2016.03.21

【本年度を振り返って】研究の難しさに直面して

皆さま、こんにちは。M1の長野です。
最近少しずつ暖かくなってきて、春の訪れを感じますね!先輩方の卒業式を24日に控えた寂しさと自分がM2になることに対する不安を日々感じて生きています。今回のブログのテーマは「本年度を振り返って」ということで、この1年間のまとめをしたいと思います。

最初に赤門をくぐったとき、私にとって研究の世界というのは完全に未知なる世界でした。学部生のときに本腰を入れて研究をしてこなかったせいで、研究とは何をすることなのかも分からないまま入学し、私の院生生活が始まりました。そこで私が最初にぶち当たった壁は「研究は経験では語れない」ということでした。入学当初、学問的なバックグラウンドのなかった私の強みになるものは4年間続けてきた塾講師の経験だけで、何を話すときにも経験からしか話せませんでした。しかし、それは研究の世界では通用しません。自分の研究を他の研究の中に位置づけ、そこから語れるようにならなければなりませんでした。私にとってこの1年は、研究発表でイタいところを突かれるたびに自分の知識不足、考えの浅薄さを痛感してはまた研究に戻る、この繰り返しだったと思います。まだまだ思うようにはいかないことばかりですが、修士生活が終わるまでに日本の誰よりも不登校の研究に精通していたいなと思いながら、これからも1つ1つの研究に丁寧に向き合っていきたいと思っています。

少し話題を変え、内面的な話をしますと、大学院生としての生活は正直つらいことが多かったです。塾講師として働いてみて、不登校の子どもたちの学習をサポートすることが大事だと思って研究を始めたのに、「なんで心の支援じゃないの?」、「不登校の子にとって学習って本当に必要なの?」と悲しくなるほどに言われ続けました。私は心の支援はもちろん大切だと思っていますし、学ぶことを強制しているわけでもありません。ただ、子どもには学ぶ権利があって、学びたいと思った時に学べる環境があるといいなと思うだけです。私の中では答えは出ているんです。でも、どこにいってもその言葉を投げかけられ、何度も自分がやろうとしていることに自信がなくなりました。
ただ、そんな私を支えてくれたのは、「人」の存在でした。私はこの1年間幾度と無く大阪に帰り、そこで研究のきっかけをつくってくれた元生徒に会いました。イキイキとしたその子と話をしているうちに自然とやる気が出て、「まだまだ頑張らないと」と思わせてくれました。また、この1年でかけがえのない新たな出会いにも恵まれました。それは2月に多様な学び実践研究フォーラム(http://aejapan.org/2016/)に参加したときのこと。私はそこで多くの不登校の子どもを持つ保護者の方と実際にフリースクールに通う子どもたちに出会いました。そのときに頂いたのは「長野さんがこの研究をしてくれて、本当に嬉しい。」という言葉でした。私の研究に理解を示してくれる保護者の方、私の研究を必要だと言ってくれる子どもたちがたくさんいて、その方たちと出会えたことは私にとって、本当に大きな支えとなりました。

1年間はあっという間で、もうすぐ修士生活も2年目になります。授業もなくなるので研究に打ち込める時間が圧倒的に増えますが、生活をしっかり管理していかないと何も達成できずに終わってしまうんだろうとも思います。1年後に「こうしておけばよかった」という後悔をしないように、やりきったと思える研究をするために、毎日を精一杯過ごしていこうと思っています。

皆さま、1年間ありがとうございました!
次の担当は原田くんです!

p.s.
3月18日(金)に今年度私が関わってきたモバイル教材『動物と自然とわたしをつなぐ どうぶつ大冒険』(http://www.d-bouken.jp/)がリリースされました!小学生のお子さんをお持ちの方、ぜひ動物園に行かれる際にはご利用ください!

【長野香織】

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