2012.10.09

【エッセイ】マインドセットを変えられますか?

知性や才能に関する信念体系は、学習の成果に大きな影響を与える要因のひとつです。スタンフォード大学教授のCarol Dweckが提唱している「マインドセット」はその代表的な例だといえるでしょう。彼女は、著書の中で知性や才能は生まれつき決まると考える固定マインドセット(Fixed Mindset) と知性や才能は変えることができると捉える成長マインドセット (Growth Mindset)があると述べています。固定マインドセットを持っている人は、自分の才能を証明しようと学習し、失敗を恐れます。批判されると攻撃と感じ、他者の成功を自分に対する脅威とみなす傾向があります。成長マインドセットを持っている人は、進んで挑戦し、批判や他者の成功も成長の機会だととらえます。

成長マインドセットを持ちたいと願っても、どうすればいいかわからないという人も多いと思います。下記のアドレスにはマインドセットを変えるための方法が記載されていますが、その中でも重要と思われるモデリングの段階を紹介したいと思います。ここには、どういった考え方をすればよいのかというポイントがまとめてあります。

http://www.thoughtfullearning.com/blogpost/get-smart-become-talented

以下のように考えない   ←→   以下のように考えるようにする

私は馬鹿だ。            私には何が欠けているのだろうか?
私はすごい。            現在のところ正しいやり方をしているようだ。
数学ができない。          今から数学について訓練しよう。
きつすぎる。            もうすこし時間をとった方がよさそうだ。
彼女はできすぎる。むかつく。    彼女がやっている方法を試してみよう。
今のままで十分。          改善のための興味深いアイデアだ。

ここにあげられているのは信念が思考としてあらわれたものであり、思考を変えるだけで信念がすぐ変わるわけではありません。ただ、このような考え方をして今までよりうまくいくケースが増えてくると、それが自信につながり、信念体系が徐々に変わってきます。この過程では、まわりの人たちが学習者をほめてあげることも重要です。魔法のような方法ではありませんが、試してみる価値はあると思います。

山内祐平

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