2013.04.05

【今年の研究計画】初年次大学生のスタディスキル支援システムの開発研究

こんにちは。M2になりました梶浦美咲です。
とうとう新年度に突入し、2日に新年度最初のイベントである研究構想発表会で研究発表をしてきました。
そこで新M1、新M2の方々から様々なありがたいご意見を頂きましたので、それを踏まえて今後更に研究計画を洗練させていこうと考えているところです。

さて、今年度最初のブログテーマは、例年通り【今年の研究計画】になりました。今週から各自の研究計画についてご紹介させて頂きます。

思い返すと、私の大学院入学当初の研究テーマは「メタ認知を促す学習計画の支援」でした。しかし、1年間の先行研究のレビューや学生へのインタビューなど通じて、テーマを変更することにしました。
その変更後の研究計画は以下の通りです。

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【研究テーマ】
初年次大学生のスタディスキル支援システムの開発研究

【研究背景】
18歳人口の50%以上が大学に進学するユニバーサル段階に突入(文部科学省 2004)している現在、大学生も多様化し、特に大学生の学力低下が問題視されるようになりました(山田 2007)。
実際は、そのような段階に入る以前から、大学生の学習技術不足は指摘されており、林(1981)、吉本ほか(2000)、安藤ほか(2000)によって、学習技術に関する質問紙(Study Skills Surveys, Brown 1965)を用いた、あらゆる大学生のスタディスキルの調査が行われてきました。その結果、「学習場面」「学習方法」「学習モチベーション」に関するあらゆる点で、学生たちは困難を抱えていることが分かっています。

そこで、私も実際に現在の初年次大学生がどのような困難を抱えているのか、首都圏の大学の初年次学生を対象としたインタビューを行いました。その結果、当初、学生は学習計画に困難を抱えている、と考えていたのですが、その学習計画以前に、授業に対するモチベーション、授業を聴いてノートを取る方法、レポートの書き方に困難を抱えている学生が多いことが分かってきました。

【研究目的】
そこで、本研究では、大学で学ぶ上で重要とされるスタディスキル(大学で「学ぶ」ための「聴く」「読む」「書く」「調べる」「整理する」「まとめる」「表現する」「伝える」「考える」の9つの力、学習技術研究会 2006)のうちの「レポートライティング」「ノートテイキング」「モチベーション」の3要素を支援するシステムを開発し、評価することを目的としました。

【研究方法(システム概要)】
具体的に、「レポートライティング」「ノートテイキング」支援は、授業動画を見ながら各スキルに必要なことを1つ1つ実際に行わせることで実現します。「モチベーション」支援は、各授業での気付きや面白いと思った点、考えたことを記入し、他者と交流するSNS機能を付与して行おうと考えています。
特に、各スキルに必要なことがなされる度にポイントを付与し、その過程を可視化する、ポイントに応じてバッジを与える、といったゲーミフィケーション的要素を加味することで、システム活用自体の意欲向上も目指します。

【評価方法】
大学1年生12名程度にこのシステムを使ってもらい、「レポートライティング」「ノートテイキング」「モチベーション」を測定する質問紙で事前・事後調査をします。そして、各スキルにどのような変化が見られるのかを確認しようと考えています。

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こちらはまだ現時点での研究計画であり、今後また少しずつ修正を加えていく予定です。
まずは、現在のシステム案を更に具体化していこうと考えています。
そして、最終的には、システムを開発し、評価実験を行い、結果を分析するところまでを行う予定です。

修士論文提出に向け、今年1年も頑張っていこうと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

梶浦美咲

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