2017.07.03

【研究計画】中学生の作文活動を題材とした自己調整学習支援システムの開発(M1 宮川 輝)

はじめまして。山内研M1の宮川です。
この4月に大学院生となってから3ヶ月が経過しました。
ようやくいろいろなことが落ち着き、研究に集中できる状態になりつつあります。

突然ですが、皆さまには「計画性」はありますか?
たとえば試験勉強やレポートなどの課題に対して「ついつい先延ばしをしてしまう」というのは多かれ少なかれ経験のあることだと思います。
そして私自身、人に比べて計画性がないと感じることが多くあります。

計画的に物事をこなせる人とこなせない人の違いは何なのか、そもそもどうして計画的にこなしていくことは困難なのか。
そのような素朴な疑問に対して、教育心理学における「自己調整学習」という分野の研究が対応していると知り、修論のテーマとして取り扱いたいと考えました。

以下が現状の研究計画です。

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テーマ
 中学生の作文活動を題材とした自己調整学習支援システムの開発

社会的背景
 文部科学省による2017年3月の学習指導要領の改訂にあたっては「主体的・対話的で深い学び」という観点が重視されているように、教育における主体的・自律的な学習といった考え方は、今後より広く一般的に認知されていくことが予測される。

先行研究
 学習の主体性に関する理論として、教育心理学における「自己調整学習理論」が挙げられる。その代表的な定義の一つは「学習者が自分の学習の目標を設定し、その目標に役立つように自分の認知、動機付け、行動をモニターし、制御し、コントロールして、個人的な特徴と環境の文脈的な特徴の両者によってガイドされ制約される、能動的で構成的なプロセス」(Pintrich, 2006) というものである。
 自己調整学習を支援するシステム開発の試みはすでに多く行われており、一定の成果を上げている。それらの研究は高校生以上を対象としているものがほとんどであるが、一方でStoeger(2011)は小学生への宿題遂行のトレーニングによる自己調整学習スキルの獲得を報告しており、従来より年齢の低い学習者における主体的な学習スキルの獲得可能性も示唆されている。

研究方法
 中学生を対象として、自己調整学習スキルが求められるような課題を実施する。支援システムを使用する実験群とシステムを使用しない統制群を設け、得点の比較による量的な検討と質問紙への回答による質的な検討の両側面からシステムを評価する。

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自己調整学習における最新の知見に追いつくため、先行研究のレビューを進めている状態です。もしも近い興味をお持ちの方がいればぜひお話をしてみたく思います。
どうぞよろしくお願いします。

【宮川 輝】

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