2015.10.08
皆さま、こんにちは!
今週の【学びのアルバムを開いて】は、D3の佐藤が担当します。
社会人入学の私は「学びのアルバム」が分厚過ぎて子ども時代まで辿りつかず(汗)...本日は新卒で入社した企業での新人研修について紹介させて頂きます。
私が就職したのはバブル崩壊後、就職氷河期が始まった年でした。けれど、まだ企業自体に体力があったのだと思います。就職先のシステム会社は、文系出身でもしっかり働けるSEとして育てるべく、手厚い新人研修で迎えてくれたのでした。
研修期間は6か月。これまでの経験スキルを問わず、新人全員が研修センターで専門学校生のような生活を送りました。1クラス約30人。就業時間が全て研修です。しかも給料をもらいながら・・・古き良き時代でした。
当時だからこそ可能だったな内容かもしれませんが、魅力を感じた効果をポイントごとに紹介したいともいます。
【現役の講師効果】
クラスに担任が3名つきましたがなんと現役社員!重要ミッションを果たすべく、第一線の優秀な方が配置されたそうです。この3名の他、テーマ毎にいろんな社員が入れ替わりで教えてくれたのでした。会社総動員で新人を育ててくれる意志が伝わり、現場の声による授業は力強いものでした。
【生の教材効果】
市販の教材ではなく、現場で必要とされる内容を網羅する形でテキストが社員により作成されていました。部門ごとに得意な分野を担当して作成してくれたようでした。現場で先輩自身が必要と考えるスキルを自分たちの言葉で講義してくれる、日々臨場感のある講義でした。
【友だち効果】
30人近くの同期が朝から晩まで半年も一緒に勉強をする環境もありがたいものでした。私は自他ともに認める一番の落ちこぼれでしたが、理系出身の誰かしらがフォローを買ってくれました。その代わり役立てる部分を探す・・・何度もPBLでタスクを行う体験をしましたが、技術スキルだけでなく、チームとして働くスキル・楽しさを学びました。
【全人教育効果】
技術的知識伝達だけでも盛り沢山の研修でしたが、芸術的な素養も身に付けてほしいとの社長の願いもあったようです。俳句や美術鑑賞、マナーやリラクゼーションのような授業がちりばめられていました。
【イベント効果】
半年の研修の中には沢山のイベントがありました。10日間の合宿は自衛隊研修を参考にしたと噂のハードな内容でした。ディベート大会やステージでの出し物では歌って踊らされて・・・苦楽恥をともにする事で同期との関係性が構築され、共に働いていくことに対するポジティブな意識につながりました。
怒涛の毎日でしたが脱落者が出ず、半年後には、文系出身者全員が情報処理技術者(当時は第二種)の資格免許を取得するに至ったのでした。
おそらく終日知識詰め込み型の研修では、短期にあそこまで吸収できなかったように思います。現役の先輩達の生きた知識と一見関係無いようにみえる多種多様な経験がちりばめられた贅沢な構成がポイントだったと考えます。
さらにこの研修、文系学生が技術を学ぶ際のヒントが満載です。実践イメージにつなげながら知識伝授すること、スキルで実現できること実感させること、時には学生同士の教え合いも効果的であること、チームでつくり上げる楽しさを味合わせること・・・等々でしょうか・・・。
現在、自身が文系学生に技術を教える側になったわけですが、研修を思い出し、効果の要因を紐解きながら、伝授していきたいと思います。
次週からテーマが新しくなると思います!
どうぞお楽しみに♪
【佐藤朝美】