2017.03.31

【山内研 今年度のまとめ】業務と研究と(家庭と)のワーク・スタディ(・ライフ)バランス

今回のYlabブログは、D3佐藤が担当します。

冒頭から恐縮ですが、昨年度はただただ現職の業務に追われ、博論への時間を十分に取れなかったことを反省しております。

昨今良く聞く「日本の研究者の研究状況は芳しくなく・・・」の状態で、現職のような地方の私大になると特に学生への指導も群を抜いて手厚いのではないかと推察しており、研究時間を確保するのが困難な状況にあります。

そんな中、私は教務に関わる「長」を担ってしまい、赴任間もなく右も左も分からことも加え、膨大な時間を費やすことになってしまいました。

ただ、振り返ってみると、「研究の時間を取られ、本当に無駄だった!!」とも言い切れず、浅はかかもしれませんが、貴重な体験だと思ってしまうのです・・・

■業務の振返り
教務ではいろんな学生の問題に付き合うことになります。貪欲に、熱望し、進学し、勉学している人が多々いる自身の学生の立場とは異なり、大金を払って大学に来て、それでいて上手く学べない人がこんなにもいるのか・・・と当初は衝撃でした。

「最近の若者は」と一括りにできず、一人ひとり事情やつまづきポイントが違っています。サボり心だけでなく、友達とのいざこざ、病気や怪我、就活でのちょっとした事件を、上手く乗り切れる子とそうでない子がいます。保護者との面談やご家庭との電話を重ねるうちに、学生の問題が、学生個人の問題ではないことを実感することが多々ありました。

つまり、いろんな出来事を乗り越えて糧にできるかどうかは、個人の資質だけではないのでは?ということです。もちろん、保護者が悪いと言ってるのではありません。保護者の置かれている環境、家族構成、兄弟構成、いろいろな要素が混ざり合い、当の学生の「学びに向かう気持ち」に影響しているという仕組みを垣間見た気がしました。

先週の卒業式では、辛い体験を乗り越え、無事卒業できた学生を見送りながら、長きに渡り背後で支えたご家族の顔が思い出されました。

■博論の振返り
そして・・・
めぐりめぐって考えてみると、幼少期からの対話(親だけでなく保育者や祖父母など身近な大人達)の中で、いろんな出来事を語り合い、意味づけ合う行為の重要性を痛感するのでした。

私の博論のテーマはナラティブスキルの習得で、効果の測れる「スキル」の言及に留まっておりますが、ナラティブの行為そのものが、子育ての中でもっともっと着目され、大切にされるべきだと感じました。

幼い頃から、良いことや悪いことを含めた出来事を丁寧に解釈していくこと、様々なエピソードを自分なりの物語として蓄積していくこと、そのことが将来何かを成し遂げたいという気持ちや障害を乗り越えようとする原動力につながるのでは?

誰かと対話を重ねる関係性を築いている人は、大変なことが起きたときに、たとえ時間がかかったとしても、少しずつ前に進んでいけるのでは?

と考えた次第です。

(■家庭の振返り)
余談ですが・・・
仕事や研究から、さらに優先順位が下がってしまった息子との対話時間も確保せねばと反省もしています。

■今後に向けて
現職の「長」は後一年継続なのですが、自身の博論のテーマの素晴らしさ(自画自賛?)に気づいた今、何が何でも博論を仕上げたいと思います!

佐藤朝美

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