2013.04.29

【今年の研究計画】ラーニング・コモンズにおける学習空間および学習支援の現状と大学生の学習行動の実態に関する研究

みなさま、ごきげんよう。修士3年の早川克美です。

昨年半年は,勤務先の大学の教員業務に専念するべくお休みさせていただき,
この4月から研究を再スタートさせたばかりです.(だから3年生です)
山内先生.ファシリテーターの高橋先生,研究室のみなさんに支えられて
感謝しつつ.ラストスパートをかけねば!と決意新たな春です.

さて本題です。
年度のはじめに際し、修士研究計画をご紹介いたします。


【研究テーマ】

「ラーニング・コモンズにおける学習空間および学習支援の現状と大学生の学習行動の実態に関する研究」


【研究の目的と意義】

ラーニングコモンズを対象とした研究では、米国ならびに国内の事例研究や、ラーニング・コモンズの定義,学習支援のありかたに関する指摘や調査研究が徐々に進められつつあります。しかし、ラーニングコモンズの計画に際して、想定された学習支援がどのように有効であるのか、また問題点は何か、学生中心の評価方法を用いて大学生の学習実態から考察した研究はまだありません。
 そこで本研究では、学生中心の評価法により、大学生の学習実態を明らかにし,想定された学習環境の有効性について調査を行います。調査では、ラーニングコモンズを設置している大学でラーニング・コモンズを利用している学生を対象に、質問紙調査により学生の日常における授業外学習の実態を調査し、観察とインタビューといった質的な調査アプローチを加えることにより、大学生の学習実態およびラーニングコモンズの利用実態を明らかにするものです。
また,ラーニング・コモンズを計画・運営している職員に対し,計画内容をインタビューし把握します.これにより,学生の学習行動実態と想定された学習環境との対比を行い,評価をするとともに課題を抽出します.そして、ラーニングコモンズの計画において、空間・人工物からどのような学習支援が可能となるのかを提示し、未来の学習空間への可能性につながる有用な示唆を示すことを展望とします。


【研究の仮説】

今日の様々な共同体で行われる学習の75%以上は、インフォーマルな学習が占めている(Conner,2009)と指摘されることからも、授業時間外での活動も含め、学生の学びの実態を捉えていくことが重要であると考えます。
インフォーマルな学習の実態を調査し、明文化することにより、大学生の学習実態と学習空間の関係にパターンを見出すことによって、学生本人や教職員が意識していない場面で「学習」が発生しているというケースをピックアップし、そして、「学習が発生している空間」で何故「学習」が起こっているのか?どのような空間が学習を支援しうるのか?について考察を試みたいと考えています。


【研究の方法】

(まだ検討中ですが現在考えている内容です.)
1.PBLを実施している大学のラーニング・コモンズの利用動線実態調査
2.ラーニング・コモンズを利用している大学生に対し、質問紙調査〜インタビュー調査
3.ラーニング・コモンズ運営者(計画者)への計画内容と実態把握のインタビュー調査
4.1〜3をもとに分析


【今後に向けての課題】
 ●調査方法・分析方法の確定
 ●質問紙の項目設定、調査のスケジュール。
 ●評価のための原理・指標をもつこと。
 


課題が山積みですが、ひたすら積み上げて一つ一つの課題をクリアさせていきます。
2013年度もどうぞよろしくお願いいたします。

早川 克美

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