2006.12.27

【Book Review】『メディチ・インパクト』

ヨハンソン F (2005) メディチ・インパクト. ランダムハウス講談社, 東京.

原題は、"The Medici Effect"という本です。イタリア・ルネッサンスを支えたメディチ家は、哲学者、科学者、建築家など多様な人々をフィレンツェに集め、文化や学問の障壁を取り払うことによって、新しいアイデアに満ちあふれた文化革命を引き起こしました。本書はこのような状況を創り出すために、どのようにして「アイデアの交差点」を創り出すかについて述べている本です。目次を見ると、だいたい言わんとしている内容がわかると思います。

第一部 交差点

1章 イノベーションの生まれる場所
2章 交差点が生まれるとき

第二部 メディチ・エフェクトを生み出す

3章 垣根を取り払う
4章 連想のバリアを壊す
5章 偶発的な概念の組み合わせ
6章 偶発的な組み合わせを見つける
7章 アイデアの爆発に火をつける
8章 爆発をわがものにする

第三部 交差的アイデアを形にする

9章 失敗を乗り越えて実行せよ
10章 決してひるまず、成功へと前進する
11章 既存のネットワークから飛び出す
12章 ネットワークからの脱却
13章 リスクを引き受け、不安に打ち克つ
14章 公平な目でリスクを測る
15章 交差点に踏み込め

研究開発的なケーススタディも多く、おもしろく読めます。少し拡散気味ではありますが、創造を「さまたげない」環境を作るためのポイントは押さえてあると思います。
ワークショップの環境作りや、クリエイティブライティングなど、ヒントになるところがたくさんあると思います。

[山内 祐平]

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