2013.09.24

【突撃OB・OGインタビュー】荒木淳子さん

皆様こんにちは、修士1年の池田めぐみです。
朝晩は肌寒く、もうすっかり秋らしくなってきましたね。

インタビュー第6回目となる今日は、産業能率大学、情報マネジメント学部で准教授をなさっている荒木淳子さんにお話を伺わせていただきました。


在学時は「企業で働く個人のキャリア発達を促す学習環境に関する研究ー職場、実践共同体、越境ー」 というテーマで研究をなさっていた荒木さん。


企業と高校で舞台は違えど、自分と同じ"キャリア"というものに興味をもっていらっしゃる荒木さんに是非ともお話を聞かせて頂き、たくさんのことを学ばせて頂きたいと思い、今回は荒木さんにインタビューさせて頂きました。

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○現在のお仕事内容について教えて下さい。

産業能率大学、情報マネジメント学部で准教授をしています。授業は、1、2年生が中心で、1年生の基礎ゼミ(レポートや読み書き中心の授業)、2年生のキャリアの授業をもっています。2、3、4年生対象のゼミも持っており、2〜3年生には、自分が関心のある職業の人にインタビューし発表してもらっています。3年次では2年次よりも視野を広く持ち、「働く」ことについて考えられるよう、調査を自分達で設計し実施してもらっています。保育士の早期離職はなぜおきるかの調査などが行われていました。

○現在の研究活動について教えて下さい。
主に2つ行っています。1つめは、社会人の組織や仕事に関わらない学びについての研究です。博士論文では、社外での学びや職場での学びがその人の仕事にどう関わるかについて調査していましたが、最近では仕事に関わらなくても、社外に出たい、学びたいという人(例えばsoclaのような活動)が増えています。なので、そういった人たちがなぜ熱心にそのような活動に関わっているのか、社会人の学習はこれまで仕事やキャリアとの関わりで分析されてきましたが、生涯や人生の中で見たときの学ぶ余地について見ていきたいと思っています。
もう1つは、大学生と社会人の交流実践の研究を行っています。社会人と大学生が自分の仕事や、将来やりたいことについて語り合うワークショップ型の実践です。大学生のみでなく、参加した社会人にとっても学びになるものにするにはどうすべきかを考えています。

○なぜ、研究者という道を選んだのですか?
大学卒業後、一度院に行き、その後、シンクタンクに進みました。研究者になろうと思っていたわけではなく、会社で役立つようなことを勉強したいと思い山内研に入り研究していた所、面白さがましていき、博士課程に進みました。そうしたら、東京大学での助教の話もあったので「やってみよう」と思いこの道に至りました。

○研究者というキャリアの中で難しいと感じることはどんなことですか?
エンジンがまわらないときに、どうやってやり続けるかというのが難しいところだと思います。佐藤さんのインタビューも拝見したんですが、研究者は好きなことがあると自然にエンジンがまわる。でも、その一方で、自分から動かなければはじまらない仕事であり、エンジンがまわらない時が大変だと思うんです。大学に就職すると、授業がありお給料がもらえる。だから贅沢な悩みだとも思うんですが、とくに追い込まれることがない中で、ペースを保ち研究して
いくのは大変だなと思います。


○ペースを保つ為に工夫されていることはなんですか?
あまり保てているかわからないんですが‥山内先生に言われたのは「周りとの関わり。ソーシャルネットワークを作りなさい」ということです。人から誘って頂いたり、人に動かしてもらうこともあり、そういうのが本当に有り難いなと思っています。視野を広くもって、そういった関わりを大切にしていきたいです。



○そういった関わりはどうやってできていくものなのですか?
それがよくわからなくって‥(笑)論文を読んで連絡を下さったりだとか‥さっきと矛盾するようですが、自分もやり続けていくことだと思います。自分もやり続けるためには、人との関わりが大事なんですけど、人と関わる為には自分もやりつづけることが大事というか‥そういう感じがします。

○山内研で学んだことで、現在のお仕事や研究に活きているな思うことはありますか?
手を動かして、自分も社会とかかわっていこうという姿勢だと思います。以前は物事を批判的に見るというか、自分が傍観者してある対象を見るといった感じが強かったのですが、山内研は自分で何かを作っていこうというのが強くって。最初はそれにとまどったのですが、最近では特に、この姿勢が素敵だなと思うようになりました。

○研究する上でのアドバイスをお願いします。
よく山内先生が「自分の好きなことをやりなさい」とおっしゃっていて、それが本当に1番大事だなと自分でも思っています。ぶれないというか!
それと自分の好きなものを突き詰めていくべきなんですけど、それを色んな研究者や色んなものとの関わりの中でつくっていく作業がすごく大事だと思っています。最初にすごくやりたいことがぽつんとあったとしても、それがそのまま研究になるわけじゃない。ぽつんとあった大切なものを大事にしながら色んな文献にあたったり、色んな人と話をしてそれをぶつけて鍛えていくっていうんですか、繋げていくていうのかな‥そうやっていくのが大事だなって思います。

○研究者に向いてる素質や要素は何だと思いますか?
頭の善し悪しとかではなく、"鈍いこと"だと思います。
研究において、続けていくことががとても大事だと思っていて、続けていく為に必要なことが、山内先生ならば「自分のこだわりを形にできる力」藤本さんならば「普通の人がやめるタイミングでやめずに地道に続けられること」(※1)のように表現されているのだと思います。
私の場合は、自分に正直に、鈍くなることが大切だと思います。社会にはこれをしなくては就職できないなどのような制約が意外に多い。でも研究は自分からかかわり発信していくもの。なので、時には雑音になるその制約を無視し、やり続けられる"鈍さ"が大切だと思います。


(※1:Ylab blog 【山内研夏合宿密着レポート】参照)

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インタビューをさせて頂いて、色々な研究者や色々なものとの関わりの中で自分の好きなものを突き詰めていくというお話がとても印象に残りました。

自分の好きなことをやることが大切ですが、自分ひとりでは、考え方が狭くなってしまったり、息詰ってしまうことも多々あります。

周りの皆様との関わりあいや、幅広く文献にあたっていくことを大切にし、自分の中にあるやりたいことを、ぶつけて鍛えて繋げていかねば。

インタビューに協力して下さった荒木さん、本当にありがとうございました!!


池田めぐみ

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