2013.02.21

【今年を振り返る】納得のいく研究テーマを巡って

こんにちは。修士1年の梶浦美咲です。

M2の先輩方のブログ記事を読み、とても感慨深くなりました。
修了されるということで、めでたくもあり、寂しくもあり、何だか複雑な心境です。

そしてとうとう私が最終学年のM2に上がります。あっという間の1年間でした。そこで、この【今年を振り返る】というテーマのもと、修士に進学してからの1年を自分の研究に焦点を当てて振り返ってみたいと思います。

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私は「メタ認知を促す学習計画支援システムの開発をする!」と言って山内研に入りました。
しかし、ゼミでは、「学習計画を立てる以前に、そもそも学習意欲が無いと計画は立てないのでは」、「対象となる初年次大学生の現状をまず知る必要があるのでは」、「そして学生たちが最終的にどうなって欲しいのか」、など数多くの鋭いご指摘を受けました。

そこで私は、先行研究のレビューを進めつつ、7月〜11月に大妻女子大学、専修大学、またロールモデルになるであろう山内研博士課程の方々を対象としてインタビュー調査を行いました。

まず1回目の大妻女子大学へのインタビュー結果から、学習計画を立てる学生は半数程度おり、それらの学生は確かに計画の立案と実行に困難を抱えていることが多いことが分かってきた、と思っていました。

しかし一方、ロールモデルとなりそうな山内研博士課程の方々にインタビューをすると、あまり計画は立てず、それよりも授業から面白いと思えるポイントを探したり、関心事に寄せ付けて授業内容を考え、自身を動機付けて学習していたことが分かってきました。

専修大学の学生さんにもインタビューを行うと、授業への意欲が低く、「ただやらされているだけ」、という声を多く聞いた私は、やはり授業へのモチベーションを上げる必要があると確信しました。特に授業内容が自身にとって役に立ち、かつ興味があるものだとモチベーションが上がる、ということをインタビューから聞くことが出来ました。また、大学生が持つべきスタディスキル(聴く・読む・調べる・整理する・まとめる・書く・表現する・ 伝える・考えるの9つの力)に不安がある学生が多いことも分かってきました。

そこで、ゼミにおける意見も勘案し、授業を通じたスタディスキルの習得過程を可視化し、それを意識させ、かつ授業内容と自分との関連性や気付き、面白いと思う点を他者と共有し合うことで授業への考えを深化させる、というテーマに変更することにしました。

実際の大学生に、直接インタビューをすることで、先行研究のレビューからだけでは分からない行動の裏に隠されている気持ちや、心情の変化など1人1人の考え方を知ることができ、とても興味深かったです。

今後はゲーミフィケーションなどの知見を導入しつつ面白いシステム案へとより具体化させて行こうと考えています。

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以上のように、ゼミでのコメントや先行研究、インタビュー調査を通じて多くのことを考え、行動し、しっかり大学生の現状を把握した上でシステム案を考えられたことがこの1年間の成果です。
ここからもう1年で、更に具体的なシステム案に落とし込んだ上で、実際に開発を進め、評価実験・結果分析をし、論文の執筆に入っていこうと考えています。

この中間地点に来るまでに、大事なことに気付かせてくれたゼミの皆様、またインタビュー調査をする上でご協力下さった方々、本当にありがとうございました。入学当初の研究テーマに比べ、より初年次大学生に資する研究テーマになったと自負しています。

この1年間、授業が想像以上にハードであった中、研究以外にも様々なタスクが降ってきたりで心が折れてしまうこともあったのですが、M1同士で励まし合ったり息抜きしたりで楽しく充実した日々を過ごすことができました。

2年目は研究に本腰を入れ、来年は私も先輩方のように胸を張って修了できればと思っています。

梶浦美咲

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