2012.07.22
みなさん、こんにちは。M1の吉川遼です。
5月から続いてきました【山内研との出会い】も9回目となりました。
前回までのエントリから、同じ山内研でも様々な出会い、想いがあるんだな、と皆さんが山内研を志望された背景の多様性を感じております。
さて今週、学際情報学府の出願締切を迎えましたね。出願までに山内研にも多くの入学希望者がお越しになり、僕も色々とお話をさせて頂きました。毎週研究生室に来られる皆さんそれぞれが教育に関する鋭い問題意識やそれを解決するための優れた「ツール」を既に持っておられ、とても興味深くお話させて頂きました。
そんな皆さんに1年前の自分を(勝手ながら)重ねつつ、お話しさせて頂いた約2ヶ月のうちに、僕もどうやって山内研と出会ったのか、なぜここを志望したのか、少し整理しておりました。
ということで、第9回目の今回は吉川遼が担当させていただきます。
■学部時代と問題意識の芽生え
学部時代の話に戻るのですが、僕は名古屋大学情報文化学部で4年間を過ごしておりました。この情報文化学部というところは、簡単に言ってしまえば学際情報学府と同じ文理融合を掲げている学部で、従来の細分化された学問を横断的に繋ぐことで学際的に社会の諸問題を解決できる人材の育成を目的としている学部です。僕はこの学部で政治学、経済学、地理学、社会学、心理学、情報工学、論理学、哲学、美学、デザイン、など様々な分野を4年間で学びました。文系・理系問わず幅広く学ぶ、という点では前々回の梶浦さんの学部時代と似ているかもしれません。
もともと僕はインタフェースのデザインやアプリケーションの開発に興味があり、卒業研究も何か開発したいなあ、という想いは前々から持っていました。そこで3年次には社会における情報技術の活用について研究している研究室に配属され、そこで研究を進めることになりました。
研究室では、博物館や地域といったフィールドを持って研究する人も多く、僕も前々から興味があった科学館で運良く研究をさせてもらえることとなり、博物館での情報技術の活用について研究を進めていたのですが、その際に博物館での学習補助に関する先行研究をレビューしているうちに、
「これって本当に教育に役に立っているって言えるんだろうか?」
「対象の人たちに技術を押しつけて満足してしまっていないだろうか?」
という疑問を抱きました。
事実、対象としている人が本当に必要としているのか疑問に思えるような研究も多くありました。
そうこうしているうちに「こういった開発研究をするのであれば、しっかり教育的指標を用いて開発・評価を行って、本当に学習に役立つと自信を持って言えるようなものを開発したい」と思うようになりました。
もともと学部時代から「学部4年間で大学終わるなんてもったいないし、自分の今後にとっても意味がない」と思っていました。というのも学部が「広く浅く」学ぶカリキュラムであったため、自分の専門性が身に付きづらく、そのため何を学んだのかよく分からないまま就活して、なんとなく卒論を書いて、なんとなく卒業して4年間を終えてしまう、という大学生活に陥りやすく、すごくもったいないな、と感じていたからです。
しかし自分の興味あることを何でも学べる情報文化学部に入学して、とてもよかったとは思っていますし、今でも学部のことは大好きですが、だからこそトコロテンのようにスポンと大学から社会にそのまま出るのではなく、学部での研究を大学院で発展させ、より専門性を磨いていきたいと当時は思っていました。
■6月 学際情報学府との出会い
そこで大学院を探していたところ、所属していたもう一つのゼミの教授から「学部の先輩で東大の学際情報学府に行った細谷という人がいるから一度話してみるといい」と伺いました。細谷さん(現在池内研所属)は高3の頃から知ってはいました(学部パンフレットに学生起業家として載っていた)が、話したことはなく、「なんだかすごい人なんだろうなあ」という印象しか持っていませんでした。しかし、実際にお話ししてみて細谷さんから「学府はとても刺激的で周囲の環境もとてもよい」と教わり、やはりここで研究したいという気持ちが芽生え始めました。
時期も時期だったので、学部の友人の坂野君(現在水越研M1)と一緒に名古屋から学際情報学府の入試説明会に参加し、色んな研究室のブースを見て回り、院生の方にも話を伺いました。
しかしながら、参加されたことのある人ならご存じだと思いますが、例年入試説明会はとても混雑し、地下2階のラーニングスタジオは入学希望者の熱気が充満します。
なので一番気になっていた山内研究室であまり話をすることができず、先生とも少しお話できた程度で、後悔しつつもその日は名古屋に戻りました。
■7月 山内研との出会い
後日、それでももっと研究について話がしたい、と思い山内先生にメールし、お会いする時間を設けて頂きました。またその後研究生室で池尻さんや菊池さん、末さん、呉さんなど院生の方とお話させていただき、その言葉の端々から「ここの人達はなんて熱意があって、まっすぐに研究活動をされているんだろう」と圧倒されたのを覚えています。
「ここで研究したい」という思いを胸に名古屋に戻ったはいいものの、既に7月を迎え出願まで既に3週間を切っていました。
今まで書いたことのない研究計画書をあーでもないこーでもないともがきながら出願締切ギリギリまで粘って仕上げる日々がその日から続くのでした。
----
そんなこんなで僕もいつの間にかこうして院生として、めまぐるしい日々を何とか生きながらえつつ、充実した日々を送っています。
今年学府を受験される方は、もう出願も終えて、これから一次試験に向けて勉強を進める頃かと思います。
みなさんの健闘を祈ります。
次回はD2の安斎さんです。お楽しみに。
【吉川遼】