2011.11.07
みなさまごきげんよう!
修士課程1年の早川克美です。
シリーズ【山内研メンバーの1日】の7回目をお送りいたします。
山内研メンバーの日々、みんなおもしろいですね!
今年4月に入学して以来、人生でも1-2を争うハードファンな毎日を過ごしています。
これは正直な話、想像以上、想定外です。
私は研究室で現在唯一の社会人大学院生です。
デザイナーとして20年以上のキャリアを積み、数々の修羅場をくぐり抜けて、本番に強く、度胸が据わっていると公私ともに認める(笑)自分ではありますが、
研究者への門を叩き、新たな世界のビギナーとなった今、多くの時間を迷いと不安と戸惑いに費やしています。
がしか〜し!!悪くはない。いえ、かなり素的な感動の日々であります。
...前置きが長くなりました。そんな私の毎日を凝縮してご案内しようと思います。
早朝のウォーミングアップ
6時ごろ目覚めると、散歩に出かけます。歩きながら今日を考えます。
授業・仕事・研究テーマのこと。
一日で一番緊張している時間です。気持ちを整えるのに必要なひとときです。
毎朝、多くのランナーに追い越されます。さしずめ、人生の縮図の様(笑)。
「世の人は 我をなにとも言わば言え 我が成す事は 我のみぞ知る」
独りごちながら、焦ったり、ペースを再確認したり。。
帰宅後は、メールチェック、デザインの仕事をしながらTwitterやFaceBookを覗いたりして、身支度を調えます。
本郷へ
通学の電車内ではぼーっと車内の人々を観察して過ごします。
どんな仕事をしている人だろう。なんだか楽しそうだな。あら?この上司はダメみたい...などと妄想にふけっているとあっという間に本郷へ。
目に鮮やかな赤門を正面にすると、朝の緊張はどこやら?期待でわくわくしてくるから不思議です。
授業は、大げさではなく感動の連続です。これまで生きてきた中で考えていたこと、疑問に感じていたことが、研究や理論として言語化されていることに驚きます。一方で、偉大なる先人の教えを前に、無知・無力な自分の位置を知ることとなります。
この「知る←→追い込まれる」ループの何とも言えない心地よさ。そして、領域を横断して思考していきたい自分にとって、大学院学際情報学府の授業は、気づきの宝庫だと感謝するのでした。
大学の講師に変身
午前中に学生だった私は、とある午後は大学の講師に変身します。
教わる・教えるの変換は、自分の中ではいずれも「学び」。
ここでは、参加意識・成長実感を得られるように授業を組み立てています。
大妻女子大で環境デザインの演習授業を担当しています。
考えることの面白さに気づくと彼女たちはどんどん変化していきます。日常は発見の連続であることは言葉ではなかなか伝わりません。様々なワークショップやグループワークを通して、生活とデザインを結びつける思考方法を身につけてもらえたらいいなぁ。
ある時は鬼のチェックマン
大学院に行かない日には仕事の現場に。
これはとある工場の環境グラフィックです。完成直前の現場では「鬼のチェックマン」に。指示通りの施工かを入念に確認します。ここでは体感が頼りになり、1ミリ単位のズレや傾きは、ものさしを使わなくてもわかるので、施工側からはさぞや意地悪な人と思われているでしょう(笑)
この「ものさしいらずな体感」は自然に獲得した能力です。どうしたら身につけられるか?はなかなか言語化できません。今、苦労している研究への取り組みも、ひたすら実践することでしか身につかないのだろうと考えます。
...ふと、仕事をしながら研究のことに思いを馳せることがしばしばであります。
夜のラーニング・コモンズ
大学院の授業はグループワークも多いため、夜にメンバーで集まってミーティングをすることも多々あります。福武ホールのラーニング・コモンズが我々の学びのフィールドです。夜のコモンズが大好きです。深夜まで多くの仲間が議論したり、黙々と勉強していたり、それぞれの学びと向き合っています。研究の共同体である意識が徐々に醸成されていく様を実感します。
そして、この「場と学び」の関係を考えていくことが私の研究の根幹。自分自身が馴染んでいく状況を客観的に見つめることができるのも、ありがたいことです。
相棒にゃんた
長い一日が終わり、家に帰ると待っているのは19歳の老猫にゃんたくん。
推定1歳の野良猫だった彼と暮らして18年。社会に出てからの私の人生の節目をすべて目撃してきた相棒です。
にゃんたは一日のほとんどを机に向かっている私の足もとで眠って過ごします。穏やかに天命を全うしてほしいと心から願っています。
にゃんたを抱きながらその日の出来事を反芻します。ほぼ毎日、感動して感謝して眠ります。反省はしますが後悔はしません。このおめでたい性格は自慢できる才能だと思っています(笑)
40歳をとうに過ぎて、やっと知った学びの喜び。
素晴らしい先生と仲間達に支えられて毎日があります。感謝です。
どうしてもっと早くに行動に移さなかったんだろうと悔やむこともあります。
一方で、不器用な自分にはこれだけの時間が必要だったのだろうとも。
この一日、もっとバージョンアップして充実させていきたいですね。
思いがけず長編となってしまいました。
おつきあいいただきありがとうございます。
さてさて。
次回はどんな一日を紹介してくれるでしょうか?どうぞお楽しみに。