2012.01.03
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
2012年の年頭記事を読んでいる中で、Wired誌に面白い記事を見つけました。その中から気になった部分を引用します。
---
2012年は、既存の何かが大きく変わり、
未知の何かが新しく始まる、
そんな1年であるような予感がしています。
2011年の秋に『WIRED』US版の編集長クリス・アンダーソンに
インタヴューした際の言葉が強く印象に残っています。
彼は、iPad向けのデジタルマガジンのつくりかたについて、
「何が正しいやり方なのか、何ひとつわからない」と語っていました。
「5年後にアプリってものがあるかどうかすら定かではないし」とも。
「それじゃ困るでしょう」と問い返すと、
彼は肩を竦めて、嬉しそうにこう答えたのでした。
「Welcome to the Future. 未来へようこそ」
「未来」には、あらかじめ決定された地図はありません。
仮説を立て、試行錯誤を繰り返しながら
手探りで進んでいくしか、
その地図を手にする方法はありません。
だからこそ『WIRED』は、失敗を恐れることなく
率先して試行錯誤を繰り返していくことが使命だ、と、
クリス・アンダーソンは言います。
最新テクノロジーを切り口に、世の中のあらゆる事象を
リポートしていく『WIRED』の役割は、
つまり、臆することなく社会の斥候の役割を
務めるところにある、ということなのでしょう。
---
海図のない未来に向けて、失敗を恐れず、率先して試行錯誤を繰り返していくという営みは、今後メディアだけでなく、大学の使命にもなってくるように思います。
情報化社会が進展すればするほど、社会の複雑さは増大し、予想しないことが起きやすくなります。逆に言えば、試行錯誤によってイノベーションが生まれやすくなっているともいえます。変化が特別なことではなく、常態になること。これこそが現在起こりつつある情報革命の本質なのかもしれません。
変化に適応することを学習と定義すれば、これは、学習が常態になることも意味しています。そのような時代にふさわしい学習環境について、今年も微力ながら研究を進めていきたいと考えています。
【山内 祐平】