2007.06.23

【受験生に薦める1冊】「社会を読みとく数理トレーニング」

松原望[著]2004『社会を読みとく数理トレーニング』東京大学出版会

人間社会のメカニズムは,なかなか複雑で一見してわかるものではありません.そして,社会にはその複雑さを読み解くための情報(思考材料)が氾濫しています.これらの思考材料を読み解くためには,統計的データの分析力や,確率などの計量的な思考方法が有益といえるでしょう.

本書は,計量的思考を習得し意思決定へと総合していく基礎力を養う事を目指した基礎演習の本です.
第1章から第3章は統計の見方と利用のしかた,第4章から第6章は意思決定と確率,第7章から第10章はゲーム理論入門,第11章から第12章は政策と決定のしくみ,第13章から第15章は計量社会科学研究にわかれています.(まえがきより)

研究を進めていく上では,計量的な思考というのはさけては通れないものです.本書は実例を用いて説明されており,数字上の計算例は出てきません.そういった意味で統計にふれたことのない方にも入門書としておすすめしたいと思います.

[寺脇由紀]

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