2015.06.04
みなさまこんにちは!
今週の【今年度の研究計画】、今年から再入学を果たしたD3佐藤(朝)が担当いたします。
4月から再び学生生活がスタートし、新たなゼミメンバーとも少しずつ仲良くなれ、ワクワク楽しい気分もありつつ、あっという間の2か月です。が、本職の大学業務も含め、山積みのタスクに追われ、まさに体力勝負の日々を送ってます(^^;;
■テーマ■
三項関係に着目した幼児の物語行為を支援する学習環境デザインに関する研究
私の研究テーマは、「話す力」に着目するところからはじまりました。
M1当時、小学校入学直後に息子が激突した「言葉の壁」[*]、私自身が10年ぶりに学び直しで修士課程に入って体験した学習観のギャップ[**]等々、親子ともに「話す」ということが課題になっていたからです。
[*]幼稚園での「身近な人との気持ちの共有を大切にするやり取り」から、小学校での「1対多で他者へ考えを伝える」という状況へと変化し、幼小の隔たりは大きいと言われています。
[**]黙って教員の話を聞けば良かった私がこれまで受けてきた教育から一変、語らなければ始まらないという文化に衝撃を受けました・・・
そんなこんなで修士から博士課程にかけて2つの研究を行いました。
■「幼児の物語行為を支援するソフトウェアの開発」
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006792153/
■「幼児のNarrative Skill 習得を促す親の語りの引き出しの向上を支援するシステムの開発.」
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007520570/
今年度は、この2つの論文をまとめ、「博士論文」として仕上げることが目標です。
ゼミでは博士論文を「合体ロボ」のメタファーで説明することがあります。
研究1と2をどのように合体させていくか・・・合体させるために、現在私には2つの課題が立ちはだかっています。
まず1つ目は、博士研究で取り扱う発達支援が、社会・文化・歴史的アプローチの文脈でどのように位置づくのか?もう1つは、親子支援が主に母子支援となっていることについて、ジェンダーの観点からどのように説明がつくのか?についてです。
幼児教育での言葉の取り扱い、さらには言葉の発達に対する親や教員の意識には文化差があります。そこで日本で発達支援を行う私の博士研究が、他国の発達支援研究の中でどのように位置づくのかについて検討しています。
また、先行研究で当然のように扱われていた「親子=母子」を引き継いだ私の研究において、ジェンダーの視点からはどのように認識すべきなのか、その解釈を述べようとしています。
どちらもとても大きな課題で、右往左往、暗中模索、五里霧中な感じで取り組んでいます。
特に研究室の先輩が仰っていたことですが、業務の合間に思考を研究モードに切り替えるのが本当に難しく、いや元来浅はかということもあるのですが、深く考えるためにも山に籠りたい衝動に駆られてます。
「合体ロボ」は、無理やりつなげも動かなければ意味が無いとも言われてます。
けれど、うまく動けば単体より最強ですよね・・・今年度は、指導教官・助教の方々・ゼミメンバーの力を借りて、少しでも強いロボになるよう粛々と取り組んでいきたいと思います。
【佐藤朝美】