2017.04.01

【山内研 今年度のまとめ】初心忘るべからず(M2青木)

大学院生活を振り返るというお題で、しかもこのブログを書くのも最後かと思うと、何か良いものを書かないと、、と思いあぐねてなかなか筆が進まず、だいぶ更新が遅くなってしまいました。(メンバーの皆さん本当に本当にごめんなさい。いつも迷惑ばかりかけています。。)

一度、ちょっと凝ったタイトルで8割書いたのですが、何かしっくりこず、全部を消去して、もう一度ゆっくり深呼吸をして研究生活を振り返ってみて書いてみると、「初心忘るべからず」という案外普通のタイトルになってしまいました。改めて、ことわざってすごいなとしみじみ感じています(笑)。


◆研究は人間らしい営み
ここに入った当初は、「研究」のことは何も知らず、全てが新しくて、ワクワクと不安に押しつぶされそうな毎日でした。

先行研究を読むということ、それをまとめるということ、そして、自分の研究をそれに位置付け、研究手法を学び、研究対象について考えぬく、、、ということ。そして、どんな研究が良いのか、どのような手法を取るべきなのかというようなことは、全てゼミやファシリテーターの方と相談しながら、議論しながら決めていく。そこにわかりやすい基準などない。全て、考え続ける必要があることばかりでした。

そんな営みの中にあって、研究ってとても人間らしい営みだなあ、と思いました。この表現が正しいのかはわかりませんが、それは、とても難しくて苦しくて、全然できるようになった気はしないけれど、新しいことを考え作っているという喜びは、とても人間らしいと感じました。

これからの時代に求められる他の多くの仕事でも、手続きは違えど、研究と同じように何かしらの価値を創造し提供していかなければなりません。その基礎となるものが鍛えられたような気がします(多分)。
研究の新しさ、面白さ、独自性はなんだろう?誰の役に立つのだろう?どのように整理すれば伝わるのだろう?、、、そんなふうに自分の生み出そうとしているものに問いかける姿勢は、すべてのことに通じる姿勢だと感じます。


◆豊かな時間
そんなふうに考える時間、そしてたくさんの方々とお話し、議論できた時間は、人生においてとてつもなく豊かな時間だったと思います。
考えてみれば、私はずっと、こんな話ができる仲間、そして時間を求めていたように思います。
大学時代は入りたかった大学にも入れず、入りたかったゼミにも入れなくて、あまり大学には行かずに、
アルバイトやボランティアをしたり、一人で本を読んだりしながら悶々と考えている時間を過ごしていました。
こんな研究がしたい!こんなことを考えている!と自分の考えていることを、実現できる環境が欲しかったんだろうと思います。そんな環境が、この大学院時代にはありました。
改めて、山内先生、助教の方々、そしてメンバーに感謝、感謝、という感じです。


◆「研究する自分」との出会いとこれから
大学院に入って、初めて「研究する自分」に出会いました。新しい自分でした。
これから私は、創業者として関わっているNPO法人PIECESというところで働くことになりました。
これからは、どんな自分に出会えるのだろうか。と考えるととてもワクワクしています。

NPOでは、実践がメインになります。場を毎日のように作り、考え、改善していく。そして、それを外の人に伝えていく。そんな活動をしていきます。
研究とは、少し違う頭の使い方をして行かなければならないなあと感じています。
山内先生が以前、「研究的実践者と実践的研究者がいる」とおっしゃっていました。自分の軸足はこれから実践になっていきますが、教育という実践が対象となっている研究では、実践と研究は明確な境界線があるわけではなく、連なり、お互いに影響を及ぼしあうある種の運命共同体のようなものなのかもしれないと思います。(そしてそうであるべきなのだろう、とも)

もともと私は小学生の頃から、社会(特に教育)をよりよくする仕事に就きたいと思っていました。好きなテレビ番組はニュース番組やジャーナリズム系の番組や本が好き、そんな小学生でした。
そのためにどんな仕事につけば良いのか、ということに関して、ずっと悩んできた人生だったように思います。それは今も変わりません。

研究にせよ、NPOにせよ、そのほかの仕事にせよ、どんな形であれ、教育を通して社会について考えていける仕事にこれからも関わっていけたらいいなあと思います。

研究の淵に漂ったこの3年間はとても充実し、楽しかった、それだけは間違いないなと思います。
そして、本当に多くの方々と、ここに来たから出会うことができたし、豊かな時間を一緒にできました。
その喜びを忘れず、研究頑張ろうと思った初心を忘れず、そして、小さい頃からの思いも忘れず、
これからも、楽しく、精一杯、そして時に休み、ぼーっっとしながら頑張っていきたいと思います。
引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

青木

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