2015.05.10
みなさま、こんにちは。
M2の松山です。
雨がとても苦手なので、梅雨の到来が憂鬱でならない今日このごろです。
しかし外に出るといろいろな発見があり、研究の刺激にもなるので、できるだけ引きこもらないように頑張りたいと思います。
さて、年度始めのブログは恒例の「今年度の研究計画」ですね。
現時点での研究計画を紹介させていただきます。
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■背景
文部科学省(2014)によると、算数から数学へ学習内容が移る際に、数学学習に対する意識がネガティブになりやすい。 特に、変数に対して苦手意識を感じる生徒が多い(太田 2008)。 Papert(1980)も、変数の概念が子どもの生活環境において個人 的に関連のある事柄として受け入れづらいことを指摘している。
Pepert は、人が何かをつくる過程で知識や概念を主体的に学ぶという、 コンストラクショニスム(構築主義)という学習観を提唱した。
近年のものづくり教育(プログラミングやデザイン活動を通した学習) は、アルゴリズム思考や論理的思考を身につけることを目的としたものが多いが、算数・数学学習と統合した場合の学習効果も認められている(Harel 1991 など)。
■先行研究
デザイン活動を通じた算数・数学の学習を支援した研究に、DigiQuit(Lamberty2008)、curlybot(Frei 2000)、LED Display Kit(Chun 2010)などがある。これらは、数学を使ったり数学について考えたりしなくともデザイン活動を行うことができるため、数学を扱うこと、学ぶことの意義を必ずしも感じられるとは言えない。
また、変数・文字式への移行を支援した研究も多くある(太田 2008 など)。それらの研究は理解を重視した授業改善であり、有用感や意識向上の支援はなされていない。
■目的
小学校高学年を対象に、創作活動を通して、変数を扱うこと・学ぶことへの意欲の向上を支援する教材を開発し、実践を通してその効果を評価する。
■研究方法
複数の変数の関係を記述することで、児童が自分なりの成果物をつくることのできるツール教材を開発する。
小学4年〜6年生を対象にワークショップを実施し評価を行う。
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最近は都内の小学校を訪問して授業に参加させていただいたり、人気のおもちゃの面白さについて自分なりに分析したりして、ツールの内容を少しでも良いものにできるよう模索しています。
同時にロジックを組み直したりレビューの足りない部分を補ったりしなければならないので、かなりハードではありますが、ここが頑張りどころだと感じています。
自分のできなさを痛感してつらいこともありますが、負けずにやり抜きたいと思っています。
今年度もよろしくお願いいたします。
【松山彩香】