2019.04.22

【研究計画】外国語としての英語でのコミュニケーションが促進される学習環境デザイン(M2 井坪葉奈子)

こんにちは!
今回のブログは、M2の井坪が担当します。
谷口さんと同じく、M1で書いた研究計画から少し変わってきたところもあるので、今回は現時点での計画に関して、少しお話しできればと思います。

M1の時点では、実践的な外国語教育が必要となってきている背景を踏まえ、外国語学習者の不安を軽減するCSCL(Computer Supported Collaborative Learning:コンピュータに支援された協調学習)プログラムの開発と評価を計画していました。

現在の計画では、背景から少し見直してあります。

【背景】
海外に出て行く日本人の数や、日本国内でも外国人労働者と呼ばれる人の数が増えていく中で(法務省 2018、厚生労働省 2019)、外国語でのコミュニケーション能力は、一部の職業人間が必要としているだけでなく、生涯にわたり様々な場面で必要となってきました(文部科学省 2017)。
本研究では、外国語の中でも今の日本で一般的になっており、外国語全般への入り口と捉えられる英語に着目します。

【先行研究】
他者とのインタラクションを行うことで外国語の習得が促されるという仮説は1980年代からあったものの(Long 1983, 1996)、学習者の中には、他者との相互交流であるコミュニカティブな活動を避ける傾向がある者もいます(小林 2006)。
そこで本研究では、Willingness to Communicate=「第二言語を用いて、特定の状況で特定の人や人々との会話に参加する意思」(MacIntyre et al. 1998)という概念に着目し、学習環境デザインを通して、その意思を高めることを目指します。

どうやったらWTC(特に、状況に依存するstate WTC)を高めることが出来るのか、そのデザインに関してはまだ検討中ですが、具体的には、留学生との交流において、中高生といった初級レベルの学習者がより活発に会話に参加するには、どのような学習環境が効果的なのかについて、考えたいと思っております。

最後になりますが、上述したような研究にご関心のある方々や、実践にご興味を持っていただける中学校・高校の先生方がいらっしゃいましたら、こちらまでご連絡いただけますと幸いです。

【参考文献】
・厚生労働省.(2019).「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成30年10月末現在)」. アクセス日2019年3月27日.
・法務省.(2018).「平成30年版出入国管理」. アクセス日2019年1月16日.
・文部科学省.(2017).「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編」. アクセス日2019年1月16日.
・Long, G. L., & Winefordner, J. D. (1983). Limit of detection. A closer look at the IUPAC definition. Analytical chemistry, 55(7), 712A-724A.
・Long, Michael. "The role of the linguistic environment in second language acquisition." Handbook of second language acquisition (1996).
・MacIntyre P.D., Dörnyei Z., Clement R., & Noels K.A. (1998). Conceptualizing Willingness to Communicate in a L2: A Situational Model of L2 Confidence and Affiliation. The Modern Language Journal, Vol.88, Issue 4, pp. 545-562.

【井坪葉奈子】

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