2013.01.03

【研究発表のこだわり】学会発表で心がけている3つのこと


みなさま、あけましておめでとうございます。
2012年は、自分の中で手綱を引き続けることに必死でした。今の場所にどっしり立っていたい気持ちと、前へ前へと逸る気持ち。
2013年は、もっと自然に、もっとたおやかに、均衡を保てる人でありたいなと思います。

「研究発表のこだわり」シリーズ第10回目は、D2の伏木田稚子が担当いたします。
山内ゼミでの研究発表については、だいぶ情報が充実したように思うので、今回は学会発表について書かせていただきます。
初めて学会発表をしたのは、修士2年生のときでした。それから月日が流れ、博士課程に入ってからは年間3回の発表が習慣になっています。
・ 3月 : 大学教育研究フォーラム
・ 6月 : 大学教育学会
・ 9月 : 教育工学会
これまで、ポスター発表は1回のみで、多くはパワーポイントによるプレゼンテーションが中心の口頭発表を経験してきました。そのときに共通して心がけていることを、いくつか書き抜いてみたいと思います。

◆ 時間配分と分量 ◆
多くの場合、発表時間として15分程度いただくことが多いので、スライドは20枚~25枚以内に収まるように工夫しています。文字のないスライドを使うことはほとんどないので、1スライドの説明に1分前後の時間を使います。スライドは、題目、(当日の発表概要)、研究の背景、先行研究の問題、本研究の目的、方法、結果、考察、今後の課題の順に構成します。各要素にあてるスライドの枚数は、均等にはしません、その時々の状況に応じて、背景を多めにしたり、結果と考察を充実させたりと臨機応変に対応しています。スライドについては、文字は小さくても16ポイント以上、色は黒・グレー・赤の3色にとどめ、図(写真を含む)や表をバランスよく配置するようにしています。

◆ 話し方 ◆
聞いてくれている方々がどのような人なのか、を初めに意識します。わたしの場合は、研究のテーマが「学部ゼミナール」であり、聞いてくださる方々も多くは大学教員ですので、自分の研究を正確に伝えることに心を砕きます。そして、研究のどこに学術的な穴があるのか、どうすればもっと実践的な知見を提供できるのか、という2点についてアドバイスをいただけるよう、説明をていねいに重ねていきます。スライドの内容はすべて暗記し、スライドを見なくても噛まずに話し続けられるよう、発表の2日前ぐらいから繰り返し練習します。ひとりひとりの顔を見ながら、説得的に、でもごく自然な語り口調で発表できるように気持ちをあげていきます。

◆ 質疑応答 ◆
口頭発表で大切なのは、発表時間をフルに使いきってわかりやすく簡潔に発表することだけではありません。発表後に5分~10分程度用意されている質疑応答の時間が、今の私にはなくてはならない学びの機会です。研究について、自分では見落としている視点から鋭い切込みが入ることもあれば、取り返しのつかない失敗をする前に気づきを与えていただくこともあります。ゼミナールを実践している教員の方々からいただくご意見・ご感想は、そのどれもが貴重な研究の糧となります。どうすれば自分の研究が誰かの役に立つのかを、しっかりと考えられる機会ですので、感謝してもしきれません。

・ ・ ・
以上、3つの点から私なりのこだわりをまとめてみました。
年間3回の発表では、その学会や来ている方々の特徴を頭に描きながら、そのときそのときに合った形で発表の仕方を変えています。
また、そのときどきの反省を次に活かすために、無意識のうちに少しずつ変化させている点もあると思います。
そして、先輩の池尻さんや同期の安斎くんの発表を見たり聞いたりしながら、いいところをこっそり盗むこともあります(笑)
その中で、これだけは忘れないようにしておこう、と思っていることを書き記しました。
これから学会発表をする人のお役に、少しでも立てれば幸いです。

伏木田 稚子

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