2011.08.30

【エッセイ】学習利用におけるTwitterとFacebookの違い

高校生と大学生・社会人をソーシャルメディアでつないで進路を考えるSoclaプロジェクト2011が無事終了しました。

このプロジェクトは昨年はTwitterを、今年はFacebookを利用したのですが、サービスの違いによって興味深い差がありました。

ソーシャルメディアを利用した学習では、雑談を通じて紐帯が維持され、その中に学習を生起させる語りが埋め込まれる形になるのですが、雑談と学習的対話の比率が異なっていたのです。

昨年Twitterを利用した際は、「帰宅なう」などリアルタイム性の強い雑談が5割、学習内容が5割ぐらいだったのですが、今年のFacebookでは最初ほとんど雑談がなく、学習内容に関する発言ばかりでした。参加者から「雑談スレッド」が欲しいという希望がでてわざわざ作ったぐらいです。最終的には雑談ももりあがりましたが、それでも学習内容に関する発話が7割以上をしめていました。

参加者の特性や活動の変化を差し引いても、クローズドな会議室が作れるFacebookは、テーマとしている話題に集中しやすいという特徴がありそうです。このこと自体はポジティブにとらえられますが、つながりを維持するための潤滑油的な会話を上手に入れていかないと、アクセスが減る危険性があります。
また、公開質問など不特定多数からのフィードバックが必要な場合には、圧倒的にTwitterが強いです。日本は諸外国に比べてTwitterユーザーの割合が高いこともありますが、もともと公式RTなどで不特定多数に情報がつたわりやすい構造になっていることも要因ではないかと考えています。

TwitterとFacebookはソーシャルメディアとひとくくりにされがちですが、コミュニケーションのディテールはかなり違うサービスです。学習利用の際には、それぞれの特徴を生かした使い方を考えていく必要がありそうです。

山内 祐平

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