2012.12.23

【研究発表のこだわり】論点を明確にするために

こんにちは.M1の吉川遼(よしかわ・りょう)です.
12月20日に2012年最後のゼミが終わり,山内研でも忘年会が催され,非常に楽しい一時を過ごしました.とはいっても,M2の皆さんは忘年会が終わるとすぐ修論執筆に戻られ,かくいう僕も研究相談のためのレジュメを作ったり...,と大学院生にとって一年を締めくくることができる時が来るのはまだまだ先のようです.

さて「研究発表のこだわり」シリーズ,第8回目は吉川遼が担当します.

---
●「前」と「後ろ」の繋がりを意識する

山内研のゼミは約1ヶ月周期で研究発表の担当が回ってくるのですが,研究発表は,
前回の研究発表→課題→ファシリテータの方との研究相談→[今回の研究発表]→課題→研究相談→次の研究発表→・・・
といったように,何を踏まえ,何について取り組み,その結果から何が分かり,何が分からないのか,どこについてアドバイスがほしいのかという1ヶ月の進捗を15分という時間でまとめて伝えないいけないため,情報デザインが非常に重要になってきます.まだまだ試行錯誤を重ねている段階ではあるのですが,この「前」と「後ろ」のつながりは意識して臨むようにしています.

----
●なるべく読みやすく

細々とした話になるのですが,レジュメを作る際に気をつけていることは主に,
◦行間の開き具合
◦フォントサイズの統一
◦体裁の統一(箇条書き,罫線など)
の3つです.

このうち行間については,欧文と和文でも行間の開き方が異なるため,WordやPagesといったワープロソフトでは,デフォルトの行間を使うと詰まったように見えてしまいます.一般的によく言われるのは文字サイズの1.5-2倍程度ですが,普段は1.3倍程度開けることで調整しています.

また各項目の並びというものは自身の思考の流れを反映させたものなので,その流れを途切れさせないようになるべく各章はページを跨がないよう,1ページに収めるか,次のページの冒頭から始めるか,ということにも可能な限り気をつけています.

普段,体裁を考える上で参考にしている本は色々とあるのですが,例えば,

◦遠藤潤一, デザインリテラシー研究会. (2007). 情報デザインベイシクス : DTP・プレゼン・ウェブを始める人のために. ユニテ.
◦情報デザインアソシエイツ. (2003). 情報デザインソースブック = Information design source book. グラフィック社.
◦Wildbur, P., & Burke, M. (1998). Information graphics : innovative solutions in contemporary design. Thames and Hudson.
◦生田信一, 大森裕二, 亀尾敦. (2007). Design basic book : はじめて学ぶ、デザインの法則. ビー・エヌ・エヌ新社.

といったものを参考にしています.
もし,おすすめの情報デザインの本がございましたらご教授いただけると幸いです.

----
●論点を明確にするためのイラスト
121222_blog.png
15分と限られた時間の中で,自分の思考や研究の概要について,少しでも直感的に理解してもらうために,レジュメにはなるべくモデル図,システムUI案カンプ...といったイラストを用いています.

ですがなかなか研究の方向性が決まらない中,研究発表に向けてモデル図を作成していると,途中で「あれ?これって実は違うんじゃない?」と気づいてしまい,不安感を抱いたままゼミに臨むことも多々あります.

とはいっても,論点を明確にすることは議論を活性化させるためにも大切な事なので,システムモデルやインタフェース案を掲載することは重要だと考えています.

----
●情報に強弱をつける

発表に抑揚をつけることも重要な要素の一つです.
15分という中で,自分にとって一番伝えたいところはどこなのか,一番意見を欲しいところはどこなのかを明確にするために,話し方の強弱を意識してつけるようにしています.

初期のゼミ発表では自分がレビューした文献の要約をこれでもかと通勤ラッシュの電車のように詰め込んでいたため,それをただ読むだけでいっぱいいっぱいになってしまっていました.その結果時間もオーバーしてしまう上に,伝えたいことも伝わらず,もどかしい思いをしたことも多々ありました.それでも最近では情報の強弱について意識して発表することで,時間に余裕が生まれ,伝えたいことが伝えられるようになったと(自分の中では)思っています.

しかしながら,まだまだ僕の研究発表は内容においても構成においても改善点の余地が大いにあります.
先週まで記事を担当されてた先輩・同期の皆さんの「こだわり」,そして来週からのブログ記事を担当される博士課程の皆さんの「こだわり」を参考にさせていただきつつ,よい研究発表をすることで,ゼミでのフィードバックを研究につなげていけるよう邁進していきたいと思います.

それでは.

吉川遼

PAGE TOP