2014.03.14

【1年間をふりかえって】驥は一日にして千里なるも、駑馬も十駕すれば之に及ぶ

みなさま、こんにちは。
M1の中村絵里です。


本日から10日後、モンゴルへ旅立ちます。

研究のフィールドがモンゴルに決まり、まずは本実践に向けた事前調査のために訪問することになりました。

昨年4月の時点では、実践先がモンゴルになるとは夢にも思っていませんでした。いえ、それどころか、今年1月の時点でも、フィールドがどこになるのかは全く予測不能でした。それが、実践先が決まってからは、その地がずいぶん前からフィールドとして予定されていたかのように、私の中にすんなりと「モンゴル」が浸み込んでいきましたので、不思議としか言いようがありません。

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この1年間をふりかえると、やはり駑馬なりに、たくさん走ったなぁという気持ちになります。

入学以前は、長らく社会人として普通に仕事をしてきていましたし、3人の子どもを持つ母親として育児をし、さらに妻としても家事などを細々としていました。そう考えると、20代の頃に思い描いていた道のスタート地点に降り立つまでに、ずいぶんと遠回りをしたものです。

4月に入ると、新鮮な情報の嵐に圧倒され、学びの一つ一つが楽しく、もっと知りたいという意欲が膨れ上がりました。しかし、如何せん駑馬なもので、目的地にたどり着くためには、人の10倍は走るという日々でした。例えば、文献はもともとの蓄積がなかったために、なるべくたくさん(可能な限り良質なものを)読むように心がけました。授業の中で発表があれば、その発表のために、いかに効率よく自分の時間を割くことができるかを考えつつ、ひたすら文献を調べてまとめる作業に注力しました。数々のグループワークでも、なるべく率先して調べたり、メンバーの調整役に回ったりして、脱落者を出さないように陰ながらグループを支える努力をしました。ゼミでは、先輩や同期の発表のときにも、どんなコメントやアドバイスが出ているのか、注意して耳を傾けていました。

と、ここまで書くと、なんだかとても優等生っぽくて嫌味な人のようですが、実際には、ただ目の前に次々に現れる山を乗り越えるのに、精いっぱい走り続けたというだけなのです。

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M1の1年間は、ふりかえると、とても幸せでした。

フルタイムで仕事をしていた時と比較すると、自分自身の声を素直に聞いて、今、何をすれば良いか確認しながら、前に進むことができましたので、心の中は平穏でした。

とはいえ、回り道や寄り道も、たくさんありました。家に帰れば、子ども達が起きている時間は、子ども達のための母業の時間。研究のための時間は、当然ながら、深夜か早朝に限られます。週末は、家族のための時間。家族行事や子どもの習い事とクラブ活動が最優先です。時間が足りないと感じることもしばしばありましたが、今できることを精一杯しようと心に決めて、時間はかかりながらも進んできました。

研究活動においては、まずは問題点を整理することから始め、研究のロジックを組み立てようと奮闘してきましたが、正直なところ、1年間では満足のいく着地点には到達できていません。

そんなこんなで、なかなか目的地にたどり着けない私を支えてくださったのは、山内先生をはじめ、研究室の助教の皆さま、M2~D3までの先輩方、そして困った時にお互い支え合える同期の仲間達でした。特に、今年度ファシリテーターを務めてくださった伏木田さんには、道に迷った時の指南役として大変お世話になりました。この場を借りて、皆様にお礼を申し上げたいと思います。

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来月からは、M2として新たな1年が始まります。
これからも、きっと回り道や寄り道をすることがあると思いますが、いつの日か、前を走る驥に追いつくことができると信じて、研究に真摯に取り組みたいと思います。

モンゴルの草原では、驥にも駑馬にも遭遇できるかもしれません。そのときは、驥を褒めたたえるだけでなく、駑馬の方もそっと労わりたいと思います。


【中村 絵里】

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