2008.09.18

【突撃!隣の研究者】望月俊男先生

第5回の【突撃!隣の研究者】は、M1大城が担当致します。
今回は、専修大学ネットワーク情報学部で講師をなさっている望月俊男先生をご紹介させていただきます。

日々、たくさんのプロジェクトでお忙しい中、いつも親身になって相談に乗ってくださる、気さくで優しい先生です。そんな望月先生に6個の質問をさせていただきました!


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■どんな研究をなさっていますか?

先生は、主に協調学習の支援システムの研究に取り組まれてきました。プロジェクトの例としては、高等教育のグループウェアの研究(※1)や、文章読解の支援システム(※2)等が挙げられます。

※1「ProBo」
…プロジェクト学習を支援するWebグループウェア
http://pb.nime.ac.jp/

※2「eJournalPlus」
…批判的読解力を育成するためのTablet PCソフトウェア
http://utmeet.jp/projects/ejournalplus.html


■東大ではどんなお仕事をなさっていますか?

東京大学では、大学総合教育研究センターのマイクロソフト先進教育環境寄附研究部門(※3)に所属されています。昨年度までは運営全般に取り組まれていましたが、今年度からは非常勤として週1回勤務され、プロジェクト研究を進められています。

そこでは、上記の「eJournalPlus」のほか、プレゼンテーションの支援システムや「MEET Video Explorer」(※4)の研究をなさっています。

※3マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門(MEET)
http://www.utmeet.jp/index.html

※4「MEET Video Explorer」
…番組映像クリップを探索する活動を支援するためのソフトウェア
http://utmeet.jp/projects/index.html


■山内先生との出会いは?初めて共同でお仕事をなさったのは?

慶應義塾大学に在籍されていた頃、プロジェクトでご一緒した田口真奈先生(現・京都大学准教授)のご紹介で中原淳先生(現・東京大学准教授)と知り合い、その中原先生のご紹介で山内先生と出会ったということです。

山内先生と初めて共同でお仕事をなさったのは、再び中原先生のご紹介で、「iii online」(※5)の評価研究に携わった時でした。今や学際情報学府の院生にとって、あるのが当たり前の「iii online」ですが、当時はその試みが始まったばかり。先生らの研究を基に改善が重ねられた結果、今の「iii online」があるのだということを感じました。

※5「iii online」
…学際情報学府の講義をインターネット上で受講できるサイト
http://iiionline.iii.u-tokyo.ac.jp/index.php


■研究者になろうと思ったきっかけは?

「うーん」と悩んだ後、「大きなきっかけはない」とお答えになった先生。

もう少し細かく考えてみると、大学院への進学を考えたきっかけは、就職活動をしながら違和感を持ったことだそうです。当時は不景気だったこともあり、説明会などに行っても、働く側のキャリアよりも会社の業績アップが前面に押し出されていたとのこと。そんな中、先生としては、もっと勉強・研究して自分を高めたい、という思いが強かったそうです。

また、そのような気持ちを抱いたのも、先生が研究室文化の中で育ったことが大きいようです。もともと、純粋に新しいものを知ることや分析することが好きだったという望月先生。学部生時代には、苗村憲司先生(慶應義塾大学)のゼミに在籍されていました。そこでは、ゼミの先輩を手伝う機会がたくさんあり、それを通して研究とは何か、どうやって行うものなのかを直に学ぶことができたといいます。

大学院では別の研究室に進学された先生ですが、では進学と同時に研究者を目指すことを決めたかというと、そうではありませんでした。修士課程に入った時には、博士課程に行くつもりは全くなかったそうです。

とある方に「博士課程に行くことは棺桶に半分足を突っ込むこと。30までに就職できなければやめなさい」とも言われたそうです。

しかし、博士課程への進学を決め、今や研究者となった先生。「どんな相手に読まれても納得させる」論文を目指したというご自身の努力だけでなく、院生生活の中で出会った様々な人々に支えられてこそ今がある、と振り返っていらっしゃいました。


■研究をしていてよかったと思うことは?

「難しい質問ですねぇ~」と、この質問を最後にパスされた望月先生。最後に改めてうかがってみると、「新しいものを知ったり考えたりすること」という回答をいただきました。

「新しいものを考える」ということは、製品企画のためのマーケティング等、もちろん会社でもできるはずのことではあるが、研究というのは、海外や最新の動向もきちんと押さえてやるので、様々な知見を学ぶことができる、と話されていました。

そんな中で、「自分が考えたものができてきたり、上手くいったりすると、『キター!』って思う」と表現された先生。それだけ嬉しく、やりがいのある活動だということが伝わってきました。


■現在の夢や目標を教えていただけますか?

近いうちに一度留学して海外でしっかり勉強したいという気持ちがあります。東大で仕事したご縁で、スタンフォード大Pea先生や飯吉先生ほか、いろんな先生とお知り合いになれたので、ぜひうかがいたいということです。

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Eメールが発達した世の中とは言え、自分の修論を書き終えるまでは、まだまだ日本で直に相談に乗っていただきたいなぁ、と自分勝手なことを考えつつ…これからの先生の益々のご活躍をお祈りしたいと思います。

望月先生、お忙しい中、快くインタビューに応じてくださり、どうもありがとうございました!

先生の個人Webサイトはこちら:
「望月研究室」
http://www.mochi-lab.net/


[大城 明緒]

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