2012.02.08

【エッセイ】講義ノートの権利は誰のもの?

大学の授業でとったノートの著作権は誰のものなのか?

カリフォルニア大学でこの問題が議論になっています。きっかけになったのは、カリフォルニア大学バークレイ校がまとめた「授業におけるノートと教材利用に関するポリシー」の策定でした。この文書では、学生にノートをとることを推奨するとともに、教員の知的努力の結果である講義内容の公表について、教員がノートや録音に対し許可や制限を与える権利を保有することが明記されています。同じクラスを履修している学生間ではノートを共有してもかまわないとされていますが、その範囲を超えて教員に無断でノートを共有もしくは販売した場合にはこのポリシーに違反することになります。

このようなポリシーが策定された理由には、オンラインのノート販売サイトに対して大学側が苦慮していることもあるようです。カリフォルニア州の教育コードではノートの販売が禁止されていますが、ノートの販売行為は止まることがなく、訴訟も起きています。
ノートの共有は昔から行われてきた行為ですが、インターネットの登場により、共有範囲が教室から全世界に広がったことや、簡単に不特定多数の学生に販売できるようになったことが、この問題の背景にありそうです。

山内 祐平

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