2022.10.01
加藤さんからのバトンをつないで、今年度の夏の合宿研究会での活動について紹介します。M1の仲沢実桜です。
合宿研究会のメインプログラムは、教育・学びの領域の哲学的ルーツとなる学者たちについてレビューすることを通して、自分たちの研究をより厚みのあるものにする「学者レビュー」ですが、夜の時間には、「キャリアに関する学習セッション」として皆で焚き火を囲みながら話を交えることもしました。
普段のゼミ活動では、それぞれの研究内容について議論していて、研究をしているその人の歩んできたキャリアについて話をする機会はなかなか無いので、貴重な時間になりました。
多くの学生が考えるだろうテーマ「修士課程で研究をした後に、就職するか博士課程に進学するか」の判断について、各々の選択を振り返って話を交えました。
当然、それぞれの選択結果やそこにいたるまでの過程はさまざまです。
● 事情や制約を鑑みて就職の判断をする
● 深く考えずに勢いで博士課程に進学する
● 自分自身が研究者に適性があるか内省し、自分の強みをつくる
……etc
話を聞いていく中で印象的だったのは、
「(人との)ご縁」の影響やそれに対する感謝を口にする人が多かったことです。
他領域の研究者との交流のなかで、相手の領域では当たり前になっていた研究助成金の申請について教えてもらったエピソードや、
山内研という環境で研究について議論できることや力を貸してくれる人がいることのありがたさが語られていました。
私も、自分がしてきた研究に関する行為・選択が、自分ひとりでしたことではなく、環境の影響や他者との関わりのなかで導いたものであることを振り返って実感しました。
この、研究という営みについての外部との相互作用の観点は、学習観が、個人的な教授パラダイムが支配的だった時代から変遷して、学習環境デザインの考え方や学習パラダイムが浸透してきたのと通じるように思います。
研究は「ひとりでやっていることではない」のだ、と、まじりあった「勇気と責任」を身に染みて感じる機会となりました。
【仲沢実桜】