2012.06.17

【山内研との出会い】社会学と教育の重なり

皆様こんにちは。
【山内研との出会い】シリーズ、今回はM2の末が担当させていただきます。

なぜ今、私が山内研究室で修士研究をしているのか...
少しさかのぼってお話ししようと思います。

【国際関係学から始まった大学生活】
私は昔から歴史が好きだったのですが、特に近現代の日本と他国との関係性に興味を持ち、学部では国際関係学を専攻していました。国際関係学という学問はもともと、冷戦のさなかアメリカがソ連に対抗するために確立した学問であり、法学、経済学、社会学、歴史学など様々な領域が混じった学際的な学問で、4年間幅広く学ぶことができました。

入学当時は、国際政治や国際法などに興味があったのですが、授業を受けるうちに、例えば戦後和解などの問題は、政治や経済といった国同士のマクロの視点だけではなく、社会や文化に目を向け、人々の声に耳をかけるといった社会学やミクロの視点も重要であるということに気づかされました。またその中で、マイノリティや大衆の文化や生活の実態、政治の決定過程など、歴史として「残りえない歴史」を様々な立場の人へインタビューし、文字史料としてアーカイブしていく「オーラル・ヒストリー」という概念を知りました。

【アーカイブと教育の接点】
私は専攻を変えずに大学院に進学するつもりでいたのですが、次第にもやもやしたものが生まれていきました。それは、私自身が授業や卒論を通して様々なことを学ぶだけではなく、何か貢献をしたいということです。近現代史への興味は、いつしかオーラル・ヒストリーへの興味と代わり、その果てにはオーラル・ヒストリーを自らが研究するのではなく、たくさんの子どもたちがそういった活動に行ってほしい、そして私はその支援をしたいのだと考え、教育に興味を持つようになりました。

それはもともと、私自身が幼い頃に祖父母から聞いていた、戦争体験の話や若い頃の思い出話が心に残っていたからだと思います。これらの思い出話は、自分自身が生きる現代とは、暮らし方や考え方の異なる世界であり、同じ日本であってもこんなにも違うのかと幼いながら驚きました。また、当時の様子を想像し、教科書で学んだ歴史と結びつけて考えることは個人的にもとても面白く、歴史の理解が深まり、私自身の歴史好きが形成されたのではないかと感じました。

【先輩との出会い】
そんなことを考えていた時に出会ったのが、研究室の先輩である@YukiAnzai こと安斎さんでした。当時M1だった安斎さんは、大学生向けにワークショップを開催していました。そこで初めてワークショップというものに触れ、教育工学というアプローチがあることを知り、この領域でならば自分の興味に従って研究ができるのではないかと考えました。また、学際情報学府は、メディア、社会学、歴史学など、私が学んできたことを活かしながら、研究できるのではないかと考え、受験を決めました。

実際に入学してみて、学際的という意味で横に広がる学びと、研究室で一つの研究を深めるという意味で縦に深めていくことができる場所であると感じています。教育に関して幅広いテーマを受け入れてくださる研究室であり、実践的な活動を行いながら研究を行うのでとても有意義な研究生活を送っています。

現在も、実際に高校でオーラル・ヒストリーを用いた授業をさせていただいており、夢が叶って嬉しいです。この実践活動をしっかりと研究に落とし込み、修士論文を書き上げたいです。

末 橘花

PAGE TOP