2020.09.14
こんにちは、D1の井坪です。
今回も、小野寺さん、岩澤さんに引き続き、ゼミで扱っている文献とディスカッション内容について紹介したいと思います。
私が前回担当したのは、International Handbook of the Learning Sciencesの36章: Massive Open Online Courses (MOOCs) and Rich Landscapes of Learningでした。
MOOCsというのは、大規模公開オンライン講座のことで、
・何千、何万、時には何十万人が登録できるようにデザインされている
・インターネット接続があれば誰でも登録が可能
・レクチャー、フォーラム、学習者間の交流、テスト、受講証明書の発行などを含む
といった特徴が挙げられます。
ここ数年で、MOOCsのプラットフォームは増えてきており、東京大学もCourseraやedXなどのプラットフォームで、複数のコースを提供しています。
また、日本のプラットフォームのひとつであるgaccoでは、山内先生が講師のお一人となっている「アクティブで深い学びのデザイン」が開講されています。
今回の文献を受けてのディスカッション課題は、「MOOCsのような非同期型オンライン学習、Zoomのような同期型オンライン学習が普及する中で、今後対面学習のあり方はどう変わっていくのか、その価値とともに議論せよ」というものでした。
グループごとに議論した結果、
・休憩時間での会話や、図書館、先生との雑談などから生まれる、偶発的な学習の生起(リソースとの出会い等)はオフラインの方がよいのではないか
・実習やスポーツ、演劇といった身体性を伴う学びの形はオンラインだと難しい
・ビジョンを共有したり、信頼関係を築くといったコミュニティ形成は対面の方がやりやすい
といった意見が出ました。
ディスカッションの中で、対面の方がよい点というのも多く出てきましたが、一方で、マスタリー・ラーニングのように各個人のレベルやペースに合わせた学習はオンラインの方がやりやすい等、オンラインの良さというものについても話し合うことができました。
MOOCsでは、年齢、職業、レベルもバラバラな人々が、それぞれに目的を持って好きなコースを受講することができます。
そこでのほかの学習者との出会いや、学びの自由度は、従来の「学校」における対面での学びとは違った良さがあると感じます。
何事においても対面がいいと思い込むのではなく、オンラインとオフライン、それぞれの良さを理解したうえで、必要に応じてハイブリッド学習の形で組み合わせていくことが、今後重要になってくるのではないでしょうか。
【D1 井坪葉奈子】