2012.03.02

【今年を振り返る】思っている事を形にする

 皆様、こんにちは。修士2年の柴田アドリアーナと申します。
 学生がこの1年間について振り返る、【今年を振り返る】シリーズの第2回をお送りいたします。

 ちょうど一年前に書いたブログの記事を再読し、なぜか「HardFun - 苦楽しい」という言葉が何回も書いていました。修士の一年は確かに授業や研究、いくつかの活動に取り組んで、楽しく一年を過ごしました。修士2年はどんな一年だったかと振り返ると、「HardFun」というキーワードが再び登場します!


思っている事を形にする

 この一年間で、多分、一番苦労したステップは教材のコンテンツを決める事だったと思います。修士一年で調べた「複言語・複文化主義」「Fifth Dimension」などの概念をデジタル日本語教材にどのように活用できるかについて長く悩んでしまいました。
日本語を教えるだけではなく、子どもたちの母語(ポルトガル語)とブラジルの文化を保ち、日本の文化を理解させることが目的でした。また、幼稚園年長から小学校一年生に対して、どんな内容がふさわしいか、どんなものに興味を引かれるのでしょうと思いながら教材をデザインしました。
 このプロセスを達成するために、研究ファシリテータの高橋薫先生と教材のスクリプトを何回もやり直しながら、進みました。また、幼児に関する学習環境デザインを研究している助教の佐藤朝美先生からも沢山のアドバイスを頂き、11月にやっと教材を完成させました。そして、11月の終わり頃に茨城県にあるブラジル人学校でユーザーテストを実施しました。
 12月になると論文の執筆で精一杯でした。この2年間で調べて来たこと、観て来た事、やって来た事などの情報を整理し、研究のロジックに意識しながら執筆を進み、「在日ブラジル人児童を対象としたデジタル日本語教材の開発」という題目で一月に修士論文を提出しました。


〜*〜*〜


 教材の開発を進むと確かに「楽しい!」「もっとやりたい!」と言う気持ちになります。 教材の完成が遅くなって、急いでユーザーテストを実施したことに反省しています。ユーザーテストを実施していたとき、いくつかの改善点が明らかになり、デジタル教材としていくつかの使用方法の可能性もみることができました。
修士論文の最後に書いたように、在日ブラジル人児童は、日本とブラジルの社会の架け橋となる可能性を持っていると思います。そのためには、言語や文化の違いを超えて、両者に習熟していく基盤を幼い頃から育む必要があると思います。教材の開発だけではこれを果たすことはできないものの、現在のデジタルテクノロジーは両者のコミュニティーをつなげる可能性を秘めていると思います。本研究がそのつながりとなる一つのデジタル教材になればと思います。
 この研究を可能にしてくれたのは指導教員の山内先生のおかげです。3年前、外国人研究生として初めて山内研に入ったとき、学習環境デザインについて何も知りませんでした。はじめての飲み会、先輩に「ConstructivismとConstrucionism」の違いについて聞かれたとき、びっくりしました。
*あの時「Constructivism =ソ連における芸術運動」のことしか思い浮かべなかった。
 このように山内研に受け入れてくれて本当にありがとうございます。
 そして、山内研究室のみなさま、いつも貴重な意見やアドバイスをいただいて、本当に感謝しています。

 来月、ブラジルに帰国する事になりました。これからは新しい道を歩み、この3年間に得た経験を宝にして、学んだ事を生かしたいと思います。

 皆様、ありがとうございました。


 【柴田アドリアーナ】

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