2013.03.13

【今年を振り返る】仕事の拡がり

D2の安斎です。この1年間はキャリア上、とても重要な1年間だったように思います。2本目の論文もひとまず投稿し、さらには論文執筆を超えてさまざまな仕事に取り組ませていただく機会に恵まれました。

まず一つには、書籍の出版です。この1年は山内先生と森玲奈さんとの共著である『ワークショップデザイン論-創ることで学ぶ』の執筆に尽力し、無事、慶応義塾大学出版会より来月刊行されることが決まりました。本を書くのは初めての経験で、想像以上に骨の折れる仕事でしたが、無事に世に出せることを嬉しく思います。既にamazonで予約注文が可能ですので是非!続けて、京都造形芸術大学出版会より2冊目の書籍も出版させて頂くことが決まり、現在準備をすすめています。

もう一つの変化は、企業から仕事の依頼をいただく機会が劇的に増えたことです。これまでも産学連携のプロジェクトにはいくつか取り組んできましたが、今年度は株式会社ビジネスリサーチラボの主任研究員に就任させていただき、産学連携プロジェクトの営業活動とマネジメントを委託することにより、様々な企業と恊働する機会に恵まれました。自分一人の専門性では出来ないプロジェクトだらけで、「ああ、自分の専門性はこういう活かされ方もするのか」「こういうニーズもあるのか」「こういう研究者と組むと、こういうこともできるのか」と、専門性の活かし方の拡がりを実感しています。

最後に、東京大学が来年度から立ち上げる博士課程教育リーディングプログラム「ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(とんでもない名前...)」に、リサーチアシスタント(RA)として関わることになったのも大きな変化の一つです。実践的な問題解決能力を備えた博士課程院生を育成するための教育プログラムであり、ワークショップを軸に展開するため、そのプログラムデザインの仕事に関わっています。実践のフィールドとして被災地である岩手県大槌町や、ヘルシンキのアールト大学との連携が決まっており、視察をしながらプロジェクトを進めています。いまも、ヘルシンキからこの記事を書いています。

こうした仕事の拡がりとともに、研究に没入しているだけでなく、多くのステークホルダーの中で交渉と調整をしながら仕事をしなければならず、今までにない仕事の難しさも感じています。同時に、自分の専門性をもっと社会に活かしてかなければ、と使命感のようなものも感じはじめています。来年度はこうした仕事に引き続き取り組みながらも、それらの経験をうまく活かしながら博士論文の執筆に取り組めたらと思います。

[安斎 勇樹]

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