2021.06.25

【研究テーマ紹介】 「日本国内における演劇ワークショップ・ファシリテーターの効果的な養成方法に関する研究」(M1 菊池 ゆみこ)

みなさまはじめまして。菊池ゆみこと申します。
今年度4月入学の修士1年で、山内研のブログでは初めて筆(?)をとらせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

さて早速ですが、私の研究テーマは
「日本国内における演劇ワークショップ・ファシリテーターの効果的な養成方法に関する研究」です。

この研究テーマに至った経緯について、自己紹介とともにお伝えしたいと思います。
しばしお付き合いいだければ幸いです。


私は東京大学の文学部で美術史を学んだのち就職しました。が、割とすぐに「やっぱり演劇をやりたいです!!会社辞めます!!」と、幼い頃からの夢だった舞台の世界に飛び込みました。

そして俳優活動を始める中で出会ったのが「演劇ワークショップ」でした。

まず演技スキル向上を目的としたものやオーディションのためのもの、はたまた上演する作品づくりのために開催される「ワークショップ」にいくつか参加しました。レッスンや本番のための稽古とはまた違う形式の場、ということは理解できましたが、「ワークショップ」とやらに参加すると単にレッスンやオーディションを受けるより楽しいし、知り合いが増えるな、くらいの印象でした。
しかしある時何気なく「普段演劇をやっていない人のためのワークショップ」に参加してみたところ、今まで参加したワークショップとは異なる雰囲気・体験に目から鱗がポロポロと落ちるような感覚があり、いつしかそれは「演劇ワークショップってなんだろう」「演劇ワークショップってどう作られているんだろう」という興味に変わっていきました。
折しも俳優として活動する中で、演劇を使ってもっと社会と繋がれないだろうか、という思いも抱いていたところでしたので、その興味はさらに「自分が演劇ワークショップをやる側になる」という道に続いていきました。

ちょうどその時期(2010年くらい)から、子どもたちのコミュニケーション能力向上が叫ばれ、その手段として演劇が注目されだしました。そして小中学校、高校などに演出家や俳優などの演劇の実践家が派遣され、演劇ワークショップを行う機会が増えていきました。
こうした機縁も重なり、私は今日まで演劇ワークショップをやる側=演劇ワークショップ・ファシリテーターとして10年近く仕事をしております。

そして近年は後進を育てるお仕事もいただくようにもなりました。ですが……これが想像以上に難しく、ファシリテーター育成の場に立つ度、以下のような疑問が湧いてくるのです。

そもそも、演劇ワークショップとは何なのでしょう?良い/悪い演劇ワークショップとは?
優れた演劇ワークショップ・ファシリテーターとはどんな人なのでしょう?
または何ができる人のことを言うのでしょうか?
そして、演劇ワークショップ・ファシリテーターはどうしたら育つのでしょうか??

……これは実践だけでは解き明かせない!!!という思いから、山内研究室のドアをノックし、「日本国内における演劇ワークショップ・ファシリテーターの効果的な養成方法に関する研究」とテーマを立てるに至っています。


現在は先行研究のレビューをしながら、この先何を明らかにしていくべきなのか考えている日々です。
必死で悩ましくもありますが、社会人となってからこうしてまた思い切り学べること、教育にまつわる様々な研究をしている方に囲まれた環境にいられることがとても楽しいです。

今までの実践を背景にしながらも決してそれに引きずられることなく、柔軟に泥臭く研究していきたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました!

【菊池ゆみこ】

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