2011.02.04
皆さま、こんにちは。博士課程1年の大城です。
授業やゼミ以外での学びの場を紹介するシリーズ【私の学びの場】最終回は、「TAとしてかかわる大学授業」をお送り致します。
修士1年の頃から、とある私立大学の学部生向けの授業で、TA(ティーチング・アシスタント)を務めさせていただいています。修士1年・2年の間は、インストラクショナルデザインに関する講義+演習の授業、博士課程に進学した今年度は、前期は1年生向けのアカデミックスキルの授業、後期は2年生向けの、卒業生と在学生の交流をデザインする演習型の授業に参加させていただきました。
高等教育を研究テーマとする以上、普段から他の大学の授業を継続的に見られるのは、非常に貴重なことです。
■ホンモノの大学生が見られる!
悲しい(?)ことに、自分も大学院生という学生の立場ながら、今の大学1年生とは6つも歳の差があります。平成生まれだなんて...おやまあ!「大学生の感覚」を、自分自身が大学の学部生だった頃の感覚で考えるのが難しく、また危ういものになってきました。
自分の研究は、、「大学講義の理解を促進するためのデジタル・バックチャネルの導入方法に関する研究」と題し、大学の授業中にコンピュータやネットワークの利用を取り入れることを前提に、その使い方を提案することを目指していますが、デジタル機器に対する姿勢や使い方の習慣は、数年単位の世代の違いによってずいぶん変わって来ると考えられます。仮に「理論的には、大学生はこうこうこうして学ぶのがいい!」ということを説明できたとしても、それが実際の大学生の感覚とあまりにかけ離れたものであると、現実的でなくなる恐れがあります(介入をする以上、ある程度の変化を求めるのは前提となりますが...。)
文献調査によって裏付けられた理論をもとにして考えるだけでなく、それが「今を生きるホンモノの大学生」にとってどのような意味を持つのかを、彼らの気持ちや態度に寄り添って考えていくことが重要です。ですので、「ホンモノの大学生」を見て、話ができるというのはとてもありがたいです。
■先生方の授業運営の様子を見られる!
TAという立場では、教員の方々の授業運営を、微力ながらお手伝いするという形で、その様子を半期を通じて継続的に追うことができます。
自分の研究は、大学の授業を対象とするものの、当然ながら自分自身はまだ学生であり、大学での教授経験はありません。そこで、実際に大学教員の先生方が授業を進められていく様を、「こんな授業、こんな先生に自分の提案するバックチャネルの利用方法の導入をお願いするとしたら?」と、妄想もといシミュレーションしながら、そばで拝見できるのは貴重な時間です。
先生方の授業中の学生の反応に対する臨機応変な振る舞いや、半期全体で見た科目の進行スケジュール調整の様子などを、授業時間内外ともに直に見られるのは、自分にとって、リアルな大学授業を掴むのに大変役立っています。
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このように、自分の場合は「大学の授業」ですが、教育を研究するうえで、その対象となる教授者や学習者がいるフィールドとつながりを持つことは大切であり、それは重要な学びの場だと思います。このような機会をいただけることに、先生方や学生の皆様への感謝の気持ちを忘れずに、これからも様々な大学の授業に参加していきたいです。
[大城 明緒]