2011.05.25
日本とアメリカの教育システムの違いの一つに、英才教育(Gifted and Talented Education)があります。特別な才能を持っている子どもを早い段階で見いだし特別なカリキュラムを与えて成長を促すプログラムで、アメリカでは多くの州で公教育として展開されています。
先日、アメリカ教育省がノースキャロライナ州で行った、英才教育プログラムを一般の子どもたちに展開するプロジェクトの研究成果が公開され、話題になっています。
Treating Students as Gifted Yields Impressive Academic Results, Study Finds
この研究では、多重知能理論・高度な課題解決・テクノロジーの利用などを特徴としたProject Bright Ideaという英才教育の方法を、一般の幼稚園児・小学校1年生・2年生10,000人に5年間展開してきました。
小学校3年時の英才児の割合をBright Ideaクラスと通常のクラスで比較したところ、通常のクラスの割合が10%であったのに対し、Bright Ideaクラスでは15%から46%と大幅に増加していることが明らかになりました。
裏返すと、のびしろを持っている多くの子どもたちが、適切な教育方法がとられていないために可能性を発揮できていないことが判明したともいえます。
この研究はアメリカの学校を対象としたものですので、単純に日本に適用することはできません。ただ、どうすればひとりひとりの持っている可能性を最大限に引き出すことができるのか、教育者に内省を求める研究結果であることは間違いないでしょう。
【山内 祐平】