2014.01.16

【山内研のプロジェクト紹介】MOOC:東京大学Coursera

こんにちは.
先日ようやく修士論文を提出し安堵しておりますM2の梶浦美咲です.
山内研のプロジェクト紹介第3回を担当させて頂きます.

今回は山内研が携わっているMOOC(Massive Open Online Course)についてご紹介したいと思います.

MOOCとは「大規模公開オンライン講座」のことです.
世界中の誰もが無償で利用できるコースがオンライン上で公開されており,修了者には履修証も発行されます.
山内(2013)によると,CourseraやedXなどのプラットフォームで世界のトップ大学のオンライン講座が配信され,数万人が国境を超えて学ぶという現象が起きている,と言います.
MOOCには,世界トップクラスの大学として具体的にはハーバード大学,スタンフォード大学,プリンストン大学などが参加しています.

そして東京大学では日本初であるCourseraのプラットフォームを利用したMOOCを配信する実証実験を実施しています.2013年9月から英語による講義を配信しています.
Courseraは,世界中の学習者に最高クラスの大学のオンライン講座を無償で学べる機会を提供するための事業活動を展開している,スタンフォード大学の教授らにより2012年に設立されたソーシャルベンチャー企業です.

⇒ Coursera東京大学Webサイト https://www.coursera.org/todai

今回は実際に東大MOOCプロジェクトに携わっていらっしゃる東京大学大学院 情報学環 特任助教 荒優先生に具体的に東大のMOOCはどのようなことに取り組んでいるのかをお尋ねし,以下のようなご回答を頂きました.

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【東京大学MOOCの取り組み】
・2013年度は,MOOCプラットフォームのひとつ,Coursera(www.coursera.org)にて2コースを実施し,累計で8万人を超える登録者を得て,約5400人の受講者に修了証を発行しました.
・実施コース1:From the Big Bang to Dark Energy.宇宙の成り立ちから終わりまでを素粒子理論などの最新の研究成果を踏まえて学習する宇宙物理学のコース.講師は村山 斉先生(カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)機構長)です.
・実施コース2:Conditions of War and Peace.戦争と平和の条件について受講者自身が考える国際政治学のコース.講師は藤原 帰一先生(大学院法学政治学研究科教授)です.
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私自身,受講学生同士で支援が可能となる講義の聴き方支援システムを開発・評価する研究を行っていたので,今後このようなweb上での講義が普及することで,学習者同士での講義支援システムが必要になってくるのではないか,と感じています.
現在,MOOCは学習意欲の高い優秀な学生を対象としているようですが(参照: http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/2012/11/moocs.html),学習意欲が不十分な学生でも学習が進められるような対策が必要になってくるのではないでしょうか.
今後,反転授業(Flipped Classroom)の動きと相まって,オンライン講座がより一層発展していくのではないかと思います.東京大学MOOCの今後の取り組みに注目しています.

梶浦美咲

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