
…番組映像クリップを探索する活動を支援するためのソフトウェア
http://utmeet.jp/projects/index.html


■山内先生との出会いは?初めて共同でお仕事をなさったのは?

慶應義塾大学に在籍されていた頃、プロジェクトでご一緒した田口真奈先生(現・京都大学准教授)のご紹介で中原淳先生(現・東京大学准教授)と知り合い、その中原先生のご紹介で山内先生と出会ったということです。

山内先生と初めて共同でお仕事をなさったのは、再び中原先生のご紹介で、「iii online」(※5)の評価研究に携わった時でした。今や学際情報学府の院生にとって、あるのが当たり前の「iii online」ですが、当時はその試みが始まったばかり。先生らの研究を基に改善が重ねられた結果、今の「iii online」があるのだということを感じました。

※5「iii online」
…学際情報学府の講義をインターネット上で受講できるサイト
http://iiionline.iii.u-tokyo.ac.jp/index.php


■研究者になろうと思ったきっかけは?

「うーん」と悩んだ後、「大きなきっかけはない」とお答えになった先生。

もう少し細かく考えてみると、大学院への進学を考えたきっかけは、就職活動をしながら違和感を持ったことだそうです。当時は不景気だったこともあり、説明会などに行っても、働く側のキャリアよりも会社の業績アップが前面に押し出されていたとのこと。そんな中、先生としては、もっと勉強・研究して自分を高めたい、という思いが強かったそうです。

また、そのような気持ちを抱いたのも、先生が研究室文化の中で育ったことが大きいようです。もともと、純粋に新しいものを知ることや分析することが好きだったという望月先生。学部生時代には、苗村憲司先生(慶應義塾大学)のゼミに在籍されていました。そこでは、ゼミの先輩を手伝う機会がたくさんあり、それを通して研究とは何か、どうやって行うものなのかを直に学ぶことができたといいます。

大学院では別の研究室に進学された先生ですが、では進学と同時に研究者を目指すことを決めたかというと、そうではありませんでした。修士課程に入った時には、博士課程に行くつもりは全くなかったそうです。

とある方に「博士課程に行くことは棺桶に半分足を突っ込むこと。30までに就職できなければやめなさい」とも言われたそうです。

しかし、博士課程への進学を決め、今や研究者となった先生。「どんな相手に読まれても納得させる」論文を目指したというご自身の努力だけでなく、院生生活の中で出会った様々な人々に支えられてこそ今がある、と振り返っていらっしゃいました。


■研究をしていてよかったと思うことは?

「難しい質問ですねぇ~」と、この質問を最後にパスされた望月先生。最後に改めてうかがってみると、「新しいものを知ったり考えたりすること」という回答をいただきました。

「新しいものを考える」ということは、製品企画のためのマーケティング等、もちろん会社でもできるはずのことではあるが、研究というのは、海外や最新の動向もきちんと押さえてやるので、様々な知見を学ぶことができる、と話されていました。

そんな中で、「自分が考えたものができてきたり、上手くいったりすると、『キター!』って思う」と表現された先生。それだけ嬉しく、やりがいのある活動だということが伝わってきました。


■現在の夢や目標を教えていただけますか?

近いうちに一度留学して海外でしっかり勉強したいという気持ちがあります。東大で仕事したご縁で、スタンフォード大Pea先生や飯吉先生ほか、いろんな先生とお知り合いになれたので、ぜひうかがいたいということです。

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Eメールが発達した世の中とは言え、自分の修論を書き終えるまでは、まだまだ日本で直に相談に乗っていただきたいなぁ、と自分勝手なことを考えつつ…これからの先生の益々のご活躍をお祈りしたいと思います。

望月先生、お忙しい中、快くインタビューに応じてくださり、どうもありがとうございました!

先生の個人Webサイトはこちら:
「望月研究室」
http://www.mochi-lab.net/


[大城 明緒]

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