2011.04.04

【1年間を振り返る】誰に向けての研究なのか

皆様、こんにちは。博士課程2年の大城明緒です。

まず初めに、この度の東日本大震災により被災された多くの方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

新年度も始まりましたが、山内研のメンバーがそれぞれの目線で4月からの1年間を振り返るシリーズ【1年間を振り返る】最終回をお送りいたします。


■英語の授業と学会発表

2010年度は、博士課程に進学して最初の1年でした。印象に残っているのは、英語でのプレゼンテーションの仕方、論文の書き方を学ぶ、博士課程向けの授業(Academic Communication in EnglishとAcademic Writing Exercise)です。

学術的なコミュニケーションにふさわしい語彙や表現を選びながら、緻密に論理展開を組み立てて話す・書くということは、英語に限らず、日本語の場合でも十分注意する必要があることを感じました。また、昨年12月には初めて国際会議で口頭発表を行いました(発表論文)。


■予備実験と足踏み

博士課程では、修士研究とは違った切り口でのバックチャネルの授業活用を研究しようとしているのですが、なかなかこれがうまくいきません。ゼミの皆様や先生方に相談に乗っていただきながら、何度か予備実験の形でlinoTwitterを使った映像講義の受講方法を検証していますが、研究の次の段階に進めるような方法をまだ見つけられていません。

誰に、どんな学習者であって欲しいのか。その根本的な目的と目標を明確にしない限り、前に進めないことを感じて悩んでいます。


■2011年3月11日

そんな中、本郷キャンパスで3月11日の地震を経験しました。生まれて初めて体験する大きさの揺れでした。そして、「大きな地震だった。怖かった。」と思いながらも、後からそのように振り返ることができて、怪我もなく無事に生きていられることは、本当に幸せなことだと思いました。

あの一瞬で命を奪われてしまった方がどれだけいたことか、命を奪われてしまった方の家族や友人が今どんな思いでいるのかを思うと、目の前が真っ暗になって頭がパンクしそうになります。どんなに想像したとしても、自分ではその悲しみや怒りを到底理解することはできないと思うとまた悲しくなります。

今、自分は直接的な形で被災されている方の支援に関わることはできませんが、今までしてきたことやこれからすべきことに淡々と取り組むしかないのだと思います。

そして、色々な場所で「支援」という言葉を耳にするたびに、それは「誰に向けての、何のための、どんな支援なのか?」という疑問が頭をよぎります。それは自分にも返って来る言葉でもあります。

それは、誰に向けての、何のための、どんな研究なのか?

引き続き淡々と、しかし以前よりも覚悟を持って研究に取り組まなければと感じています。

【大城 明緒】

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