2017.07.23

【印象に残っている本の一節】星の王子さま(M2 林怡廷)

こんにちは。M2の林怡廷です。
暑い日が続いていますね。花火大会の季節が来ましたが、みなさんはどこの花火大会に行きますか?
さて、今回のブログテーマは、【印象に残っている本の一節】になります。

■私が選んだ本と一節

私が選んだのは、1943年4月6日に出版されたフランスの作家・アントワーヌ・サン=テグジュペリの小説「星の王子さま(Le Petit Prince)」です。 言うまでもなく、「星の王子さま」は世界中から愛されている名作で、今までは250以上の言語に訳されてきたそうです。私自身も星の王子さまが大好きで、いろんな言語の星の王子さまの本を集めています。ちなみに現在は台湾華語版、英語版、フランス語版、日本語版を持っています(笑)

この本の中では、心に沁みるの名言がたくさんあります。

「おとなって、はじめはみんな子どもだったのだから。(でもそれを忘れずにいる人は、ほとんどいない。)」

「ものごとはね、心でみなくてはよくみえない。大切なことは、目に見えない。」

印象に残った節がたくさんありましたが、一番胸に響いたのはこの節でした。

「きみはまだ、ぼくにとっては、ほかの十万の男の子となにも変わらない男の子だ。だからぼくは、別にきみがいなくてもいい。きみも、別にぼくがいなくてもいい。きみにとってもぼくは、ほかの十万のキツネとなんの変わりもない。でも、もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる。きみはぼくにとって、世界にひとりだけの人になる。ぼくもきみにとって、世界で一匹だけのキツネになる......」
(サン=テグジュペリ「星の王子さま」新潮文庫 河野万里子訳)

キツネと仲良く遊びたい王子さまに対して、キツネはなついていないからできないと言いました。 なつくってどういうこと?と王子さまは聞きました。 するとキツネが「『絆を結ぶ』ということ」と答えました。なつかせることで、王子さまはキツネにとって特別な男の子になり、キツネも、王子さまにとって唯一のキツネになるのです。

■なぜ印象に残っているのか

この一節が印象に残っているのには、自分自身の経験と強く結びついています。なつかせたりはしないですが、人とのつながりをいつも大切にしています。

人と人のつながりはどういうことでしょうか?人間はいつでも、「意味付け」をしていると思っています。 子どもの頃から、私たちの周りには様々な人間関係が存在しています。それは、人々が互いに意味付けているからです。そうすることで、同級生、知り合い、友達、親友、恋人......もともと関わりのない人は、付き合う中で意味付けをすることで、自分にとって大切な存在になってきます。また自分も、異なる人にとって異なる存在になります。お母さんにとってはただひとりの娘であり、先生にとっては数多くの生徒の中のひとりであり、同期にとっては一緒に戦う仲間であり......。

絆を結ぶ、つまり、意味付けをすることで、人間関係が成り立つのです。そしてその絆は、時の移り変わりと共に変化していきます。強くなったり、弱くなったり、新しくできたり、消えたりします。そのような変化の中で、私たちは成長し、おとなになるだろう。

もちろん、人に対するだけではなく、物に対しても意味付けをします。意味付けをせずにものごとを理解するのは不可能です。そうすることで、自分なりの世界を構成していくのです。ただし、それぞれの環境が異なるから、この世界を違うふうに解釈するだろう。

■まとめ

この本は、何年前かはじめて読みました。今回はブログを書くために読み直しましたが、また目がうるんできてしまいました。

本の中の王様、実業家、点灯人など、様々な職業の人がいるように、みんなにとって人生の意味が違います。時々は、意味を見失ってしまいます。訳者によると、作者の分身だと考えることができるし、パイロットも作者の分身であるはずですから、星の王子さまは、作者と子どもだったころの自分との対話かもしれないです。王子さまが言ったように、人間は特急列車を乗っているのに、なにを探しているかわからないのがとても悲しいことです。そうならないため、時々初心を振り返って自分と対話するのが大事でしょう。

自分は何のために国を離れ、日本に来たのか?何のために大学院に進学したのか?叶えたい夢は何か?ちゃんと自分の目標に向かって努力しているのか?これからも、自分にとって大切な人と大切なことを忘れずに前に進みたいと思います。

今回もご覧頂きありがとうございました。

【M2 林怡廷】

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