2011.04.15

【今年の研究計画】在日ブラジル人児童のための日本語学習教材の開発

みなさま,こんにちは。


【今年の研究計画】シリーズ,今週はM2の柴田アドリアーナが担当いたします。


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研究テーマ

「在日ブラジル人児童のための日本語学習教材の開発」


研究の背景

在日ブラジル人児童の現在 - 近年、日本に居住する外国人の子どもに対する教育問題が浮上しています。その外国人の中でブラジル人の割合はかなり高いです。文部科学省の調査によると日本語指導が必要な外国人児童生徒数を母語別で見ると、ポルトガル語が最も多いです。さらには、日本にいても、帰国しても不適応な状態で不就学の問題も大きくなっています。不就学の理由の一つとして、「日本語の難しさ」があげられています。
本研究はポルトガル語がメインで、日本のブラジル人学校で勉強している小学校一年生のブラジル人児童を対象としています。今までに作られてきた日本語教材はブラジル児童の文化と日本の文化の違いを前提とした日本語学習教材は作られていない。


研究の目的

本研究では、在日ブラジル人の子どもに異文化への気付きを生かした日本語学習教材を提案し、子どもが母国の文化と日本の文化の違いを理解した上で、言葉の意味を学べるようにするにしたい。そのためにブラジル人児童の日常的シーンからブラジルの文化と日本の文化の違いを踏まえて日本語を学べる教材を開発することが目的です。


研究の課題

先行研究によると在日した子どもは日本社会での生活を通して、複言語・複文化主義から新しいコミュニケーションの能力を作り上げる。そのためには日本社会に参加するために必要な日本語を学ぶ機会を保障することが必要だといわれています。
また、Cumminsの「二言語相互依存の原則」では、高度な認知的活動に必要な能力は2つの言語の間で共有されていると示し、母語保持教育•継承語教育の必要性に理論的根拠を与えています。

本研究で提案したいのは:

「イメージ」「音」「モーション」を組み合わせるデジタルな日本語教材。

→ 在日ブラジル人の子どもの生活を通して、日常的なシーンから日本語の使いやすい場面の例を上げる。
→ そこで、言葉の意味や文化的要素を説明していく・・・まずは簡単な挨拶から!
→ ストーリーを通して、デジタル教材のインタラクティブ性を楽しく探る。


今後の課題

まだはっきりとしない部分が多くあります・・・
まずは、デザイン原理をクリアに整理して、実現方法を具体化する必要があります。これを達成すると評価方法、分析方法を含めて次のステップへ進みます。
最初から子どもを対象にした一つの理由は「楽しい教材を作りたい!」でした。いろいろな面で日本とブラジルの絆を深まり、教育的に価値のあるものを作っていけたらと思います。
これからも頑張って研究を進めていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

[柴田アドリアーナ]

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