2015.12.16

【私の20%の過ごし方】学びの場の創出を目指して

こんにちは。M1の長野です。
12月も中旬になり、だんだんと寒くなってきましたね...一人暮らしなので洗濯物や洗い物がつらい(手が大荒れする)季節ですね。研究室も修論提出間際の大事な時期なので、加湿器がフル稼働してくれています。先輩方が大病なく修論を書き終えられますように!

さてさて、今回のブログのテーマは『私の20%の使い方』。研究以外の20%を何に使っているのか、またそれがどう私の一部になっているのかを紹介しようというお話です。
他の方がオンライン学習や勉強会という過ごし方を紹介している中、私はというと...
実はこの半年間で、8回ほど動物園に行きました。北海道の旭山動物園、横浜のズーラシア、千葉にある千葉市動物公園、そして東大のすぐ近くにある上野動物園...今では写真を見ればどの動物園かわかるようになりました。ちなみに、下の写真は横浜動物園ズーラシアで撮ったホッキョクグマの水中からの写真です。(お気に入りです)
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■プロジェクトに力を入れた半年間
私は7月頃からあるプロジェクトに関わらせてもらっています。
それは、『どうぶつ大冒険』というウェブ教材の開発プロジェクトです。

皆さんは小さいころ、動物園に行ったことはありますか?
動物園に行って、動物を見て、何と言いますか?「かわいい!」「大きい(小さい)!」とひたすら言っていませんか?(ちなみに私はそれしか言っていなかったと思います)

でも動物園は「かわいい」「大きい(小さい)」だけの場所ではないのです。
本当は、動物の進化や生物多様性、自然保護の問題など、多くの学びが隠れている場所なのです。

それをもっと動物園に来た多くの人に知ってほしい。
そんな思いの中で始まったこのプロジェクトでは、小学生の親子を対象にして、楽しみながら学べるウェブ教材を開発しようとするプロジェクトです。具体的には、動物園で動物を観察しながらミッションを進め、その後自宅に帰ってから学びをより深めていく、という流れになっています。

■簡単そうで、難しい
私はそのプロジェクトの中で、クイズのシナリオ制作や動物園での取材・撮影などを担当しています。最初は「子どもが楽しめるクイズを作るだけだ!」と思っていた私ですが、それが案外難しいことであると知ったのは、実際に作り始めてからでした。

まず最初に難しさを感じたのは、会話が起きる仕組みを作ること
つい先週、ゼミの輪読でmCSCL(Mobile Computer-Supported Collaborative Learning:モバイルデバイスを使った協調学習の支援)の章を読みましたが、モバイルデバイスを通して協調的に学べるように設計するということが実は難しいことなのだと、このプロジェクトに関わることで気付きました。確かに、スマホやiPadを使うことで、学習のきっかけにはなるのかもしれません。しかし、それだけでは『会話』(協調学習的に言うと『社会的相互作用』)が起きません。動物園のプロジェクトでは、親子の会話を促すことが目的なので、私がシナリオを作るときには、できる限りその場面を想像しながら作るようにしています。ただ、これに関してはまだまだ改善の余地あり、といったところです。

2つ目の難しさは、動物園という場を最大限に活用できるようにすること
それは、どれだけ凝ったシナリオを作ったとしても、動物園で動物を見なければそこにいる意味がないということです。スマホやiPadがあれば、場所や時間に縛られないため、学習の可能性は広がります。しかし、それは一歩間違えると展示物そのものを見ずに、スマホばかりを見てしまうことにもつながりかねません。動物園のプロジェクトでも、最初は深い思考を促すために、子どもたちに考えさせる問題を動物園でのミッションの中に入れていましたが、実際に使ってもらうと、動物がせっかく前にいるのに手元のスマホばかりを見て考えている、という場面が起こったことがありました。そこから私たちは、動物園ではちゃんと動物を観察しないと分からないクイズにしようという大きな方向転換をしました。あくまでもスマホやiPadは学習を手助けするもの、ということですね。


他にも「どうすれば動物園から帰ってもこのウェブ教材を開いてくれるのか」、「1つのストーリーとして考えてもらうためには、どう動物園と自宅をつなげば良いのか」など、難しいと感じることは山ほどあります。良い教材を作っていくためには追求していかないといけないことがたくさんありますね。うーん、むずかしい。

以上、私が関わらせてもらっているプロジェクトについてお話してきました。
このプロジェクト自体は私のメインの研究ではありませんが、私自身ウェブ教材の開発も視野に入れて研究をしていることもあり、実際の教材開発の流れを身を持って知ることができたことはとてもありがたい機会だったと思っています。やはり新しい学びの場をつくることは大変なことですね...仕事として本格的なプロジェクトに携わることもこれが初めてなので、日々勉強させてもらっています!

とりあえず、このウェブ教材のリリースまであと2ヶ月ほどなので、私にできることを全力でしたいと思います!詳細はまた後ほど公開されると思いますので、お楽しみに...!!

それでは今回はこの辺りで!次の担当は原田くんです!
どんなお話が聞けるのでしょうか〜?
よろしくお願いします!


【長野香織】

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