2008.12.09

【エッセイ】住吉の長屋

安藤忠雄建築展「挑戦 -原点から」が開催されています。
(12月20日まで・ギャラリー間)
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex081003/index.htm
情報学環・福武ホールの模型も展示されていますが、この展覧会の最大のポイントは、初期(1976年)の傑作である住吉の長屋が原寸大で再現されているところです。
住吉の長屋は、縦に細長い2F建ての民家ですが、入り口と奥のスペースの間の天井がぬけており、「トイレに行くのに傘をささなければいけない家」として話題になった作品です。安藤氏の自然と共にある生活というコンセプトと、コンクリートと鉄で構成された基本コンポートネントは、最新作である情報学環・福武ホールにもそのまま継承されているといってよいでしょう。

30年前の作品にもかかわらず古めかしい感じがしません。同じコンポーネントを使いながらも建築の表情が違うのも興味深い点です。

「何を一貫させ、何を変えるのか」この問題は建築のみならず全てのクリエイティブな仕事に共通した課題なのかもしれません。

[山内 祐平]

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