2012.11.08

【研究発表のこだわり】自分のための研究発表

皆様、ご無沙汰です。今週のブログの担当の呉重恩です。
丁度ゼミの研究発表が1回しか残っていないときにこのようなテーマについてブログを書くのは、時期的にとても相応しいと感じています。

ゼミでの発表自体には特に何もこだわっていないと思います。ただいままでの先輩達の発表やレジュメを見ていて、真似をしていただけです。

ただし、ゼミの限られた時間の中での発表は、あくまでも「人に見せる」ものです。なるべく簡潔にまとめて、言いたいことを人に伝えれば済むという、所謂1種の報告文です。
そして「自分に見せる」ものとしての発表は、決して15分間以内に簡単に伝えられるようなものだとは思っていません。
研究発表は、人に自分の進捗状況を伝え、今後の方向についてコメントとアドバイスを頂く機会だけではなく、自分の研究の足跡でもあります。他人に理解してもらうのも大事ですが、究極的にいえば自分の研究ですから、まず自分のための研究発表にしなければならないと思います。
このような研究発表は、ゼミ発表という一時期だけに機能するものではなく、事前の計画でもありますし、ゼミの終わった後のリフレクションでもありますし、さらに言えば、卒業論文を書くときに直接使える資料としても機能できると思います。資料を見て、すぐ以下のものを提起してくれたような発表資料だったら、それが合格な資料だ、とわたし的には考えています。
「×という間に、わたしは×ぐらいの作業をしていた;
目標の×%ぐらいを達成した;結局完成できなかったところは×というところだった―その原因としては×だった;
ゼミで×というようなコメントをもらった;

次の研究発表との間にとういう繋がりがあったのか」

そこで、研究発表が含んでいるのは、ただゼミで皆に見せるレジュメだけではなく、研究発表までの準備作業、そしてその後のまとめとリフレクションが大事になり、前後を含めている時間帯の中にするべきこともレジュメの作成よりはるかに多くなります。

自己流なんですが、研究発表のために必ず確保するタスクとしては:
1、発表のゴールと発表するまでのスケジュールを確定
2、文献を大量にダウンロード  1~2日
 ―効率を求めるので、大体疲れている時や、集中力が足りていない時、つまらない授業にいた時にこの作業をします。だいたい文献を探したり、ダウンロードしたりするのは、相対的に言えば一番楽な作業だからです。
3、文献を読む  1~3日
 比較的に体力がかかる作業ですから、基本的に身体状態と精神状態が一番良い時にするようにアレンジします。私の場合は、ダウンロードするだけのものを全部読みます。読む部数は毎回の発表の課題によっているのですが、基本的に毎回20-80部の量で、限界は英文300ページぐらいです。
 目的を持たずに読むと、余計に時間がかかる以上に、読んだ後に結局何が分わかったのかも分からなくなることがありますから、発表の課題とゴールを常に覚えながら読みます。
 読むときは必ず重要なところに印を残しながら読みます。さらに文献の表紙に類型と重要さを表記します。
4、文献を抜粋  1日
 今後のために、特に重要な理論や知見を抄録します。わたしにとっては、今の研究は全く新しい分野ですから、先行研究について十分に調べる必要があります。ばた、特に重要な理論なら、今後論文を書くときにも論点を支える重要な根拠となりますので、重複作業を避けるため、とりあえず抄録の作業をしておきます。
5、レジュメを作成  1日
 この作業はむしろ簡単です。ゴールも課題も文献の抜粋も全て出来ている段階ですから、ただこれらを体系化するだけが残ります。
6、ゼミ発表  30分間
7、コメント整理と研究相談  1時間
 ゼミ後は、皆様からのコメントを整理して、それに基づいて次のゴールとスケジュールをさらに作成します。また、次のゼミまでに研究相談を行い、ファシリテーターに悩んでいるところについて相談をし、方向性の調整をします。
8、リソースを広げる  念頭に置きながら適当な時間を使う
 2のとことで集めた文献は、基本的にその回の発表に限って使われる文献です。しかし、研究、特に自分にとっていままで全く触れていなかった分野の研究をする場合は、目の前の時期に必要とされる文献だけを読むのは、視野が狭くなりますから、そうすると最終的出来た研究の厚味と説得力が不十分なことになるかもしれません。ですから、読まなければならないものからもうちょっと範囲を広げて、様々なルートから様々なリソースに触れたほうが良いと思います。関係分野の人のブログ、関係の話題をめぐった掲示板、関連しそうな製品開発・広告・実業などは、レベルとしては直接論文で引用できそうなリソースではないけど、研究をする時の視角と発想を多様化してくれる役目がありますから、大事にしたいと思います。こういう工夫をしているうちに、研究は社会と実生活から疎遠しているものではないということも段々分かるようになると考えていました。

大体こういう感じです。といっても、たぶんゼミの全員が同じようなことをしていますから、とてもわたしならではのこだわりとはいえないかもしれません。最後の研究発表の前に「いままでの研究発表のやりかた」を回想しながら、それを共有させて頂く思いで今回のブログを書きました。

ps:
最後の研究発表で潰されないように、最後の努力をします。よろしくお願い致します。

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