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「学ぶ」を学んだ一年 : 山内研での一年を振り返って(M2 押山匠)

こんにちは、タイから来た押山です。2025年10月に山内研に入ってから、ちょうど一年が経ちました。今回は「入学から一年を振り返って」をテーマに、この一年で自分の中で何が変わったのかを書いてみたいと思います。

「テクノロジー」から「学習環境」へ
私自身タイでは教育系NPO、行政、EdTech企業と立場を変えながら、教育に関わってきました。学部の卒業論文もバンコクと日本の1人1台端末政策の比較で、山内研を選んだのも「教育テクノロジーについてもっと学びたい」という思いからでした。

ところが、入学から半年ほど経った今年の春、視野がぐっと広がる経験がありました。研究室説明会のポスターづくりをお手伝いしたときのことです。ゼミ生一人ひとりの研究テーマを、学習環境の4つの領域に当てはめていく作業を担当しました。並べてみると、端末やツールそのものを扱う研究はその一部にすぎず、場のデザイン、活動の設計、人と人とのつながりなど、本当にさまざまな角度から「学びの環境」が研究されていました。イノベーションはテクノロジーの中だけにあるわけではない。そして、周りにいる人たちから学べることがこんなにもたくさんある、という事実を改めて実感した瞬間でした。加えて春学期に山内先生の授業「学習環境のイノベーション」を履修し、この枠組みを改めて学び直せたことも大きかったです。授業では各領域のベストプラクティスを通してさまざまなイノベーションの形に触れ、自分の研究を振り返りながら、そこでの学びをどう生かせるかを考える貴重な機会になりました。

ゼミは「口頭試問」ではなかった
実は入学前、「ゼミ」が何をする場なのか、具体的なイメージを持っていませんでした。タイでは、少なくとも学部の段階では、ゼミという学びの形があまり一般的ではないからです。なんとなく論文審査のように、完璧に準備して、どんな質問にもその場で答えなければならない場所を想像していました。

ですが、実際はまったく違い、毎週の文献発表でも研究発表でも、求められるのは「今すぐ正解を出すこと」ではなく、「次にどちらへ進むか」を一緒に考えることでした。質問やコメントは、自分の考えを整理し、研究を前に進めるための補助線のようなものだと個人的には感じました。研究発表後に行われる文献発表の毎回のディスカッションでは、どんな文献からも、自分の研究や自分自身に結びつく点が見つかり、教育と学びに関する視野を広げる機会でもあると感じました。

一年間問われ続けた「なぜ?」
入学時の研究テーマは、「デジタル教室における成長マインドセットの効果測定」という、生徒に焦点を当てたものでした。しかし調べるほど、先行研究がすでに豊富にあることがわかり、そして何より、「なぜ自分はこの研究をしたいのか」と自分に問うことを忘れていたことに気づきました。

この一年、ゼミや授業、研究室の先輩方やOB・OGの方々との対話の中で、何度も向き合ったのが「どんな研究をしたいのか、そしてそれはなぜか」という問いで、答え続けるうちに見えてきたのは、「教育をよくすることに貢献したい」という自分の原点でした。現場を訪れて先生方と話す中で、タイでも日本でも「教師がテクノロジーをどう使うか」が活発に議論されていて、そこが共通の大きなボトルネックになっていると感じました。

今は、日本のGIGAスクール構想とバンコクのデジタル教室で実践する先生方が、自分の教室の文脈をどう読み取り、テクノロジーの使い方を判断しているのかを比較する研究を進めています。「先行研究で何がまだやられていないか」からだけで出発するのではなく、先生の立場に立って「何があれば助かるのか」を考えることも多くなり、研究をもっと人間らしく、相手に共感しながら考えられるようになったことが、この一年でいちばん大きな変化かもしれません。

研究だけでなく、「学び方」を学ぶ
毎週の文献発表で扱う文献は、必ずしも自分の研究テーマと直接重なるものばかりではありません。それでも議論に参加していると、毎回どこかに自分と結びつく点が見つかります。研究室のメンバーや先輩、OB・OGの方々との会話も、教育現場の「課題」そのものより、「人はどう学ぶのか」という学びの本質について考えるきっかけをくれました。

振り返ると、この一年で学んだのは教育の課題についてだけではありませんでした。文献を読み、みんなと話す中で、人としてどう学ぶか、どんな大人になりたいか、自分の人生をどう歩んでいきたいか?そうした問いへの答えも、少しずつ見えてきた気がします。山内研での学びは「教育について学ぶ」ことであると同時に、「学ぶことを学ぶ」ことでもあると感じました。

ここで言う「学ぶ」は、学校での勉強のような学びだけではなく、自分自身について知ること、どう学べばよいかを知ること、時には立ち止まって自分を振り返り、人生の目標に向かってどう進んでいくかを考えること。山内研での一年は、そうした広い意味での「学び方」を、少しずつ身につけていく時間だったように思い、これからももっと自分の「学び」について考えを深めていきたいです。修士課程の残りの一年でも、ここでさらに多くのことを学べるのが楽しみです。

留学生のみなさんへ
If you are an international student thinking about YLab, let me share a little about my first year here.

I came from Thailand in October 2025, mostly interested in educational technology. If that sounds like you, you may find, as I did, that the lab's idea of "innovation" is much bigger than devices and apps. I realized this when I helped make a poster for the lab's information session and had to sort everyone's research into the four domains of learning environments: space, artifacts, activities, and community. Technology turned out to be just one piece. You'll be surrounded by people studying learning from very different angles, and you can learn a lot from each of them. If you can, take Professor Yamauchi's course on innovation in learning environments. It walks through best practices in each domain and will make you look at your own research differently.

You might also be new to seminars, or as we call them, "Zemi". They were new to me, since they're not common in Thailand, at least for undergraduates. Don't worry, it isn't a thesis defense where you must have every answer ready. I'd take it as a safe place where people help you think your way forward. Expect to hear one question many times, "What research do you want to do, and why?" Answering it over and over is what moved my topic from measuring growth mindset in digital classrooms to comparing how teachers in Japan and Bangkok read their classroom contexts when they decide how to use technology. It taught me to start from what teachers actually need, not just only from gaps in the literature.

About language, I must say that most classes I wanted to take are in Japanese, and I still hit the language barrier sometimes. My one piece of advice is not to let that stop you from wanting to learn. Once you jump in, you'll learn more than you imagined, and not only about education. For me, this year was really about learning how to learn, getting to know myself, reflecting, and finding my way toward my goals.

If educational technology or innovation in learning excites you, I can't recommend YLab enough. I'm looking forward to another year of learning here, and maybe to meeting you.

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